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私を心の底から愛して  作者: 湊 悠美
天才教授は誰?
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新たなる問題発生

連続投稿1発目〜


「やーだー!もう疲れた~!」

「紫苑、もうすぐ終わるから。ね?」

「むー」


 あまりの忙しさに発狂した私を落ち着かせる、宮森みやもり良太りょうたことりょうちゃん。流石、人を落ち着かせる雰囲気を持ってる!けどね、良ちゃん!!


「私、今日が五徹目なんだよ!!」


 分かる!?体力値とかは一応神の方だけどさ、一応私高校生!しかも、成人でも職務時間が法に反しているから!!Do you know!?


「落ち着けよ。(医師免許取得)最年少の記録保持者?」

「黙れよ?口が悪い暴力医師が」

「ほらほら、目的を忘れない。父さんは、紫苑に喧嘩を売らないで」


 私と、宮森みやもり廉太郎れんたろう大叔父様の喧嘩を止めに入った良ちゃんだけど…。…ごめん。


「…目的なんか聞いてないんだけど」


 私の言葉を耳にしたのか、固まる二人。そして、こちらを見て同じく固まる医師たち。そもそも、桜華大学病院の廊下で重要な話をしているのが悪いんだよね。後、医院長と医学部長(最高責任者)医学界の天才(その息子)存在が怪しい天才(ため口で話す私)という、権力者組が居たら固まるよね~。私も、彗星高校に父・祖父・叔父(理事長)が居たら、即保健室に行く。現実なんて見たくないもん。


「紫苑…。お願いだから、もう少し早く言ってくれ。また冗談で文句言ってると思ったじゃないか。俺の怒った時間を返してくれよ」

「廉太郎大叔父様!!私、かずちゃんとせんちゃんに叩き起こされて、数ちゃんの運転で此処まで来て、今も目が回ってるんだよ!!なのにさ、五徹でさ仕事してるだけ偉いと思わない!?」

「「…よく頑張った!物凄く偉い!」」


 思わず二人が頷いてしまうほど、如月きさらぎ数真かずまこと、数ちゃんの運転は荒い。二月警備会社の社長という肩書なので、犯人を追いかけるためにも、荒いが早く、そして誰にも怪我をさせたりしない運転をしている。その為、日頃から運転が荒い!それと、数ちゃん自身がスピード狂!なので、神篠かみしの川ちゃんというジェットコースター好きに煽られ、余計にスピードが出るという最悪な状況で私は来たというわけ。


 因みに。良ちゃんは、二人とは川之宮・水之宮を父に持つ仲間なので、仲が良い。なので、三人で旅行したときにその被害にあったらしい。廉太郎大叔父様は、急患の時の緊急呼び出しの時に、被害にあったそうだ。

 それより運転が荒いのが、ほうこうという、警察トップの神様コンビ。二人とも神の力を使い、車が少なくそれでいて安全な所を見分け、その場所を車が壊れるんじゃないかってスピードで走る。けど、人は居ないのを神力で感じているので、一回も怪我をさせた事がない。


 それは兎も角!


「大叔父様。結局、何のお話なんですか?」


 私の言葉とともに、顔が急に真面目になっていく大叔父様と良ちゃん。大叔父様に至っては、暴力医師と言われた時の雰囲気が出てますよ~!!真面目に怖いから止めてもらえると嬉しいのだけれど!


「紫苑教授に尋ねる。この学校において、本当の首席教授(・・・・・・・)誰だ?」

「うわぁ。大叔父様の真面目モードだぁ~。…宮森医院長のお望みのお言葉か、私には検討はつきません。ですが、わたくし共の中では、それは川之宮と水之宮の天才が務めているという考えでございます」

「…紫苑も、真面目になると雰囲気変わるんだから」


 私の改まった口調に突っ込んだ良ちゃんは見てみぬ振り。だって、叔父様が真面目なんだもん。私も真面目にするしかないじゃないか!


「冷静になって聞け。今、『存在しない首席教授よりある方々のほうが素晴らしい』と、詰め寄っている馬鹿共が居るらしい」


 ……。…存在しない首席教授?うん?え?…。


「…ねえ?暴力医師に歴代きっての天才殿?それってぇだぁれぇ?」

「紫苑!落ち着こう!!ほら、何人か気を失ってるから!!」

「たっく、冷静さを失うなボケっ!」


 ガツンっと、言う音とともに意識を取り戻す。なんか頭いてーし、何人か気を失ってるし、記憶がない。私、何したの!?


「紫苑?いくらキレたからって、威圧して患者を気絶させるのは良くないよ?」

「と言うよりだ!頭突きしたほうが痛さに呻き、された方がケロッとしてるとか、怖いぞ!!」

「うわぁ。なんか意識なくてごめんなさいって言うレベルだよね~」


 少し怒りを声に出す良ちゃんと、ゴラァって殴りにかかりそうな廉太郎大叔父様。本当にごめんなさい!


「つい、無意識に反応しちゃって。本当にごめんなさい。患者様には、心の底からの謝罪と粗品を。で、名前教えてくれるよね?」

「えっとね?確か~」


 う~んと思い出す振り(・・)をする良ちゃん。ったく、この私が見破れないとでも思ってるのかな?じ~と睨むと、あははっと笑って目をそらす。うわぁ、そこまでして言いたくないんだ?


藤條とうじょうはじめ十六夜いざよい蓮太れんた小鳥遊たかなし和彦かずひこ佐上さがみ俊也としや。そして、その横にいる藍原あいはらかなで


 …。…?…!


「何処かで聞いたことあると思ったら、それって!!」

「そう、藤條とうじょうれん十六夜いざよい飛鳥あすか小鳥遊たかなし悠輔ゆうすけ佐上さがみけん藍原あいはらひかる。各々の兄弟だ。」

「もう、びっくりしたんだよ?一聖兄さんに、晴菜姉さん。真紅伯父さんの誕生日会に、あの子達が居て。会ったら、兄たちとは違って良い子達だったけどね?」


 疲れるよ~と、溜息を吐く良ちゃん。いっそ殺してやろうかって目をする廉太郎大叔父様。本当、苦労させられているんだね。如月家の次に。


「それにしても。どうにかしないとって!?」


 考え込もうとした時、見覚えのある人物が目に写った。この件に関して、一番何かしら知っているかもしれない人物。


「良ちゃんに大叔父様!ゆっくり歩いてきて!ちょっと私、捕獲・・してくる!!」


 目指すは、問題児を兄に持った苦労人の弟!!




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