表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
134/138

人の気持ち

 後悔なんか……もうしたくない。私の中でどんどん気持ちが大きくなっていく。


  私の大事な人達も、みんな幸せになれればいいのに。


  沢山の人がいる中で、恋愛の形も凄くさまざまで複雑。そんな中でも、私は優しい気持ちでいたい。


 

「 なっちゃーん!早く早くー! 」


「 お待たせっ! 」


「 二人で何話してたの?? 」


「 ……楽しかったね!って話してたんだよ 」


「 そうなんだ!うん!本当に楽しかった!」


 

  あかりちゃんも、幸せになってね!明るい素敵な未来が訪れますように……。



  明日からまた私は、現実に戻され今まで以上に頑張らなければならない。私の出来る限り、恩返しもしていければいいな。上重さんや店長にも何か私が出来ることあるのかな。


  運転しているコウちゃんは、あれから何も喋る事もなく、ただひたすら前だけを向いていた。何かをずっと考えているみたいだった。


  しばらく車を走らせ、家に着き私とあかりちゃんが車を降りた後、コウちゃんはそそくさと車へと戻り私達にこう言った。



「 なつ、ごめん!今日はあたし、バーの方に顔出さなきゃだから……行ってくるね! 」


「 わかった。大丈夫だよ 」



  それだけを言い、車の窓を閉め行ってしまった……。


  だいぶ早い時間にバーに着いてしまったコウちゃんは、こんなことを思っていた。

 

  バーに着くなり、慌てるように冷蔵庫から水を取り出し飲み始める。



  ーーなつ。ごめんね。あたしの気持ちを知っていたんだね。自分の気持ちにちゃんと向き合わずにいたなんて恥ずかしくてたまらなかった。


  いい大人なのに、全然分かっていなかった。


  本当に……ごめん……本当に。


  コウちゃんは、カウンターの中でうずくまってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ