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桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
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常連のお客様

 次の朝ーー

 朝ごはん今日は私が作ろう!


 鼻歌を歌いながら、味噌汁。卵焼き。焼き魚。



「あ、今日は和食だね?もしかして…なっちゃん、今日はご機嫌だね?」


 お母さんが私にこう言った。


「お母さん、勘がいいね!」


 どうやら、私は機嫌がいい日は、和食を作っているらしい。


 知らなかった。気にしてもなかった。


 お店に着く前に桜の木に手作りポストを置いた。


 2人だけのポスト……。

 心地いい響き、嬉しさが溢れ出していた。


 美味しい美味しい朝ごはんを食べて、私はそそくさと家を出て、桜の木に向かった。




 桜のポスト……そこに手紙をいれて、出勤した。



 ーー


 お店に着いてしばらくするとお客さんがきた。


 常連の上重さん。


「なっちゃん、今日もお願いね!」


「はーい!」


 上重さんは、私が事故に遭い元気を失くしていた時からのお客さん。


 上重さんいわく、ハンドマッサージはその人の感情などが手から伝わってくるらしい。


 元気がなかった時は、いつもあなた、全然なってないわ。とか言われていた。


 今となっては、ありがたいアドバイスだったんだと思える。


 それでも、毎日、毎日、通ってくれていた。

 支えてくれていたから今がある。


「なっちゃん、あなた凄く上手になったわ。最初の頃は大変だったもの。」


「上重さんのおかげですよ。」


 上重さんはニッコリ微笑んでくれている。


 いつかは、もっともっと上手になって、お店がもてるようになりたい。


 いろんなお客さんを癒してあげれるようになりたい。

 私は、今できることすべてをやり遂げていきたい。


 お客さんに、私じゃなきゃって言われたい。とも思っていた。

 でも、これが私の精一杯の気持ちでもあった。









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