青い空
高校入学。
悲しい事に友達ができなくて、同じ中学出身の子もいない私は一人ぼっちだった。
藍色悠也 っていうのが私の名前。
男に間違えられる確率は100%。
名簿番号も100%の確率で一番。
それに席替えをするまでは、常に窓側の一番前の席が私の居場所。
ここが空に一番近いと思った。
授業中もたまに空を見上げて、ああ今日も空が近いなあ、て頬杖をついた。
四階にある教室は確かに上るのは大変だけど、その分空に近くなって嬉しかった。
ちょっと寂しいのは昼食時間くらいで、いつも自分の席で女子の話し声をBGMにして母さんの作った明るい色彩の弁当を一人で食べた。
母さんが友達と食べるから、て入れてくれたデザートを一人で食べる。
なんかすごく悲しくて、母さんに申し訳ない気分になった。
そんな私にも好きな奴ができた。
「元気?テンション低くない?」
これがあいつの第一声。
素直に嬉しかった。誰も気にかけてくれなかったから。
たぶんずっと声をかけてほしかったんだと思う。
こんな一言に、単純にもあたしは惹かれてしまった。
空が近いこの席は、君とも近い。
何故なら私の隣の席に君がいたから。
まだまだ高校生活は始まったばかり。
少し賑やかになった昼食時間の私の席。
友達ができたから。私は大丈夫だ、とふと思った。
そのあと少し笑った。
空が近いこの席で、それよりももっと君と近づきたいと今日も頬杖ついて空を眺める。