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私を心の底から愛して  作者: 湊 悠美
理事長は誰?
40/53

城ヶ崎一族の断罪

ざまぁ回の最後

ダイジェストの伏線を回収しています

「えっ!な、なんで!どうしてなの!?」


 取り乱す城ヶ崎希桜(お馬鹿さん☆)。そんな彼女を横目に、そっと溜息を吐くのは、私そっくりの人物。


「姉さ~ん、その煽り方ドSだよ~。って言うかさ、俺じゃなくて、兄さんで良かったんじゃないの?」

「個人的に、ゆきが適任だったの!って言うか、月兄つきにいが『下っ端で遊びたい』って言ったからね。」


 私の姿をしていたのは、弟の新雪あらゆき。月兄は個人的に誘拐犯をボコりたかったらしく、強制的に雪になりました~。


「さすが雪だよね~。咄嗟に、『川之宮家長子』って云うんだもん。長子って、主に男児の事言うから、雪の言ってること間違っていないんだよね~」

「まぁ、髪の毛が偶然(・・)姉さんと同じ長さで、姉さんに無理やり(・・・・)女物の制服着させられたら、姉さんと本当に瓜二つだっただけだもんね?」


 周りに同意を求める雪。その目が笑っていないことに気がついた生徒たちは、慌てて首を縦に振る。…雪が年下であることを忘れているけど、命が大切なんだろうねぇ~。

 喉の奥で笑いながら、胸元から扇子を取り出し、パサッと広げる。その瞬間、空気が凍った。これこそが、氷の女神と言われた私の本性の登場。この扇子を閉じるそのときまで、私は氷の女神。その間、空気を絶対零度にしてしまう。


「さてさて、小娘さん?貴女は、私の事を誰に言わそうとしたのかな?」

「な、なによ!そんなの決まってるでしょ!あんたを陥れる事ができる身分の持ち主よ!」

「へぇ~。では、貴方様方はどうなのでしょう」

「紫苑ちゃん。…こんな事したくないよ!」


 私の問いかけに答えてくれたのは、御三方の中で一番歳が上な宮内庁長官補佐の、九十九つくも勇人ゆうと。勇人様は、川之宮&水之宮のお偉いさん(現当主と元当主)と同級生で、幼い頃からお世話になってます。だから、ちゃんとそんな事をしないと分かってるよ~。ちょっとした、確認ね。


「うわぁ~。そうなると、お馬鹿さん☆は何したの?」

「誰がお馬鹿さんよ!しかも、☆つけてんじゃないわよ!」

「どのように脅迫したか、公表しちゃうよ!どうぞ、ご入場ください!!」

「なによ!無視してんじゃないわよ!!」


 お馬鹿さんは、うるさいね!外野も口を揃えて、『鬼』って言わない!!


 それはそれとして、私の声で入ってきたのは、九十九つくも家・いちじく家・九星くぼし家のご令嬢。つまり、この御三方の娘さん。まぁ、感の良い人は分かったかな?お馬鹿さん☆が何をしたか。


「九十九家・九家・九星家は、『九家(きゅうけ)』って呼ばれているよね?それってさ、川之宮&水之宮のお偉いさんが、呼び始めたんだよ~。

 だからさぁ~。『九家』の方が、川之宮家であり、水之宮である、私に喧嘩売るわけ無いでしょう?」

「な、な、何でよ!何で、ここに居るのよ!誘拐したのに!!」


 …なに?マジで馬鹿なの?人の問いに答えろよ。ってか、勝手に自爆すんなよ。私の面白み消えるだろうが?


「紫苑。それに関しては、怒ってあげないでください」

「それは――誘拐した人物が目の前に居るのに取り乱すなとか――、流石に鬼だろ?」

けんはく。(人の心読んで)五月蝿いよ。ってか、居たんだ?」

「そりゃぁ、こんだけ大人数居たらな(思いっ切り居たよな?考えような。後で、説教。)」


 いやぁ~!白の鬼!なによ、副音声で、後で説教とか酷すぎるでしょう!!


鈴愛れいあ!」「美鈴みれい!」「玲香れいか!」

「なんかごめんね!感動の再開!」

「「「お気になさらず!!」」」


 私がキレてる真横では、『九家』が感動の再会してました。なんか、本当にごめんね!まぁ、感動の再会も終わったので、イジリにかかりましょうか!


「城ヶ崎家現当主の娘、城ヶ崎希桜。貴方は、『九家』である、九十九つくも家・いちじく家・九星くぼし家のご令嬢を誘拐し、『九家』に、わたくし、川之宮紫苑であり、水之宮紫苑に対し、名誉毀損にあたる証言をさせようとしました。このことで、彗星高校理事長代理として、貴方をこの場で断罪し、社交界での評判を下げ、警察にて社会的に殺害しようと思います。殺すわけではなく、城ヶ崎家を無くすだけです。これに、賛成致しますか?生徒会長藤條(とうじょう)(れん)殿に、生徒副会長十六夜いざよい飛鳥あすか殿?」


 急に雰囲気と口調に変えた私に、憐と飛鳥は冷静に対応してくれる。ありがとうね。まぁ、氷の女神様は解除していないから、何人かは真っ青なかおしてるけどね。


「生徒会長、藤條憐、賛成します」

「生徒副会長である、十六夜飛鳥は、その意見に賛成します」


「では、風紀委員長であり、『色家しきけ』代表子息、後、わたしの従兄である白河しらかわとら。貴殿は、どう思われますか?」


 はくに対して、言葉をかけた時、ザワッと空気が変わるのを感じた。『色家』代表子息に驚いたのか、私の従兄に驚いたのか。まぁ、両方かな?


「白河家次期当主、『色家』代表子息、後、貴女様の従兄と致しましては、『御三家』の血が強い貴女様に喧嘩を売った時点で有罪(guilty)ですよ。川之宮家現当主の娘で、水之宮現当主の孫。後、六之篠宮家の現当主、つまり、天皇陛下を大伯父に持つ貴女様ですよ?それでいて、彗星高校の本当の理事長なのだから反対する理由ありませんよね」


「白~!人が楽しみながら言おうとした所を、言うんじゃないの!」

「急にキャラ変すんな!」

「うっさい!こっちの台詞だ!」


「そんなの、聞いてないわよ!!」


 白と言い争いしていた所に入ってくるのはお馬鹿さん☆。ごめんねぇ~。ガチで忘れてた。


「えっ?なにを?」

「今、白河様が仰った内容よ!」

「それって、社交界に出てたら、知っとかないと駄目なことだよ!てか、はくは様付けなの~?

 ではでは、質問でーす!今、私とはくが言った事知ってた人、手を挙げて~!」


 私の声で、殆どの手が挙がる。挙がってない奴、覚えとけよ?ファンクラブのメンバーに聞いて教えてもらうから。


「嘘よっ!じゃあ、あんたが偽物なんだわ!電話で聞いてやる!!」

「どうせなら、モニターに繋いでテレビ電話しよう~」


 お馬鹿さん☆のスマホを奪い取って、カメラをこちらに向け、モニターに繋いで、テレビ電話にする。丁度後ろに立っている方々(・・)に、見えるように。


【…お嬢。す‥みません】


 映し出されたのは、スーツが所々破けた男。グラサンで顔が見えにくくなっている。…本当にイタズラ大好きだね?


「なにがあったって言うのよ!」

【誘拐したのが…実は…。くくっ!俺も誘拐していたからな!】

「えっ?」


 声が変わり、スーツの男が画面から消えたと思ったら、現れたのは、新品のスーツの上から白衣を着た男性の姿。グラサンも外していて、顔は本当に私とそっくりだね。


【この顔で、眼鏡かけてたら、一緒に誘拐されてな。んで、丁重におもてなしされてた『九家』のお嬢様を解放した後、お前から電話が掛かってくるのを待ってたわけだよ。因みに『九家』のお嬢様は、手を出されていないからな。たぶん、紫苑が後で診断書でも書いてくれると思うけど。まぁ、待ってたのはプライドをズッタズタにするために。後、黒服共は死なない程度に痛めつけてるかな。安心しろ、死んではいない】

「「うわぁっ。兄さん(月兄)、遊んでるね」」

【紫苑が誘拐されるんだぞ。因みにだが、俺は、その馬鹿共(紫苑と新雪)の叔父の水之宮月光。まだ、19だから】

「「外見詐欺~」」

【黙れ】

「はぁ!?」

「解説します!この人は、水之宮家現当主のご子息です。お母様の弟です!年齢差は、考えたらイケナイんだよ~」

「そうそう。兄さんは、桜華大学首席の実力主義者だからね。まぁ、一回卒業してるけども」


「巫山戯んな!そんなもの、わたくしの権力で!」

「どうにか出来ると思っているのかい?」

「…っ!」


 自棄になったお馬鹿さん☆を黙らせたのは、地の底を這うように低い、勇人様の声。まぁ、自分の大切の娘が誘拐されたらそうなるよね!てか、国家権力を総動員しても、見つからないなんてねぇ~。


「城ヶ崎家の現当主は、城ヶ崎(にしき)さんでしたよね?貴方のお祖父様の?」

「そうよ!何かわ」

「病院で入院中ですよ」

「えっ?」


 私の声で空気が固まった。そりゃそうだろうね。城ヶ崎家は、それなりに古いもんね。私達とは、比べ物にならないけど。


「まぁ、色んな人から失望されてて、女癖も悪く、それでいて手術も難しい難病ですもんね~。よく、助けてくれた人が居ましたよ。貴方が、部下だと思っていた人も全員掌を返したんですよ~」

「姉さん。エグい」

「それを、宮森家が助けたんですよ?知ってます?宮森家の天才医師と言われているのは宮森廉太郎ですよね?あの人は、水之宮将太の弟。つまり、月兄の叔父で、私達の大叔父なんですよ?貴方方は、恩人の親族に対して、恩を仇で返すんですかね~?」

「疑問形なのに、疑問形じゃないのが姉さんの怖さ」

「つまり、城ヶ崎家で権力を持っている人物は病に倒れ、その孫は、その恩人の親族に喧嘩を売ったんですね~そんな、貴方方が社交界で生きていけるはずないでしょう?」

「怖い怖い」

「いい加減、黙れ。雪」


「そんなの認め!」

「いい加減認めてくれないかな?連れて行くのが面倒なんだけど」

「まぁまぁ、落ち着いて」

「えっ?イケメン…」


「ごめんねぇ~。ほうこう~」


 お馬鹿さんが目を奪われたのは、背が高く、男性には嫉妬されるほどに凛々しい顔立ちの神篠かみしのおおとり。あと、宥め役の人懐っこい笑顔の、綺麗な雰囲気を持つ、如月きさらぎ幸矢こうや。二人とも、最初の方から待ってくれたくれたんだよね~。


「まぁ、この宇宙人…お馬鹿…気狂い…失礼、お嬢さんは、強制連行いたしますね~」

「罪状は、紫苑に対する名誉毀損と、九星家のご令嬢の誘拐。他の余罪は追々突き止めますので」

「お疲れ様です。警察庁長官と警察庁長官補佐」

「いやいや、そちらこそお疲れ様です」


「えっ?」

「その二人はね、警察のトップなんだよ~頑張れ~強制連行~」

「いやっ!連れていっぐ!」

「うっせ~よ。いい加減黙れ!」


 ご令嬢の態度にキレた、雪が首に手刀を落とした。うわっ!一発で黙ったよ~


「さて、皆様。この度は、彼の者がご迷惑をおかけして申し訳ございません。今日の授業は、無しにさて頂きます。ご迷惑をおかけしたお詫びに、今からホールにて、パーティーを開かせて戴きたいと思います。どうぞ、皆様、楽しんでくださいませ」

正解は、1,新雪


ダイジェストの話は、6日目と10日目の話。病院の手術と、警察のお偉いさんの話の場面が伏線でした~


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