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ひねくれ魔王に愛の手を!  作者: 涙涙涙
20/24

20話 ルーちゃん目立ちすぎです

午前中の授業は座学だけだ。聞いたことあるところや簡単な計算問題などダンテに教育を受けてきたオレには少し物足りなかった。


だが勤勉なオレは暇な時間を作らない。


授業中に魔力の『練り』をひたすら練習するのだ。昨日の夜やった時と同じような感覚でオレの中で魔力がカラカラと空回る。


(もう少し器を小さく)


イメージしてみたがやはり上手くいかなかった。圧倒的に魔力の量が足りていない感じだ。続いて『巡り』を練習するため身体の中の小さな魔力を巡らせてみる。小さなビー玉が身体中を駆け回っている感覚がする。


ここでも、何か不思議な感覚に陥る。


胴体の中は問題なく巡らせることができるのだが、首から上、肩から先、足の付け根から先、に巡らせるとき上手くいかなかった。何かフィルターがかかっているような感じで、上手く通らないのだ。


(むむむ、、、何なんだこの感覚?ひょっとしてオレは魔法の才能無しなのか?)


手こずっていると不意に先生に当てられる。


「………35です」

「あら正解。よく勉強してるわね」


プラン先生がウインクしながら人差し指を立てて言った。


(あんまり没頭し過ぎるのもいかんな。それより、できることを呼吸するように自然に出来るようにしよう)


一応だが小さい火の玉を出すことも出来る。イメージは悪くないはずだ。魔力のコントロールをもっと出来るようにしようとオレはひたすら魔力を練るのであった。




ーーーーーーーーーー



〜昼休み〜


「ふー、やっと終わったぁ!メシだメシ」


「ウチもー、お腹減った!」


「………ドンっ!」


シズネ弁当は今日もデカいな。


「さて、オレも弁当を。。。ん?」


教室の廊下の方が何やらザワザワしている。女の子の話し声も聞こえてきた。一人は聞いたことある声だ。


なんだろう、嫌な予感しかしない。。。


「ちょ、ルーちゃんもう帰ろうよー、上級生なのに恥ずかしいよー」

「すぐ行くから!えっと、この辺が8歳クラスだから、、、あっ!見つけた!!」


その女の子は自分たちより年上ではあったが、男女問わず瞳を奪い目が離せなくなるのは彼女の美貌のなせる技だろう。

綺麗な金髪をなびかせ、彼女はオレの方に近づいてきた。


「エル、見ーつけた!ねぇね、天気が良いから外で一緒に食べよ」


周囲の視線がオレに釘付けになる。


「マジか。。。勘弁してくれ」


机に突っ伏し頭を抱える。


「ほ、ほらルーちゃん。この子も困ってるから。。。」

「ちょっと照れてるだけよね、エル。さぁ行きましょ」


オレの手を引くと彼女は強引に鼻歌交じりに下学校の外へと向かった。


後に残されたアカネとハウロ、シズネも思わず食べることを忘れ開いた口が塞がらないでいた。


「て、天使だ。。。」

「何あの美少女。。。」

「…………んゴクッ。。。」



ーーーーーーーーーー



「エル、この子が友達のミっちゃん。仲良くしてね。さ、みんなで食べよう」


オレは今、下学校、中学校、上学校と立ち並ぶ校舎の前の通り道にあるベンチに三人で座っていた。


「あ、あの。。。ミサと言います。よろしくです」


なるほど、ミサだからミっちゃんね。


「ども、エルザです。。。」


「ゴニョゴニョ(あっ!学校ではエルザだったわね。ゴメンね普通にエルって呼んじゃって)」


(ふあぁ!いきなり耳もとで喋んな!吐息あたる良い匂いするビクッてなる!)


「……ただ略してるだけだし問題ねぇよ」


「そ、よかった。天気良いからさぁ、みんなで昼ご飯食べたくなっちゃった」


「はいはい、そーですか」


「もーなにー!?あたしが来たら嫌だったの?」


「別に………嫌じゃないけど、目立ちすぎだろ。。。」


「えー、そうだった?」


ミっちゃんが困ったような笑顔で答える。


「は、はは………だいぶね」


「ま、気にしないの。さ、食べましょ」


「………へいへい」


「いきなりゴメンねエル?くん」


「………エルザだ。ルシアと仲良くしてやってくれ」


「うん!あたしね、気が弱いからあんまり人と喋るの上手くなくて。。。でも、ルーちゃんがあたしの席の隣に来てからいっぱい話しかけてくれて」


ルシアだからルーちゃん、か。

女子って順応早いのね。


「そっか。よかったなルシア、良い友達ができて」


「うん、そーなの!今度ミっちゃんの家にも遊びに行くんだ。あ!ミっちゃんがよかったらエルも一緒にどう?」


「あ、あたしは良いけどエルザ君は??」


「………ま、気が向いたら」


「じゃあ決まりね!行く日が決まったら教えるね」


「うん、わかったよ」


オレはルシアとミサという女の子の絶え間ないガールズトークを聞きながらランチを済ませた。




ーーーーーーーーーー




「なーんかアイツ、調子に乗ってるんじゃないですか?」


「そーですよねマコーレさん、ちょっと調子に乗りすぎですよねー」


エルザが転校初日、足を引っ掛け転ばそうとした貴族の息子、マコーレは廊下の窓からエルザ達を見ながら言った。ポッと現れ自分より目立っているエルザの存在が気に食わなかったのだ。取り巻きのボナンがそれに合わせる。


「あいつ、目立ちすぎですねぇ」


「はい、そう思いますそう思います」


「ちょっと、お仕置きが必要ですねぇ」


「はい、そう思いますそう思います」


「教室の午後の実践講座、痛い目に合わせてあげましょうかねぇ」


「ひひひ、それは名案ですマコーレさん」



午後の授業が始まる。

今日も一悶着ありそうな雰囲気だ。

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