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File77 胃や腸の中が体の外ってホント

またまた何とも不可解なお話である。胃や腸自体は間違いなく体の中にある。でも医学的、生物学的にみると胃や腸の内部にある空間は体の外ということになるのだそうだ。それが証拠に、胃や腸の内部は内視鏡でのぞけば簡単に見ることができる。

要は、洞窟と同じである。洞窟の中に入っても、そこは暗くてジメジメしているという点を除けば、外界と同じように岩肌が見えているし、空気もある。岩に穴をあけでもしない限り、洞窟内部は依然として外界なのである。胃や腸の壁も、この洞窟の表面と同じようにヌルヌルとしていて気持ち悪いが、そこは確かに手や足と同じお肌なのである。

だから、例えば誤って毒物の入ったカプセルを飲み込んでしまっても、カプセルが溶ける前に取り出してしまえば、死ぬことはない。まだ本当の意味で、体内に入っていないからである。

空港でたまに麻薬を胃袋の中に隠して持ち込もうとしたとして逮捕されたというニュースを聞く。これは、胃袋の中がまだ体の外であることを利用した犯罪である。もし、それだけ大量の麻薬を一度に呑んだりしたら間違いなく死んでしまう。麻薬を包んだ袋がよく胃酸で溶けずに済んだものである。溶けていたら一貫の終わりである。

また、別の例もある。少々汚い話になるが、スイカの種を誤って食べてしまっても、翌日の朝にはお尻の穴から便器の中へと排泄されている。スイカの種は体の中に入ったように見えて、実は消化管という長い洞窟の中を1日かけて探検してきただけなのである。

胃や腸の中が体の外というのは、受精卵が胎児に成長してゆく過程を見れば分かるという。受精卵が分裂して大きくなってくると、最初は細胞の塊に過ぎなかった胚の中にわずかな凹みができる。それがどんどん深く内側へとめり込んでいって、最後は長い消化管にまで成長するのである。

胃や腸以外にも、体の中にあるのに体外に当たる部分はいっぱいある。鼻や口の中、気管支から肺の中、膀胱の中。要は、体に針を刺したり穴を開けたりせずに、外から内視鏡を入れて直に見ることのできる場所はすべて体の外なのである。こうした体の外と中が接する場所には必ず粘膜があり、バイ菌が入ってこないように高度な免疫系で守られている。

人は、体の表面に出ているお肌は毎日キレイに洗ったりして手入れするが、体の中にあるお肌の方は手が届かないこともあって放ったらかしである。たまには内視鏡検査を受けたりしてケアしてあげましょう。それと飲み過ぎ、食べ過ぎ、吸い過ぎにはご用心。体の中のお肌(粘膜)が傷みます。

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