表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女と呼ばないで  作者: どり
第9章 宴
50/50

50.後日談

 とうとうと言うか、やっとと言うか。ラストです。

約2ヶ月間、書き続けてきたと言う感じで、たどり着きました。

10万文字越えも、50話の話しも初めてで、

予定どおりにたどり着いたのが信じられませんが、

これもひとえに応援してくださった皆様のおかげと思っております。

有り難うございました。深く感謝申し上げます。


 クロエはケーキにかぶりついている。

その様子を見て、魔来子さんは笑いながら紅茶を運んでくる。

そう、約束どおりのお茶会だ。


「学校へ行ったらね、みんなが取り囲んで、昨日の欠席、どうしたのとか、今日来るかどうか心配だったとかいろいろ言ってくるの。お人形の子も、話ししてくれるし、今度交換しようって。

 そうそう、あのいじめっ子たちだけど、あたしのこと、姉御って呼ぶの。チビッたことがみんなにばれて、なんか威厳なくなったから、あたしに付いていきたいんだって。煙草とナイフはなしってことで了解したの。あたしの言うことに絶対服従なら、いいかなっと思って。格闘技クラブか何かでもやってもらおうかな」

 佑衣さんは笑顔。


「あっちの様子はどうなの?魔来子さん」


「はい、とりあえず私が不在の際は、村を母さまに、東の国はクロエの父さまに代理をお願いしてあります。代理と言っても、毎日のようにあちらには行っておりますから、そうは負担にはならないかと。そうそう、”門”そのものは解放状態になっておりますから、あちらは東の軍隊が護っております。こちらは阿坂居家の土地として買収してしまいましたので、もう他人が近づくことはないと思いますわ」


 そうか、だから僕も魔法感覚が十分に戻ってきているわけだ。

とはいってもヘタに使うと、この家の防御機構が働くのは十分分かっているけど。

 そんなことを考えていた僕は、いつの間にか佑衣さんと二人っきりになっていることに気が付かなかった。


「これ、ラバへのプレゼント。受け取ってくれる?」


 ちょっと照れたような感じで、佑衣さんが差し出したのは指輪。

うーん、魔力も何にも感じない。本当にただの指輪ですね。

銀色の輪に小さな綺麗な小石が光ってますけど。


「あたしの指にもはめてくれる?」


 あ、ペアなんですか。いいですけど。

僕は何も考えないで、お互いの指に指輪をはめる。

その指輪を見て、ニッコリしている佑衣さんが聞いてくる。


「ね、ラバ。教えてよ。最初、公園であったとき、あたしを魔法少女にって思ったんだよね?結果としてそれは外れだったけど、どうしてあたしを選んだの?」


「いえ、見たときに、この娘だって思ったんですけど・・・・・まあ、自信あったんですけどねえ?おかしいなあ・・・・って、別に根拠とかって聞かれてもなにもないんですけど」

 僕は首をひねる。


「それってもしかして・・・・・魔法少女じゃなくて、ラバの一目惚れ?」


 は、はあ!?一目惚れ?

い、いや、そんなことは・・・・・あるのか?

あのときの感覚は、恋心だったのか?


「ラバはお間抜けで、優柔不断で、ヘタレで、どうしようもないって時々おもうけど、でも、ラバがあたしを選んでくれたのがうれしくて、あたし、頑張ることが出来たと思うの。だから、あたしもラバを選びたいの」


 佑衣さんの目が真剣だ。


「あたしはラバのことが好き。ラバはあたしのこと、どう思ってるの?」


 そう言うと佑衣さんの顔が近づいてくる。

目を閉じて、唇を軽く突き出して・・・それって、もしかして、キスですか?

えっと、えっと、そんな、僕は初めてで・・・・

あの、どうすればいいんですか?

オロオロしている僕を佑衣さんは睨みつける。


「いい加減にしてよね!女の子の方からこれだけ、モーションかけてるのに!魔来子さん、このグズ弟、なんとかしてよ!!」


 物陰から魔来子さんとクロエが出てくる。


「ああ、ラバ様・・・いえ、ヤーコブ、男ならやるときはやらないと。据え膳食わぬは男の恥と言いましてよ」


「ヤーコブ様、クロエも男らしい方が好きです」


 え・・・二人して覗いてたんですか。

 

「せっかく、婚約指輪もはめたというのに、それでは佑衣様があまりにお可哀相で・・」


 はあ?婚約指輪?・・・・あ、この指輪って、え、そういうものだったんですか?

 慌てて外そうとする僕を佑衣さんが止める。


「なによ、ラバ。指輪外すんなら、覚悟しておきなさいよ!!(怒)」


 そんな様子を見て、魔来子さんは笑いながら用紙を取り出す。


「ラバ様の新しい雇用契約書は、解雇期限が設定されておりません。つまり、無期限永久に佑衣様とご契約と言うことで、よろしいですか?」


 僕は、僕は・・・・・・笑っている佑衣さんも大好きだけど、

こうやって怒っている佑衣さんも実は大好きなんですよね。

だから、こうやって怒鳴られているのが楽しかったりするんですけど・・・・

どっかおかしいかな?僕・・・


「そんなに佑衣様がおイヤなら、あたしがヤーコブ様の相手になりますぅ!」


「あ、クロエ様、それはいけません!」


「ちょ、ちょっとクロエ。指輪、返しなさいよ!」


 ・・・・ええ、これが好き。このバカ騒ぎが好き。

     だからこっちの世界でよかったなって思いますよ・・・・・




 どうも、有り難うございました!(ペコ)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ