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桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
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不安や悲しみ

 雲ひとつない空を見つめながら私は、明るい前向きな気持ちになると同時に不安な気持ちもましていっていた。


 私が桜の木に置いてきた手紙は本当に届くのだろうか。

 電話で連絡をすれば、早く返事が来るだろう。


 でも私はどうしても手紙で返事を待っていたかった。

 私達が再会できたのも、この手紙のおかけだから。


 また昔みたいにすれ違ってしまうんではないかという不安に私は飲み込まれそうになっていた。


 これからの私はどうなっていくのだろうか。

 そういう不安さえも私の前向きな気持ちを少しずつ少しずつ変えていってしまう。


 何気なく見ていた空も、今の私には心を映し出す鏡のようにも思えてくる。


 突然、雨が降ってくるかのような気持ちになる時だってたくさんある。


 そして安西さんに嫌がらせを受けていた時の事も思い出していた。


 安西さんは、私に対する色んな思いがあったのだろう。

 知らない間に綺麗な笑顔を奪ってしまっていた私も考えるだけで心が痛み申し訳ない気持ちにもなる。


 嫌がらせを受けていたあの時は、恐怖と悲しみで気づいていないこともたくさんあっただろう。


 今の私には、安西さんの気持ちがわかってしまう。

 安西さんは何をしてでもヒロキくんの気持ちが欲しかったに違いない。


 その悲しみの中から抜け出せているのだろうか。



 カタカタカタカタ……


 部屋に戻った私は、携帯を取り出した。








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