カーディガン
ショッピングモールへ着いた私達は、三人ともかなり嬉しそうな表情へと変わっていった。
コウちゃんは、私を車から降ろし、車椅子を押し始める。
「 なつ、今日はたくさん買おっか? 」
「 おぉ!いいねぇ! 」
食器や、雑貨や、服など、自分達の好きなものばかりを見て回っていた。
好きなものをこうやって楽しく見てまわれるのは、幸せだった。
洋服屋の前に着いたら、あかりちゃんが私に声をかけてきた。
「 なっちゃん、これにする? 」
あかりちゃんが私に見せてきたものは、お揃いのニットのカーディガンだった。
「 それ、可愛い 」
あまりにも可愛くて、私も子供の様な表情をし、あかりちゃんに話しかけた。
「 なっちゃん、これにしよう! 」
「 私もいいかしら? 」
と、コウちゃんが冗談ぽく言い、笑っている。
「 ダメだよ!なっちゃんと二人でお揃いにするんだから! 」
あかりちゃんは、頬をふくらましている。
「 大丈夫だよ、あかりちゃん。冗談だから!」
いつもコウちゃんは、何かあると私達に冗談を言う。昔からそうだった。
私達、みんなそうやって昔から、たとえ連絡をとらなくなってしまったとしても、ずっと友達でやってこれたんだ。
悲しい時も、楽しい事があった時も……。いつもお互いを支え合ってきた気がする。
昔は、全然気づかなかった想いも、今はこうやって気づく事ができたみたいに。
そして私達は、ショッピングモールでソフトクリームを食べていた。