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魔法少女と呼ばないで  作者: どり
第8章 激突
44/50

44.ヤーコブの魅力

 次話で第8章も終わり。

第9章を5話書いたら、『魔法少女』も終了です。

悪役を引き受けてくれたオネちゃんも成敗されちゃうし・・・

でも、どりさんの話は簡単には終わらないかもね。(笑)

もう少し、波乱起こしてから・・・・


 オネクターブは呪文を唱えながら、空中に飛び上がる。

中庭の上空にとどまると、そこでさらに呪文を唱え続ける。

杖の両端に火花が飛ぶ。

魔法の気がどんどん集中してくるのが分かる。

それとともに城全体が地鳴りに包まれる。


「あいつ、何をするつもりなのよ」


「何か強力な魔法で、我々を、いやお城ごと吹っ飛ばそうって感じですね」


「そんなことができるんですか?」


「いや、オネクターブの底力というのは計り知れないですから」

 魔来子さんがふわりと宙に浮く。


「私がなんとしても止めて参ります。皆さんは安全なところに待避してくださいませ」

 そう言ってさらに浮き上がろうとした魔来子さんを佑衣さんが止める。


「魔来子さん、まさかと思うけど、あの約束、忘れてないわよね?」

 なんですかという顔をして、魔来子さんが見る。


「みんなであっちの世界に戻るという約束。それにあっちで女子会やるって決めたよね?」


「そうです!クロエ、楽しみにしてます!!」

 クロエの叫びに魔来子さんは肯く。

「はい、覚えております」


「だから、必ず生きて戻ること!たった一つの冴えたやり方なんて、許さないからね!!」

 魔来子さんは微笑むと、宙に飛び上がった。

佑衣さんはそれを見て、クロエに話しかける。


「この魔法道具、あたしには使いこなせないみたい。クロエが持っていて」

 そう言うと、クロエに魔法少女の道具アイテムを渡す。

僕は佑衣さんに話しかける。


「あの、さっきの、たった一つの冴えたやり方ってなんですか?」


「ラバは、何にも知らないんだから、ま、こっちの世界じゃないからしょうがないけど、命と引き替えにするってこと。差し違えるって言えば分かる?そんなのダメって言ったんだけど」


 それを聞いて、僕は上空を見上げる。

魔来子さんがオネクターブと闘い始めてる。

姉さんはそんな覚悟だったのか・・


「あたしたちも見ているだけじゃなくて、何か手助けできないかしら。特に魔法使いのラバ、あんた、何とかしなさいよ。あんたも一応、オッフェンバッフの末裔でしょ?魔来子さんの弟なんでしょ?」


 確かにそうですけど・・ああ、もっとしっかり勉強しておけば良かった。

神様、もうさぼりません。一生懸命に勉強も魔法も頑張ります。

だから、何かいい考えを思いつかせてください。

・・・一個だけ、考えあるけど、これは本当に最終手段だし・・・・・


 僕は隣のクロエを見た。

魔法道具を身につけた彼女からは、わずかな黄色の光。


「そうか。ね、三人手をつなぎましょう。あの、ケガを治した時みたいに」

 僕の言葉で、クロエ、佑衣さんと両手をつなぐ。


「オネクターブをぶっ叩くイメージを作りましょう。

心の底からイメージを作れば、何かが起こるような気がします」


 三人の魔法力が手を導体にして飛び交う。

三人の見上げる先にいる、オネクターブをぶっ叩く!

そして、その力が最大限に上がったと思ったとき、

「あー!?」


 口から疑問符が飛び出した。

いきなり空中に取っ手のついた巨大な網が出現すると、オネクターブをバシンと叩く。


「きゃん!」

 オネクターブは地面にたたきつけられる。網は一瞬で消える。


「な、何だったんですか?今のは・・・」

 僕と佑衣さんは顔を見合わせる。

でも、クロエは喜んでいる。


「やりました、やりましたよ!ヤーコブ様!ぶっ叩いてやりました!!」

・・・つまり、クロエ、君があの巨大な・・・・あ!


「ハエ叩きか!あれ?」


「え、だってぶっ叩くっていうのはそう言う事じゃないですか?」

 クロエ、君という子は・・・・なんて、素直なんだ・・?


 オネクターブは再度宙に飛び上がる。

それを見て、佑衣さんがニヤッと笑う。

「ね、クロエ、今度は奴の足を引っ張るわよ。いい?」


「はい、足を引っ張るんですね!」

 そして、今度は巨大な手が出現すると、オネクターブの足を引っ張り、地面に叩きつける。

佑衣さんは笑い転げてる。


「足を引っ張るっていうのは・・・・・アハハ、そう言うことなんだよね。クロエには・・・ハハハ」

 ダメです。僕も、笑いがこみ上げて止まりません。


「あ、あんたたち、バカにするんじゃないわよ!いいかげんにしなさいよ。何よ、この馬鹿げた魔法は!?」


「馬鹿げたってなんです!クロエは、真剣です!!」


 僕はチラリを上空を見た。

このバカ騒ぎに巻き込まれなかった魔来子さんが魔法を唱えてる。

後少し、時間を稼げば・・・・


「オネクターブ、これを見ろ!!」

 僕は服を脱いだ。

特に上半身の筋肉を強調するポーズ。

佑衣さんが真っ赤になって僕を見る。

クロエもほんのりと朱に染まる。でも、その瞳はうっとりとしてる。

いや、それよりも、オネクターブは・・

「な、何よ、ヤーコブ、こんなところで・・・・・いえ、それはいいと思うけど、なに?あたしに見て欲しい訳?んもう・・二人っきりなら大歓迎なのに」


「お覚悟!!」

 魔来子さんの叫びと共に、巨大な火柱が立つ。

防御の間もなく、オネクターブに落っこちる。

一瞬で黒こげになるオネクターブ。


「し・・・しまった・・・・ヤーコブの筋肉に・・・・見とれて、気が削がれた・・・・」

 ばたんと倒れ込む。


「やった、やりましたよ!佑衣さん!」

 なぜか佑衣さんは渋い顔。


「あんた、お風呂の時、こいつとなんかあったんでしょ?怪しいと思ったんだよね・・・」

 え?な、何のことです、それって?

うそ、そんな目で見ないでくださいよ。違います、違いますってばあ!!


さて、次回の予告。


 魅力ってそういうことだったんですね。(笑)

 次回: 第8章 激突 第45話 オネクターブの最後

 刮目して待てっ!

 (サブタイトルは変更する可能性があります。ご容赦下さい)


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