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File22 なぜオスとメスがあるのか

あらゆる生物にはオスとメスがある。そしてオスとメスが生殖活動をしないと子どもは生まれない。なぜこのような面倒くさい仕組みになっているのであろう。この世の中には、単性生物といって性差のない生物もいるが、大抵は細菌などの小さい生物である。もっと大きくて複雑な生物のほとんどには性差がある。

性差は、DNAが少しでも有利に生き残りを図るために仕組まれた摂理だとするのが一般的解釈である。DNAは、それが発生して以来さまざまな外敵により常にその生存を脅かされてきた。紫外線、化学物質、病原菌、気候変動等々、数え上げればきりがない。そんな中、生き残るためには多様性を確保するしかない。つまりコチラがだめでもアチラガ生き残るという考え方である。

多様性を確保するためには、単性より複性の方がはるかに有利である。DNAは細胞が分裂するときに2つに割れて複製される。単性生物だと、突然変異でも起きない限り、基本的には何回分裂しても同じDNAを持った子孫が生まれる。

一方、複数の性がありそれが交われば、確実にDNAの多様性は増す。子どもは片方の親から50%ずつDNAの形質を受け取るから、子どものDNAは間違いなく親のものとは異なったものとなる。さらにそれが孫、ひ孫と世代を重ねてゆけばDNAの多様性はますます増えてゆく。こうして、たくさんの形質を備えておけば、どのような難敵が襲ってきてもどれかが生き残るであろうとDNAは考えたのである。

性差があるもう一つの理由として考えられているのが、増えすぎの抑制である。単細胞生物の増加スピードはすさまじい。大腸菌はわずか1日で、数億倍にも増える。高等生物がこんなスピードで増えたら、たちどころに食糧難になって種全体が絶滅してしまう。それを避けるために、増えすぎないよう、子孫を残すためにはセックスが必要という面倒なプログラムを組み込んだというのである。

実際、魚類や昆虫類の中には、個体数が増えるとオスがメス化する種がある。元々は雌雄同体である時はオス、ある時はメスに変身するのである。不特定多数に精子をばらまくオスよりは、確実に子孫を残す卵子を生むメスが多い方が種の保存には有利に働く。個体数が増えすぎると生存競争が激しくなりストレスホルモンの分泌が増加し、オスのメス化を促す。こうやって生物は増えすぎ減りすぎを調節しているのである。

いずれにしても、オスとメスという2つの性があることには絶対何か意味がある。意味がなければ神はこのような複雑なメカニズムを作ったりはしない。よってそれを破って、単性生殖を実現しようとするクローン技術には漠たる不安を感じる。また最近よく聞かれるLGBT問題も、こうやって考えてくると、増えすぎた人口を抑制する摂理が働いているのではないかとも考えられる。


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