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私を心の底から愛して  作者: 湊 悠美
私は誰・・?
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紫苑の正体・・?

紫苑の口調に変化が••••?!

 生徒会室。今、私は、五人五人で対面になるように座っています。生徒会役員五人と、私とお祖父様達とお父様と鬼渇先生の五人。目の前には全員分の紅茶。私だけ、砂糖とミルクたっぷりのミルクティー。ミルクティーというより、紅茶風味の甘いミルク。因みにもう扇子は仕舞いました。そこで、説明されました。彗星高校(ここが)、川之宮と水之宮の連名で理事をしている事など。私、初めて聞きましたけど!


「それで君たちは、紫苑の事を結婚相手と思っているのかい?」


 お父様からの質問に皆さん、真顔で頷きます。真顔でも皆さんかっこいいですね。


「じゃあ、紫苑が何かしっている?」

「空狐ですよね?その根拠は、九尾である俺よりも強い妖気だからで、昨日本人に確認しました」


 九尾さんこと、十六夜先輩が答えます。


「正解。紫苑が自分で空狐という事を言ったと言う事は、君たち紫苑に懐かれているんだね。さて、これから紫苑とついて話すけど聞いてくれる?」


 お父様の問いに皆さん頷きます。すると、光三郎お祖父様が話し始めました。


「最近の皇族は、麗衣さんと蘭が妖怪の血が出ている。力は、天狐」


 へぇー。お祖母様方って天狐だったんだ。それよりも、


「私思いっ切り継承権を持っているって言っちゃった!」


 どうしよう、言っちゃいけなかったなんて、そんなの聞いてないよ。動揺のあまり紅茶をこぼしそうになりました。


「大丈夫だよ。あの後のしおちゃんの怖さでみんな忘れちゃっているよ」

「そうだよ紫苑。しおちゃんの所以外、僕もお義父さんに賛成だよ」

「確かにあの時の川之宮さんこわかったよね。氷の女神って呼ばれていたし」


 みんな揃って傷をいじらないで!そして、藍原君。氷の女神と言わない!


「光、教室でなにがあった?紫苑、氷の女神ってなんだ?」


 十六夜先輩、いつの間にか名前で呼んでいますよね。この人にけがの事含め神林家の孫娘の事話したら怖いです。


「飛鳥、本人から許可貰っていないのに、呼び捨てはまずいですよ。それで、神林家の孫娘に怪我させられたのですか?紫苑?」


 あなたも勝手に呼んでいますよね。まぁ、別にいいですが。それよりも、代わりに言ってくださってありがとうございます。覚さん。あなたに心から賛辞を贈ります。


「紫苑を傷つけるとはいい度胸だな」

「悠輔の言う通り。ちょっと痛い目にあってもらわないと」


 前言撤回。小鳥遊先輩と十六夜先輩が怖いです。小鳥遊先輩って、雰囲気が怖いのにその倍以上に怖い!佐上先輩どうにかして・・って、そこで首を横に振らないでよ。うわぁ、九尾さんの目が金色になりかけているし。烏天狗さん黒い羽根が薄っすらみえてきていますよ。


「先輩方落ち着いて。その人なら川之宮さんが、木端微塵に心を壊していましたよ。しかも警察に連れていかれていましたよ」

「ちょっと、木端微塵はないですよ。確かにその人は今は警察署で事情聴取中ですよ。ねぇ鬼渇先生?今日まで授業が無かったのは、その様な人達を追い出すためでしょう?」


 笑顔で先生に微笑みます。あっ、九尾さんと烏天狗さん、落ち着いたみたいですね。


「えぇ、当主殿がそんな事はしないと分かっていたので、あの小娘どもを陥れるには、氷の女神をキレさせて、家を調べてもらって暴露してもらったほうが早かったんでね。それに、ほかのクラスにも怪しいのが居たんで」

「ちょっと待ってくれ、氷の女神ってどういう事なんだ?」

「あぁ、そんな渾名初めて聞いたぞ」


 二人とも落ち着いたのか、氷の女神について聞いてきました。もうそろそろ話しましょうか。紅茶を飲み、喉を潤せてから話始めます。


「氷の女神って言うのは幼い時の渾名です。小学生時代、付きまとってくる男子や、意地悪してくる奴らに怒ったんです。いまさっきみたいに。そしたら、空気が凍るとか、でも女神様みたいだとか言われ、それで氷の女神と言われたんです。私、こう見えても男嫌いなんです」

「男嫌い?」

「それにしては、普通に喋っているよ?」

「私の男嫌いは、私が信頼している人物には反応しないんですよ。って、私普通に喋ってましたね!?」


 藤條先輩と藍原君が聞いてきますが、私って、特殊なんですよね。でも、皆さん全員に反応しないって珍しいんですよ!


「まぁ、君たちは僕達が理事長としての力を使って選んだ紫苑の結婚相手だからね」

「っつ。こんこん」


 お父様の問題発言で、私は紅茶を吹き溢し(ふきこぼし)かけました。吹き溢しかけたので、決して、吹いていませんよ!


「へ?」「は?」「はぁ?」「はい?」「ん?」


 藤條先輩、十六夜先輩、小鳥遊先輩、佐上先輩、藍原君の順番で、言葉がこぼれます。皆さん動揺して、妖怪に戻りかけていますよ。

 藤條先輩は、赤い目を鋭く光らす。十六夜先輩は、金目になって、金色の耳と9つの尻尾が薄く現れる。小鳥遊先輩は、背中に漆黒の翼が薄く現れる。佐上先輩は、歯が鋭くなっている。藍原君は、栗色の耳と尻尾がでていて、少し揺れている。


「お前だって、髪の毛が銀色で目が紫苑色になっているが、それが空狐なのか?」


 小鳥遊先輩が問いかけてくる。さっきから、視界にチラチラ映る髪の毛が光っているけど、気付かなかったな。


「そんな、動揺する事かな?だって、君たちは満更でもないだろう?最初に言っていたじゃないか?君達は優秀なのに、家庭の事情で家を継げないから、養子として家に入り、紫苑と愛し合えば良いじゃないか?紫苑だって、彼らなら良いんだろ?」

「えぇ、私は良いんですが、皆様は?」


 私は、皆様の様な方が結婚してくれたら嬉しいんだけどね。


「僕は、嬉しいですね」「俺も」「俺も嬉しいな」「私も」「僕は、川之宮さんが良いなら」


 顔を真っ赤にしながら、1人ずつ答えてくれます。こっちまで真っ赤になりそうですね。

 

  「でも、紫苑から『好き』と言われるけど『愛してる」とは、中々言われないからね。いくら結婚出来ると言っても、紫苑は男という存在を心の底から信用していないから。この子にとって君たちは、結婚してもいいかもしれないと言う候補みたいなものだから」


  クックックと笑いながら話す光三郎お祖父様。確かに、彼らが愛しているって言っても、私は心の底から信用出来ない。それでも愛してくれますか。そう目線で問いかけると皆さん頷いてくれました。


「よし、紫苑についてもっと話そうか。この子は、神の中でも上位に入るんだよ。それで、使役できる式神も凄くてね、そのお蔭で紫苑に勝てる陰陽師は居ないんだよ。ここから先は紫苑聞いちゃダメ!鬼渇さんお願い」


 勝手に人の事を喋っていたお父様が急に話を止めます。そして、壁の方向を向かせられ、鬼渇先生に耳を塞がれました。私に聞かせられない内容ってなんでしょうか?

 お父様の長い話が終わり、ようやく手を外して貰いました。うぅー誰も視線を合わせてくれないので、答えてくれそうにありませんね。でも、いまさっきより顔を真っ赤にしているので、何か私に関する恥ずかしい事を言ったみたいですね。


「うん、じゃあ、明日から紫苑を宜しくね」

「まぁ、その前に。鬼渇先生、お願いします。私が川之宮、水之宮の人間だと言う事を知らせてくださいね。今、扉の外に居る人にも」

「えっ?何で俺が・・・」


 お父様が帰ろうとしたので、鬼渇先生に事後処理をお願いしたら、案の定、文句を言われました。でも、顔が真っ青になり、どんどん言葉が小さくなっていきました。視線の先には、カップを持って微笑んでいる光三郎お祖父様と、睨んでいる将太お祖父様が居ました。片方は氷の女王と言われ、もう片方は政治界の鬼と言われている2人。この2人に意見できるのは、私の知る限り数人しかいません。勿論、鬼渇先生は入っていません。


「分かりました。では、説明してきますね」


 鬼渇先生が椅子から立ち上がり、ドアの外へ向かいます。外に居た令嬢や令息の人が先生を見た瞬間騒ぎ出しました。先生が真実を告げたのか、悲鳴が聞こえてきます。これで、私に身分がどうの、と言ってくる人は居なくなるでしょう。


「では、また明日」


 そう挨拶し、一礼してお父様達と帰ります。


紫苑の口調が変わってきています 因みにこの紫苑の正体は完全ではありません

次回ぐらいに明らかになるはずです

ではAs your dreams will be a good dream

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