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桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
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次の朝

 何故、あの二人はいつもこうなってしまうのだろう。

 こうちゃんは、二人に対して少し腹を立てていた。

 はっきりした性格のこうちゃんには二人の行動に理解することができない。


 子供の頃に離れてしまった二人が、何年も経ちやっとまた再会できたのに……

 運命の再会だと思っていたのに……


 このままじゃ、また離れていってしまう。

 こうちゃんは、二人には幸せになってもらいたいと一番願っていた。

 そんな二人がこのまま終わってしまうわけがないといつまでも信じ続けていた。


 そして朝になり、あかりちゃんとなつみはあのお花畑の道へと向かっていた。


「 なっちゃん、この道久しぶりだね!どうしてまた行きたくなったの? 」


「 大事な人が大事にしている物がここにあるから…… 」


「 どういう事なんだろう? 」


 あのおばあさんが大事にしている物がやっと見れる。

 最初にこの道へ行った時から気になっていたあの小屋。

 おばあさんの大切にしているアトリエだった。

 おばあさんとおじいさんの思い出がたくさん詰まっている場所だから、私は少し緊張していた。


「 なっちゃん、もうすぐ着くよ! 」


「 うん…… 」


 あまり人が来ない道だからか、かなり草が生い茂っている。


 ガサガサ


「 なっちゃん、ちょっと待っててね!行ける道あるか見てくるから 」


「 うん、ごめんね。あかりちゃん 」


「 なっちゃん、草がすごくてなかなか進めそうにないよ 」


 ガサガサ


 あかりちゃんは、生い茂った草を小さな手でかき分けながら道を探してくれている。


 私とあかりちゃんは、進める道を探しながらやっと小屋の近くまで来ていた。


 ガタン!


「 あっ!! 」


 草が車椅子の車輪に引っかかってしまったのだ。


「 なっちゃん、どうしよう 」


 あかりちゃんが小さな手で引っかかってしまった草を取ろうとしてくれている。


 その時だった……後ろから声が聞こえた。





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