表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
51/138

オーナーの正体

 東京に来た次の日。

 私は朝から忙しくしていた。


 店長に紹介してもらった店舗に向かった。


 ここかなぁ。


 ホテルからは、わりと近くて小さな小さな店舗だった。

 そこは私の理想通りだった。


 今日はここでビルのオーナーと待ち合わせをして

 いた。


「こんにちは!」


 後ろから落ち着いた声をした女性に声をかけられた。

 パッと顔を見た瞬間、驚いた。


「上重さん!!!なんで?」


「私がここのオーナーよ。驚かしてごめんなさい。店長には黙っててって言ってたのよ。」


「まさか、上重さんのビルだったなんて。」


「なつみちゃんがお店をやりたいのは知っていたから、いつか言おうと思ってたの。でも良かったわ。来てくれて。これから手伝わせてもらうわ。」


「ありがとうございます。何て言っていいか…。」


「いいのよ。これから頑張りましょ。とりあえず、中へ。」


 店舗の中を案内してもらった。


 私は持って来ていた内装のデザインを上重さんに見せた。


「内装なんですが、こんな感じにしたいんです。」


「いいわね。知り合いに頼んで安くやってもらいましょ。少し時間をもらうわね。」


「すみません。何から何まで。」


 打ち合わせも終わり、私はすぐにリエに電話をかけた。

 電話に出なかった。


 色々なお店巡りをしようと思い、駅近くまで出てきた。


 私は、車いすに乗っている。バタバタとみんな忙しそうに歩いている街。



 人の多さを見た途端、やっぱり行けなかった。



 田舎では気づかなかった事に、気づいてしまった瞬間だった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ