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ひねくれ魔王に愛の手を!  作者: 涙涙涙
16/24

16話 学校初日終了

とりあえず何事もなく?

学校初日を終えたオレはハウロ達と「また明日ねー」してから家路に着いた。


家に着くまでの途中、オレを呼ぶ声がしたので振り向くとルシアがいた。


「エルおかえりー!どうだった学校?」


いい笑顔だ。ルシアの方もうまくいったようだな。


「ああ、まぁ普通だな」


「ええ、そうなの?なんか下学校にとんでもない男の子が転校してきたって帰りに噂になってたわよ??」


「おお、そいつは珍しい。偶然にもオレと同じ日に転校してきた奴がいるとはな」


「もう!それよりさ、ね?ね?なにやらかしたの〜??」


ルシアがオレの腕を指先でうりうりしてくる。やめて、まるで恋人下校みたいな雰囲気じゃないか。


「な、何もしてねえよ!いたって真面目に授業受けてただけだ」


「ふーん。。。そう、じゃあそういうことにしといてあげようかな」


「そういうもこういうも無い。いたって普通だ。誰もオレの存在に気づいてすらいない」


「えー、じゃあ友達とかできなかったの!?」


言われてあの三人の顔が浮かぶ。


「。。。まぁ、話しかけてくるやつは何人かいたな」


「そうなんだ!えへへ」


「なんだよ?」


「いやね、エルが上手くやれてるかなって心配してたんだよ。その様子ならなかなか上手くやれたみたいね」


「どうだかな」


「ま、帰ったらダンテが根掘り葉掘り聞いてくれると思うからそれ聞くの楽しみにしとこ♪」


(ずいぶん楽しそうだな…)


「お、お前はどうだったんだよ?」


「あ、気になる〜?」


「………別に」


「ふふふ。あたしも友達出来たんだ!ミっちゃんて言ってね。学校のこととか色々案内してくれたんだ」


「10歳クラスの中学校は下学校の隣の建屋だったか」


「そうなの。何かの機会に顔合わすかもね。そしたらあたしは上級生、先輩よ」


「はいはい、先輩は後輩を可愛がるもんだ」


「あ〜、可愛がって欲しいのね。いっぱい可愛がってあげるわ♪」


「………やめてくれ」


あいつらになに言われるかわからん。特にハウロに。


「ところで、お前今まで町の子供達と遊んでなかったのか?オレが町外れの家に住んでるって言ったら、ルシアのこと見たことあるって奴がいたぞ」


「あ、、、聞いたんだ。。。」


「………まぁ、言いたくなきゃいいけど」


「ううん、別に深い意味はないんだけどね。あ、イジメられてたとかじゃないよ?小さいとき、まだパパとママが生きてる時に「あまり町の人と接しないようにね」って言いつけられてたんだ」


「??どうしてだ?」


ルシアは少し表情を落とし首を振った。


「ううん、わかんない。五歳の時にこの町に引っ越してきて、お爺ちゃんが迎えてくれて。ヒッソリと静かに暮らすのがあたしん家の普通だったから」


「………そっか」


どこの家にも家庭の事情はあるものだ。他人のオレがとやかく言うこともあるまい。


ただ、少し元気なくさせちゃったな……


「………そ、そういえば。今日オレに話しかけてきた奴らが今度家に遊びに来たいって言ってたんだ。オレの家じゃないからゼベットやルシアに聞かないとって断りはしたんだけど、、、」


「えっ、ホント!?うわー良いじゃない、ぜひ連れて来なよ。お爺ちゃんにはあたしからも話すから」


「あ、ああ。。。まぁダンテも居るしなんて言うかな」


「あっ、そっか。。。ダンテとエルは魔族だものね。隠さなきゃいけないか。うん、でも話してみるだけならいいわよね」


「そうだな」


(「いけません」なんて笑顔に似合わない冷ややかな声で一刀両断されるのもイメージできる。やっぱり無理があるな………別にいいけど)


オレとルシアはお互いの学校初日のことを話しながら家に向かった。




ーーーーーーーーーー




「エルザーク様にお友達が!!?な、なんと。。。なんとめでたいことかな………わたくしが断る道理など御座いません!是非にとも!!あぁ、、、あのエルザーク様にお友達が。。。」


なにその喜びよう。

友達出来ない子と思ってた?

ちょっとひどいぜ凹んじゃうよ?


「でも、オレ達が魔族っていうのは隠しとかなきゃいけないだろ?それにゼベットは、、、」


「おお、そうでした!わたくしとしたことが興奮のあまり大変失礼を。。。ゼベット様、いかがでしょうか?」


「う、、、うむ。。。」


(?ゼベットの顔が曇った??町の人を子供とはいえ寄せつけるのは嫌なのか?)


「あ、お爺ちゃん!もし良かったらあたしの友達も連れて来ていいかな?とっても可愛い子で、ミっちゃんていうんだよ。すっごい良い子なの!!」


ルシアが満面の笑みで話す。


「む、、、ま、まあよかろう。だが、あんまり遅くなるのはいかんよ、相手の親御さん達にも心配かけるわけにはいかんしの」


孫娘にお願いされて押し切られた、という感じがするな。


「やったぁ!ねぇエル、みんなで遊ぼうね!!」


ルシアがとってもはしゃいでいる。可愛いものだ。今まで一人でいたというのは本当なんだな。初めての友達、、、か。


「片付けとかなきゃ」とか言いながらルンルン気分でルシアが喜んでいる。


「エルも手伝って!」


「え〜、帰ったばかりだしゆっくりした………」


「いいから!早く!」


「………へいへい」


ダンテはその様子をニマニマしながら見ていた。


そんなダンテの袖を引くゼベットの姿があった。


「ダンテ殿、少し、よろしいか?」

「。。。はい」


オレとルシアが二階に上がったのを見て、ダンテとゼベットは静かに外に出て行った。


(大人の話、か。子供が首を突っ込むのは野暮だろうな。。。)


と、考えながらもルシアに片付けを手伝わされたのであった。



「てか、次の休みまで日があるぞ」

「いいの!先にやっとくの!」



、、、ということらしい。

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