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桜の木に寄り添う  作者: 月乃結海
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寄り道

 私は、次の朝手紙の事を上重さんに話していた。

 上重さんは、いつものようにずっと私の味方でいてくれていた。


 私の複雑な気持ちも……

 実際に思っている事が、全て現実に出来ることばかりではないけれど、今の私はひとつずつ、ひとつずつ実現させていきたいと思っている。


 そんなふうに思う事ができたのは、ヒロキくん。

 そして今まで助けてくれた人達の存在が、私を大きく変えてくれたに違いない。


 これまでたくさん寄り道をしてしまっていたかもしれない。

 本当はもっと早くに決断出来たこともあるかもしれない。


 でも、その寄り道があったからこそ今の私がいると思うから。


 そして、私はもう一度あの街へ。


 戻るつもりも全くなくなってしまったあの街へ。

 どうしても裏切ってしまったようなそんな気持ちもあり、申し訳なく思ってしまう気持ちも入り混じっている。


 心臓がどうにかなりそうなくらいにどきどきしてしまっている。


 ただ、桜のポストに手紙を出すだけなのに。


 ポストに出しても、気づいてもらえるのかもわからない。

 その連絡は、一切しない。その事だけは手紙を書いた時点から決めていた。



 おばあさんが言っていたあのアトリエにも行ってみようと思っていた。


 おじいさんとおばあさんの思い出がたくさんつまっているあの場所に……


 そして、あかりちゃんどうしてるのかな。

 元気にしているのかな。

 辛い思いしていないかな。


 あかりちゃんは、多分私の小さい頃に似ているのかもしれない。

 素直なようで素直じゃないところ。

 早く大人になろうとして大人の真似をしているところ。


 今までの事を思い返す度に、大切な出会いがあったからこそ、こういう思い出も増えていくということがわかる。


 少し顔だけを見て帰ろうと思い、こうちゃんにメールをしていた。



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