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私を心の底から愛して  作者: 湊 悠美
私は誰・・?
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代表挨拶と校長先生と過保護な人達

ついに当主達登場!

 御機嫌よう。新入生代表に選ばれた事を、教えて貰えなかった川之宮紫苑です。いまは、体育館に並べている新入生側の椅子で、上の空で他の新入生を待っています。上の空に気付いているのは、お母様ぐらいでしょう。


 あの後、陰陽師と妖怪の先生。つまり、全教員の前に連れていかれ、もみくちゃにされました。女性にね。男にされるわけないです。それに、女性が抱き付いていたので、近づいてこれませんし。

 私が気絶しかけた時、助けてくれたのは校長先生でした。校長先生は、鬼の妖怪らしく、名を鬼渇妖一(きがわよういち)というそうです。常盤色(ときわいろ)の髪に茜色(あかねいろ)の目。若く見える容姿。どこかで見たことがあります。みんな私に会いたくて、ついつい、はしゃいでしまったそうです。はしゃぎすぎですよ。疲れた私に気付いたのか鬼渇先生は、私に新入生代表の挨拶の紙を渡して、体育館に連れてきてくれました。


 そして今になります。やっと新入生が入ってきました。私の姿を見て息を呑む人が何人かいます。あぁ、何処かの令嬢や令息で、私の体質を知っている人達ですね。 

 新入生が全員着席したので、入学式が始まります。教頭先生の話は長いですね。とても眠くなります。


「新入生代表、川之宮紫苑さん!」

「っ、はい!」


 びっくりした。急に呼ばないで欲しいですね。いつの間に終わったのでしょう。少し緊張しますが、鬼渇先生のメモがあるので、話はこまらないでしょう。私がマイクの前に立つと何人かの人がこっちを見ますね。


 「新入生代表、川之宮紫苑です」


 満面の笑みを浮かべ、一礼します。


 「私たち、新入生は・・・・。」


 メモをみて喋ります。意外と長いですね。新入生代表がこんなに喋っていいのでしょうか。


 「大変嬉しくおもいます」


 読み終わり、一礼します。すると拍手がおきます。はぁ疲れましたね。私の挨拶が終わったら生徒会長の挨拶ですか。えっ、あれが生徒会長?深緑(ふかみどり)(いろ)のくせ毛の髪に紅緋色(べにひいろ)の鋭い目。背が高く手足が長い。それに、整った顔立ち。鋭い目をしているけど、気弱そうな感じの雰囲気。人じゃない美しさという言葉が似合う。多分人じゃないと思いますが。生徒会長は笑みを浮かべながらマイクの前に立ちます。あれ、大半の女子生徒と奥様方が顔を真っ赤にしていますね。えっ?私は、どうかって?勿論どうとも思っていませんよ。いやどうして、反応しないのか(・・・・・・・)が不思議です。


 「生徒会長の、藤條憐(とうじょうれん)です。新入生の皆さんご入学おめでとうございます・・・・」


 生徒会長も話が長いです。この人も鬼渇先生に紙を渡されたみたいですね。


 「・・・改めてご入学おめでとうございます」


 一礼とともに拍手がおきます。これで、入学式もおわりますね、この後、親はここで、話を聞き、生徒は教室に移動です。




 教室は、1‐S組で、名前がかいてある所に座ります。1番後ろの右端。なにか順番があるのでしょうか。少ししたら鬼渇先生が入ってきました。


 「初めまして、鬼渇妖一です。このクラスの担任です」


 ふざけているのでしょうか。なんで、校長先生がここに居るのでしょうか。確かに入学式の時に校長代理が挨拶していましたが、こういう事だったのですね。


 「一人ずつ挨拶をしていきましょうか。まず、一番後ろの黒髪のあなたから」


 うぅーあの先生わざと私から始めましたね。


 「初めまして、川之宮紫苑といいます。好きな物は、甘い物。趣味は、読書です。宜しくお願いします」


 そのあと、全員の紹介が終わりました。鬼渇先生が机の並び方の意味を教えてくれます。


 「これは、新入試験の成績順ですね。S組は、成績優秀です。それでも、前列の人より、後列二列の人が優秀ですがね。五百点満点から最高得点の人が後列二列にすわっています。特待生十一人全員とあと一人。最高得点の意味を、紫苑さん。教えてくれますかね。」


 何遊んでるんでしょうか。ほら、見て!普通の人達は、尊敬の眼差しだが、特待生の人達は、嫉妬の眼差しでしょ!・・・コホン。


 「最高得点というのは、五教科のテストそれぞれ一枚ずつあった、手書きで書かれた問題用紙と普通の問題用紙を完答した場合の点数ですね?」


 あれぇー?普通の人達首かしげていますよ?もしかして、特待生以外の人は、渡されていないのでしょうか。私は出されましたよ?


 「正解です。手書きの問題用紙は、大学入試問題を参考にして、特待生以外に出していないのですが、他の先生からの要望があり、別室で受けていたあなたに出されたのですよ。その問題あわせて、五教科を五十分で終わらせ、最高得点とは、さすが紫苑さんですね」


 さっきからスルーしていたけどこの人にも反応しない(・・・・・・・・・・)。というより、絶対どこかで会った事がある。それより、余計特待生の視線が痛いし、なぜか、嫌悪の視線が感じます。私の敵を増やさないでください!


 「さぁ、今日は、ここで終わります。気を付けて帰りましょう。さようなら」


 さぁ、これでお家に帰れます。何か居心地悪いですからね。




 家に帰ってメイドさん達から挨拶され、お父様やお祖父様にリムジンについて文句を言い、今、夕食を食べながら学校の話をしています(昼食前に帰ってきて今まで説教していました)。


 「校長先生が鬼渇という先生で、その先生が担任なんだよ」

 「「「鬼渇ねぇ?」」」


 『鬼渇』という名を聞いた瞬間三人の声が響きました。三人というのは、お父様の川之宮財閥現当主、川之宮一聖(かわのみやいっせい)。お祖父様の川之宮財閥前当主、川之宮将太(かわのみやしょうた)。同じくお祖父様で、水之宮財閥現当主、水之宮光三郎みずのみやこうざぶろうです。

光三郎お祖父様は、綺麗な漆黒の髪と漆黒の目で、お母様にそっくりです。そのためよく女の人に間違えられます。将太お祖父様は、綺麗な漆黒の髪と漆黒の目は、一緒なのです。こちらは男らしい、力強い端整な顔立ちですね。二人とも、髪は、肩に届くかどうかって、言う感じです。お父様は、漆黒の髪と漆黒の目で髪が肩より少し長いです。人懐っこそうな顔をしていて、いつも微笑んでいます。けど怒ったらとても怖いです。因みにお母様とお祖母様の水之宮財閥当主の妻、水之宮蘭(みずのみやらん)と麗衣お祖母様は、別室で食べています。お祖母様達は、琥珀色の髪に琥珀色の目で、瓜実顔をしています。双子なので外見はそっくりです。いつも微笑んでるのが蘭お祖母様。無表情が麗衣お祖母様です。だから、お祖母様が口が弧を描くのは怖いです!


 「あぁ、あいつ自ら出てくるとは」 「えっ、最初からそうじゃなかったのですか?父さん、お義父さん?」 「あの馬鹿はねぇ、あとから参加だったんだよ、一聖君。そうだよねぇ?将太?」 「あぁ。光三郎、語尾をのばすな。それと馬鹿って言ってるぞ」 「うん、良いんだよそれは。紫苑?」

 「なんですか?光三郎お祖父様?」


 急に話を振らないで欲しいです。食べ終わって逃げ・・お風呂に入ろうとしたのに。


 「学校で、何かあったらすぐに言うんだよ。紫苑の素晴らしさを知らない人間が、居るかも知れないしね。なにかあったらすぐに、いくからね」


 私の頭を撫でながら優しく言う光三郎お祖父様。心配そうに顔をのぞき込んできます。やはり親子ですね。笑った顔がお母様にそっくりです。


 「わかりました」


 それしか言えませんでした。すると光三郎お祖父様は、柔らかく微笑み、


 「お風呂に入っておいで」


 そういって背中を押しました。


続きは出来たら今日中にあげます

では In order to have a good dream.

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