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魔法少女と呼ばないで  作者: どり
第5章 クロエ
26/50

26.大魔法使い・・・か?

少女の名前、クロエ・レ・フィユ。

クロエは『ダフニスとクロエ』から。

一応、オッフェンバッハと関係のある名曲。

レ・フィユはフランス語で少女かな?自信なし。

第二外国語はドイツ語だったんで・・・(汗)

 朝が来た。

僕たちは交代で、少女の看護、入り口の見張り、睡眠を取った。


 でも、僕はよく眠れなかった。

昨夜の魔来子さんの質問が頭にこびりついている。


「これからどのようになさいますか?

当初の目標、村の確認と村人の確認は最低限果たしました。村は消えてしまいました。この娘以外の村人も不明。門はたぶん、敵兵に押さえられているでしょう。私ならそうします。つまり、帰る道もないということです。武器、弾薬は底をつきました。食料も残り少ないです。補給がありません。時間がたてば立つだけ、こっちが不利になります。

 さらに、どこに行くにしても、さらにあの娘というけが人も付いてきます。まさか、ここに残しておく気はないでしょう。我々は、これだけの不利な状況の中、逆転のための目標を見つけなければなりません」


 佑衣さんが少女の横で目を覚ました。

寝ているときでさえ、手を握ったままにしている。


「看護の甲斐があって傷口はほとんど塞がっていますわ。今日一日あれば、元通りになると思います」

 魔来子さんが傷を調べて言った。

佑衣さんは本当にうれしそうな笑顔だ。

 そしてその子も目を覚ました。

不思議そうな顔で僕たちを見ている。


「お腹すいた・・・・」


 最後の食料をガツガツ食っている。

仕方ございません、と魔来子さんは苦笑。

満足して落ち着いた彼女に、僕たちは話を聞いた。


 その子の名前はクロエ。

やっぱり村の子だった。

軍勢が来たとき、たまたま山の方に来ていたらしい。

村に戻ろうとしたけど、怖くなって洞窟まで逃げてきたそうだ。


「でも村の近くまでは行ったんです。何人か捕まって、連れて行かれるのを見たら、怖くなって・・・」

 ま、待って!連れて行かれたのを見た?


「生き残っている村人たちがいるんだ!」


「はい、もちろん殺されたりした人もいっぱい見たのですが、捕まったりして連れて行かれた人も見ました。連れて行かれた人がまだ生きているかどうかわかりませんが・・・」

 いや、それでも、生きている人がいるのなら、助けたい。


「いったいどこへ連れて行かれたのだろう」


「城と行っていたような気がします。どこの城かはわかりませんが・・・」


 フェルゼンシュタイン伯爵の城。

きっとそうだ。東の国の領主。この軍勢のボス。そして、あのオネクターブの親分。

そこにみんなが捕まっている。

そこへ乗り込んでいって・・・・ダメだ。

カガクという魔法はもうネタ切れなんだ。武器も弾薬もない。

どうやって、乗り込んで、尚かつ勝利すればいいんだろう?


「あ、あの・・・・皆さんはどういう人なんですか?」


「あ、そういえばこっちの紹介をしてませんでしたね」


 こちらは魔来子さん、すごくよく切れるメイドさん。

何でも良く知っていますから、聞いてください。


「いえ、そんな。知ってることしか知りませんから。ほほほ」


 こっちが佑衣さん。ちょっと年上かな。お姉さんですね。


「ごめんね。あたしが傷つけちゃって・・・」

 でも、一晩中看護してたのは佑衣さんですから。許してあげてください。


「はい、佑衣お姉さん。宜しくお願いします」


「かわいい!」

 佑衣さんはぎゅうって抱きしめてる。


 そして、僕は村の住民の、ヤーコブ・ラバ・オッフェンバッフです。

 彼女の瞳が輝いた。


「オッフェンバッフの方なんですか!大魔法使いとお近づきになれるなんて・・・・光栄です」


 え、あ、いやあ・・・・大魔法使いだなんて・・・・照れるなあ。


 佑衣さんがグイッと僕の手を引っ張る。


「クロエ、ダメよ。騙されちゃあ。こいつは落ちこぼれ。学校へ行ってもろくに勉強しないで遊んでて、ろくな魔法も覚えてないバカよ」

 クロエが僕の反対の手を引く。


「そんなことないです。オッフェンバッフの方はみんな、大魔法使いなんですから。もう、名門中の名門なんです。そんな方が魔法を使えないとかバカとかのはずないです」

 クロエの瞳はもうキラキラ。


 これって、もしかして、とても嬉しいけど、とても困ってしまう状況という事なんでしょうか?

魔来子さん、笑ってないで、何とかしてください!




予告編というのは、ふりだけすごくて、中身がなくていいんでしょ?(笑)

さて、次回の予告。


 クロエが加わり賑やかな一行。しかしラバの胸には不安がよぎる!

 次回:第27話 魔法の国の女子会

 刮目して待てっ!

 (サブタイトルは変更の可能性があります。ご了承下さい)


 誰が待つもんかい・・・・

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