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桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
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不安

 その夜ーー


 またあの夢を見てしまい、汗びっしょりで目が覚めてしまった。


 は!!

 怖い……


 怖くて怖くて……

 前向き前向きに考え、車いすの生活になってしまってからも、無理やり元気に過ごしてきていた。


 お母さんを心配させない為に。


 ……でも怖いよ。

 思い出して震えが止まらない。


 そう思いながらも、気づいたら眠りについていた。


 ーー次の日。


 今日会える予定の日。


 嬉しいけど、不安もいっぱいになっていた。


 昔とは違う今の私……けど同情はされたくない。


 かわいそう……とか。


 彼だけには思われたくなかった。


 こんな形の再会になってしまったことに不安が増していった。


 夜になっても、現れなかったらどうしよう。


 それに気づいた店長が言った。


「なつ、不安そうな顔してるよ、ずっと。どうしたの?話してごらん。」


 私はお客さんがいなかった為、話す事にした。


「店長、憧れの人に会える事になったんだけどこんな形の再会になってしまって、不安なんです。かわいそうとか絶対に思われたくないから。」


 少し間をおいて、店長が言った。


「わかるよ。でもなつは、なつだよ。その人きっとそういう人じゃない気がするよ!安心してあってきな!もし何かいわれたんだったら私がパンチしてあげるさ!」


「店長、ありがとう。」


「なつ、ネイルなおしてあげる!」


 ネイルを店長がなおしてくれた。


「可愛い!」


「でしょ?」


 店長は絵が得意な人。

 ネイルを綺麗に仕上げてくれた。


 桜の花びらが舞ってるように桜のネイルだった。

 私がやる桜のネイルとはまた全然違う。

 人によって、印象が全然違うんだなってその時の私は思った。


 悲しさ、切なさ、楽しさや感情が人によって違うように。


 店長のサッパリしたところに勇気づけられたよ。


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