表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
30/138

もう……

 コウちゃんとの話も終わり、私は、病室に戻るとお母さんは戻っていた。


「 なつ、ありがとね 」


「 お母さん、私に隠さないで。見たの。薬飲んでるの。具合悪いんじゃない?」


「 バレてたかー。ごめんね、お母さん長く生きれないと思う。なつが心配だよ。一人にしちゃうから 」


「 私の事は心配しないでいいから、ゆっくり療養してよね 」


「 うん、さすが私の娘!強いぞ!」


 二人で、涙目になりながら、話し合った。



 私は部屋に戻り、部屋の片づけや家事を始めた。


 ピンポーン


「 はーい 」


 安西さんだった。


「 ちょっといい?」


「 どうぞ 」


 いつもは優しい顔の安西さんが少し怖い顔をしていた。


 私は紅茶をいれて顔を見た。


「 なつみちゃん。知り合いだったんだね。二人とも嘘つき 」


 すぐにわかった。


「 ごめんなさい。言おうと思ってたんです。なかなか言い出せなくて…… 」


「こそこそ会うなんて。いい子ぶらないでよ。」


「 ごめんなさい 」


「 最近、ヒロ、会ってくれないと思ったらこういう事だったなんて 」


「え?」


「 連絡も取れないし、前からなんか変だからなつみちゃんとこに来てみたの 」


「 今日は突然だったので 」


「 もう会わないで。お願いします 」


 私は何も言えなかった。


 安西さんはそそくさと出て行った。


 やっぱり。そうだよね。


 ごめんなさい。


 もう会いません。会いたいとも思いません。


 だから許して。


 憧れや懐かしさから、いつしか恋愛感情へと変わっていたのかもしれない。


 色々な事がありすぎて、涙が止まらなくなってしまう。


 いつもと違う安西さんは、とても、怖かった。


 色々あって疲れた。ベッドへ横になろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ