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銀河戦國史 (トーマ星系の反乱と勇者タオ)  作者: 歳越 宇宙 (ときごえ そら)
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タオの説得

 タオ達は2日ほど前から、無重力での生活を余儀なくされていた。

 それまでは、この船の重力は、ビーマによる加速によってもたらされていたのだが、もはや加速は必要なくなった、というか減速しなければいけないタイミングを過ぎても、減速用のビーマが見つからずにいたのだ。

 第五惑星の衛星に設置されたビーマから照射される、レーザービームによる加速が無くなった時から、彼らの船内は無重力だった。

 不便この上ない生活だった。飲食ひとつにもずいぶん気を遣う。無重力状態ではひとつ間違えば、コップ一杯の水に溺れて死んでしまいかねないのだ。

 第2惑星上のビーマが減速を引き受けてくれたおかげで、彼らは宇宙を漂流する運命から逃れられただけでなく、再び重力のある生活を送れることになり、それはとても幸福なことではあるのだが・・。しかしその幸福の訪れは、幾つもの代償を彼らに求めたのだった。

 タオ達は、この船に乗って以来、1つ気になっている事があった。

 彼らは床に固定されて設えられているテーブルや椅子やソファーを、食事や仮眠などの際に利用していたのだが、全く同じものが天井にもあった。

 天井からテーブルや椅子が、逆さを向いてぶら下がっている様子は実に滑稽で、

(これはいったい何だ?)

と、心の片隅でずっと思ってはいたのだ。

 しかし現状の、彼らに差し迫った問題を考えたり話し合ったりするのにかまけて、その疑問は、心の片隅に放置されて来た。

 第2惑星のビーマでの減速が決まった時、その疑問は、激しい痛みと共に解消することになった。

 彼らは突如、天井に叩き付けられた。

 ビームが供給されてくる方向が“床”になる為、これまでは第5惑星の方向が床で、進行方向である第2惑星の方向が、天井だったのだが、減速が始まるといきなり、そちらが床になる。第2惑星から供給されるビーマに、彼等の宇宙船が押される為だ。

 天井と床が逆転したという事だ。

 船を反転させることで、床と天井の逆転を防ぐ事も出来るが、そんな姿勢制御の為に噴射する燃料などの持ち合わせは、彼らの船には無いのだ。

 無重力の船内をふわふわとたゆたっていた、タオを始めとする乗組員たちは、突如訪れた、以前までは天井で今は床となった隔壁面との衝突の痛みに、耐えなければいけなかった。それが重力と言う幸福を得る為の、1つ目の代償だったのだ。

「事前に一言注意してくれよ!」

と、マクシムはガミラに突っかかったが、

「ビームを照射してるやつに言ってくれ!向うが何も連絡せずにいきなりビームを照射して来るんだから、しょうがないだろ。私だって尻をしたたかに打ち付けて、痛くてたまらないんだぞ。」

 しかも彼らはそこから、通常の2倍の重力下での生活を強いられたのだ。それが2番目の代償だった。

 減速開始のタイミングが相当遅れた為に、第2惑星付近で宇宙船を止めようとすれば、相当な“急ブレーキ”が必要なのだ。その為に、彼らのカラダに懸かる重力は、通常の2倍が必要となったのだ。

 2日間無重力で暮らした彼らには、2倍の重力は応えた。

 日ごろから無重力状態での作業と重力下での生活を繰り返しているタオ達だったが、2日間も無重力状態に置かれた事は無かったし、2倍の重力下での生活も初めてだったのだ。

 それは命がけとも言える試練だった。

 タオたちは、ようやくその存在意義の分かった椅子に座り、テーブルに置かれたコップから茶を飲んだ。

 数日前まで使っていたテーブルや椅子を、なぜか懐かしいような感慨と共に、頭上に見上げながら。

 減速が始まるまでの2日間は、コップから茶を飲む事は出来ず、密閉容器からストローで吸うしか無かったので、その行為一つにも懐かしさの様な感覚があった。しかし、

「うぅぅ・・、重い。コップ一杯の茶を飲むのに、なんていう重労働が強いられるんだ。」

 2倍の重力によって、コップで茶を飲む事だけでなく、フォークの上げ下げにも相当体力を消耗し、トイレに行くにも床を這いつくばるような体だった。

「それでも、ビームを照射してもらえる事はありがたいぞ。そうでなければ、このまま永遠に宇宙をさまようことになっていたのだからな。」

 心からの安堵を感じたタオの目が、またまたピンクサファイアに留まった。何度も見た怪しげな光があった。そして例の、してやったりのメイリの顔が浮かんだような気がすると共に、「うふふ」というメイリの笑い声が、タオの頭の中に響いたような気もした。

(メイリ・・?君なのか?いや・・、君が祈りを込めたこの宝石なのか?俺達を助けてくれたのは・・?)

「はは・・、そんな馬鹿な」

 自分の思考に対して嘲笑を漏らすタオに、マクシムは怪訝な視線を送っていた。

 重力2倍という苦行が丸一日以上も続き、ようやく彼らは、第2惑星の衛星軌道上にある、反乱軍の制圧下のビーマが併設された、反乱軍が基地として利用している軌道上建造物に到着した。

「あれが、ヤマか。」

 タオは生まれて初めて、岩石惑星を見た。黄色みがかった灰色の、ごつごつと起伏に富んだ表面が印象的な岩塊が、ふてぶてしさをタオに感じさせつつ、虚空に浮かんでいた。

巨大ではあったが、ウミ程の無限を思わせる広大さは無かった。


「私がこの基地で指揮を執っている、反乱軍第4部隊のシーザーだ。」

「おれはウミからきたタオだ。」

 タオに続いて、一向は名乗りを上げて行った。

「・・で、例の情報は本当なのか?」

「録音データを解析したんだろ?本当かどうかはそちらで判断できるはずだ。」

 シーザーの問いに、ガミラが突っかかるように答えた。ガミラにとっては、彼の平穏と繁栄をぶち壊した連中なのだ。

「・・ああ、我々を雑草とか呼ばわっていやがったな。コーギの後に皆殺しにすると。」

 悔しさをにじませた表情で、絞り出すようにシーザーは言った。

「コーギを殲滅するところまでは、俺たちの把握している計画通りなのだが、その後に俺たちまで毒牙に掛ける計画だったとは・・。クソッ。」

「今すぐ反乱など中止すべきだ!そして反乱軍とコーギ側の者全員で、刺客の攻撃に備えるべきだ!もう直に、刺客は到着するぞ。俺たちは途中で奴らを追い抜いて来たんだ。」

「分かっている、奴らの到着時間は約10時間後だ。奴らの動きは我々も把握しているのだ。」

 シーザーはガミラに言い返した。

「奴らがトーマ星系に来る事は、あんたたちで手助けしたのか?」

と、マクシムが訪ねた。

「そうだ、我々がトーマ星系外縁のオールトの海に、減速用のビーマを設置した。ビーマを積んだ宇宙船を、人口彗星にウミの軌道にまで運ばせて、そこからその宇宙船が自動操縦でオールトの海まで運んだのだ。」

 オールトの海は、星系外縁部に浮遊している、惑星形成に参加できなかった星間物質群だ。人類発祥の星系にあったものに授けられた名称が、そのまま普遍化したのだ。ガスや岩塊に満たされたそこに紛れれば、ビーマ位なら隠せるのだ。

「自分達を殺す刺客を、自分達で招き寄せたってわけだ。間抜けな話だな。」

 毒づくようにガミラが言った。

「奴らの裏切りを知った今となっては、我々もそう思わざるを得んよ。」

 相変わらず悔しさをにじませているシーザーは、自戒を込めた声色でつぶやいた。

「それで、あんたたちが置いたビーマで減速し、ウミでのスウィングバイで更なる減速と方向転換をして、こっちに向かっているのか。」

「俺たちがコーギの注意を引き付けている隙に、奴らが気付かれ無いように接近し、コーギを撃ち、皆殺しにする計画だから、我々と刺客はタイミングを合わせる必要があるからな。我々は奴らの動きは正確に把握している。知らなかったのは、俺たちも殺すつもりだという事だけだ。」

「へん!一番重要なことを・・・。」

「とにかく・・」

まだまだ悪態を付きたそうなガミラを遮って、タオが話し出した。

「このままじゃ、コーギもお前たちも、カンザウの刺客に皆殺しにされてしまうんだ。コーギとは休戦して、共に刺客の襲撃に対抗するように、反乱軍の連中に言ってくれ。」

「手近にいる仲間には既に、カンザウの裏切りや、我らの置かれている危機的状況は説明したが、1つ目のヤマに行ってしまった連中とは、激しい戦闘の為に連絡が付かない。それに、コーギと手を組むなどと言う提案は俺には出来ん。みなコーギへの怒りや憎しみがあるからこそ、この命がけの反乱に参加しているんだ。この2つ目のヤマの近くにいる者達で対応を考えざるを得ないが、コーギと手を組んで刺客の襲撃に備えるという選択肢は無いだろうな。コーギはカンザウに始末させるとして、我々がいかに生き残るかという話になるのじゃないかな。」

 そういうシーザーにマクシムが、

「なんだそれは!カンザウに裏切られて、コーギも全滅させられたとなったら、ヤマの開発は完全に終わるじゃないか?それでいいのか?ヤマの開発が終わって良いと思っているなら、コーギに反乱なんかせずに、ただ逃げればよかったんじゃないのか?」

「ヤマの開発が終わって良いなんて思っているわけでは無いが、事ここに至っては止むを得んだろう。カンザウがヤマの開発を指導してくれると思っていたんだ。それが裏切られたと、たった今知らされたこの状況では、ヤマの開発は断念せざるを得ない。」

 その言葉に今度はプロームが、

「コーギと手を組み、ともに刺客の襲撃を凌ぐというのが、仲間の命を救い、ヤマの開発も続けられる唯一の選択肢じゃないのか?事ここに至って断念すべきは、怒りや恨みの感情を晴らす事じゃないのか?」

「それは出来ん!」

 落ち着いたプロームの物言いに、落ち着いた声色で返そうとしたシーザーだったが、プロームの言葉の後では、感情的な声の色は隠しようも無かった。

「そんな簡単に抑えられる怒りや恨みなら、命を懸けて反乱を起こしたりなどはしない。」

 シーザーの言葉にガミラがかみついた。

「そもそもお前たちがコーギを恨むのは筋違いだろう!ミナト家に技術指導を懇願したのはお前たちの方で、コーギはそれに応じて来てくれたのだろう!それで、その作業が過酷だったからって、コーギを憎むなんて、逆恨みも甚だしい!」

「過酷な労働なんて生易しいものなんかじゃ、無いんだぞ!大勢命を奪われたんだ!逆恨みなんかじゃない!当然の恨みだ!」

 いつの間にか、彼らのいる基地指令室に入って来ていたマルクが、ガミラの言葉を耳にしたものか、怒りをあらわに言い返した。

「おお、マルク、連絡は着いたのか?」

 隊長に問われてマルクは、慌てて冷静を取り繕って報告した。

「は・・、はい。幾つかの部隊と連絡が取れましたが、カンザウの刺客にコーギを撃たせた上で、我々がいかに殺されないようにするかを考えよう、という方向でまとまりそうです。俺たちを一つ所に集めて皆殺しにする算段ならば、集まらなければいいだけだ。」

「じゃあヤマの開発は終わりって事だな。命を奪われたっていう連中も、犬死ってことになってしまうな。」

 マクシムは吐き捨てるように言った。タオと同じく、サバ村を救いたい一心で、命がけでコーギの事業に参加した彼には、受け入れがたい現実だった。

「ヤマの開発が続けられなくなるのは、俺たちにとっても痛いが・・仕方が無いじゃないか。カンザウの奴らが裏切るのが悪いんだ。あいつらがあまりにも非道なんだ。」

「そう言うお前たちは、非道じゃないのか?コーギは、トーマ星系側からの要請に応じて来てくれたんだろう。それをいきなり皆殺しにしようなんて。カンザウに甘い餌をちらつかされて、そんな残酷な道を選べるお前達だって、充分非道なのじゃないか?」

 タオの諭すような言い回しに、マルクはまた怒りを露わにし始めた。

「コーギが俺たちにどんな事をしたのか、お前たちに分かるのか!何人の親友が、無残に命を奪われたと思っているんだ。あいつらがどれだけ贅沢な暮らしをしているか知っているのか。こちらから要請して来てもらったと言ったって、俺たちは指導を要請したんだ。奴らがやっているのは奴隷化と見殺しと搾取だ。一方では、トーマ人の命など顧みずに過酷で危険な労働を強い、一方では自分達がヤマの開発での収穫を独占しているんだ。そんな奴らが皆殺しになるのは、当たり前なんだ。俺は・・、俺は・・、」

そこまで言い及んでマルクは、何か言いたげな、言い難そうな素振りを見せたが、結局は言い放った。

「俺は、恋人まで連れ去られたんだぞ!」

「けっ!なんだよ。女の恨みかよ。」

と、あきれたように言い捨てるガミラの後ろから、これまで会話に参加していなかった者が口を挟んで来た。

「お前も、恋人を連れされれたのか・・?」

 言ったのはリークだった。タオは驚いたようにリークを振り返り、

「お前の逢いたい人というのも、コーギに連れ去られたというのか?」

「ああ、コーギの事業に参加する為に、同じ集落から出てきた女だ。ガミラの下で働かされていたのだが、ある日突然いなくなり、作業者の1人から聞いた話では、コーギの者が連れ去ったそうだ。」

「ああそういえば、時々コーギの者がウミへ視察にやって来て、作業者を何人か連れて行くことがあったな。」

 ガミラが思い出したように言った。

「連れて行くのは大抵、若くて器量の良い女だったな。」

「俺の恋人も、同じだ!共にヤマの開発で働かされていたんだが、ある日突然いなくなり、人づてに、コーギの者に連れて行かれたと聞かされた。」

と、マルクはまくしたてた。

「連れて行かれて、どうなったかまでは知らんのだろうな?」

とリークが言うと、マルクは応えた。

「はっきりは分からんが、コーギがトーマ人の中の若くて器量の良い女達を、奴隷としてカーガ星系に連れ去って行ってるという話は聞いた。」

「なに・・、奴隷・・、カーガ星系・・。」

リークは激しい落胆と共につぶやいた。

 彼らにとってカーガ星系とは、二度と戻れぬ決意無しには向かえないような、あまりに遠い世界という感覚なのだ。そんな所に大切な人を、奴隷として連行されたのだ。メイリという恋人のあるタオには、その気持ちは容易に想像できた。

「カ・・カスミ・・。カスミが・・、奴隷・・カーガ星系・・。」

「カスミと言うのか、お前の連れ去られた恋人は。俺の恋人はニーナだ。今頃カーガ星系で、どんな目にあわされている事か。命があるかどうかも分からん。」

「畜生!カスミ・・カスミ・・くっそう!」

悲嘆に暮れるリークに、マルクが言った。

「あんたには分かっただろ?コーギは皆殺しになって同然だって事が。ヤマの開発がどうなろうが、あいつらだけは生かしておけないっていう、俺たちの気持ちが。」

「恋人を奴隷として連れ去られた悔しさは、俺にだって想像できる。」

タオはマルクに諭すように語り掛けた。

「でも、だからって、やはり皆殺しというのはやりすぎじゃないか?コーギの中にそういった性根の者がいたとして、全員がそんなに悪い奴だと言い切れるのか?お前はいったい、何人のコーギを知っているんだ。どれだけのコーギと直接話した事があるんだ。」

「コーギの奴等とは、一度も、会った事も、話した事も無い。奴らは自分達の居住施設でふんぞり返っていて、自分の手を煩わせることも汚す事もしない。手下になったトーマ人に武器を渡し、指揮監督を丸投げしているんだ。」

「確かにコーギ全員が悪かどうかは分からんが・・、」

タオとマルクの会話に、シーザーが割って入った。

「コーギを皆殺しにするというカンザウの提案に乗る以外に、俺たちには仲間が次々に命を奪われて行く現状を変える方法は無かったし、そのカンザウにまで裏切られたと知らされた今となっては、ヤマの開発がどうなろうが、ひとまずコーギがカンザウに殺される事は放ってお置いて、我々が生き残る事を第一に考えるしかないんだ。もう時間は無い!議論の余地はない。お前たちの意見を聞いていられる状況ではない!」

 シーザーはタオ達に向かって決然とそう言い、それ以上の発言を受け付けない態度を示した。更にマルクに向かって、

「ここからでは、1つ目のヤマに向かった連中とは連絡が取れん。誰かがあちらに出向いて、仲間達にこの状況を伝えねばならん。」

「はい、こいつらを救助する為に遅れていた、一つ目のヤマへ向けての、ビームセイリングの船の進発を急ぎます。」

とマルクは、タオ達を厄介者扱いするようなまなざしで見つめた。

「俺たちが来なければ、カンザウの裏切りも知らないままだっただろ!」

と、ガミラは毒づく。

「今残っている隊員全員を一つ目のヤマに向かわせてたとして、反乱軍全体にこの事を伝え切れるかどうかだな。」

 マルクにそう話しかけたシーザーは、タオ達に背を向けてしまっていた。

「少し人手不足かも、もうだいぶ出払ってしまいましたから。」

とマルクは、こちらもタオ達にはもう構わないといった態度で、シーザーに応じた。

「何とかして反乱軍全員に、カンザウの裏切りと、奴らの言葉に従って一つ所に集まってはいけない事を伝えなければ・・。取りあえず今は、基地に残っている隊員全員をあちらに向かわせて・・・、」

そう言いかけている所に、緊急連絡を告げる叫び声がもたらされた。

「敵集団、こちらに急接近!間もなく基地内に侵入して来ます!」

「何だと!一刻を急ぐのに。敵なんぞに構っている間に、刺客はどんどん近づいてくるというのに!」

「敵、侵入!」

切迫した叫びが指令室を駆け抜けた。

「クッ・・クソっ、とにかく迎撃に向かうぞ!」

 そういうと、シーザーとマルクは指令室から駆け出して行き、そこにはタオ達だけが残された。

「お・・おお・・、誰もいなくなったぞ。本当に人手不足なんだな。」

と、マクシムが周囲をきょろきょろ見回しながら言った。

「俺たちも行こう。迎撃に協力しよう。」

「本気か?タオ。あんな奴等に協力するのか?」

カリンが口をあんぐりさせて、驚きを露わにしながら言った。

「迎撃できなければ、俺たちだってどうなるかわからないだろ。ここにいる限りは、侵入して来たコーギの奴等にとっては、敵なんだからな。」

 タオはそう言い置いて、一目散にシーザー達を追って走り出した。

「仕方ない、タオがやるってんなら俺たちもやるまでだ!」

マクシムがそう言ってタオの後について駆け出すと、サバ村の残りの面々もマクシムに続いた。

「畜生、なんでこうなるんだ。」

 こうなってはガミラも、毒づきながらも付いて行くしか無かった。

 タオ達はとうとう、戦闘に巻き込まれる事になった。その生涯で初めての戦闘に、しかも、トーマの同胞との戦闘に、その身を投じる事になってしまったのだ。

 ピンクサファイアが悲し気な、心配気な光を放っている事に、タオは気付かなかった。


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