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桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
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逃げずに

 私は、優しくて温かい人達に出会えて幸せ者だと感じている。今の私は、温かい気持ちで穏やかだった。



  「 じゃ、そろそろ行くね!ありがとう 」


  駅に着いた私は、また都会へと向かって行く。


  安西さんにも会うことが出来たからか、今までになくスッキリとした気持ちにもなっていた。


  小さな溝を埋めることが出来たかは……分からない。それでも、自分の言葉で伝える事が出来た。


  今までの私なら逃げていたかもしれない。嫌なことから全部。嫌いな人って思ってしまったら、近寄る事もしなかった。


  歩み寄ろうとする事すら、しなかっただろう。人の気持ちをわかろうともしなかった。


  でも、今回は違う。ずっと、ずっと気になっていた。


  私の心の中で、しこりのようにずっと残ってしまっていたんだ。嫌いな人ではあるけれど、嫌な事もたくさんされてしまったけれど、悪い人ではない事は最初から気づいていた。


  心の中を自分でコントロール出来なくなってしまうくらい好きな気持ちが伝わっていたから……。


  今の私には、その気持ちが分かる。



  『 良かった。本当に良かった 』



  私は、こんな風に心の中で何度も呟いていた。また新しい気持ちで、前に進もう。


  前へ……前へ……。


  こんな事を考えているうちに、あっという間に、私のお店がある駅へと着いていた。色んな事を頭の中で整理し始める。



  「 よいしょっと。ありがとうございました 」

 


  私は駅員に軽く会釈をし、端の方へと向かって行く。


  そして、携帯を取り出し、電話をかけていた。



  「 もしもし、リエ?今から会える?駅に着いた所だから、迎えに来てくれる? 」

 


  私は、リエに電話をし、駅で迎えに来てくれるのを待っていた。

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