25.治癒魔法
やっとラバ以外の村の住民登場。
物語をクリアするのにキーを持っている人物って奴ですね。
ちゃんとお話しして、ヒントもらわないと・・・・(笑)
倒れた少女に駆け寄った僕に、魔来子さんが声をかける。
「抜かないで!出血がひどくなる可能性があります」
魔来子さんもそばに来ると、呼吸や脈拍を調べてる。
「心臓は外れているようです。肺まで影響がなければいいのですが・・・佑衣様、医療キットを取ってください・・・・・・・佑衣様?」
佑衣さんは呆然とこっちを見てる。目がうつろだ。
「佑衣様・・・・・・・・佑衣!」
魔来子さんの怒声に佑衣さんが反応する。大きく見開く瞳。
「起きてしまったことを悔やむのは後です。今できることにベストを尽くしてください!」
その声に、佑衣さんは慌てて医療キットを抱えて持ってくる。
「ナイフを抜いたら、すぐにガーゼで押さえつけてください。いきますよ。3、2、1・・はい!」
佑衣さんは急いで止血テープで傷をふさぐ。魔来子さんが弾力包帯を巻き付ける。
でも、赤い染みがゆっくりと広がってくる。
「あっちなら、救急車を呼んで病院に搬送なんですが、こっちではこれが精一杯です。輸血とか輸液のキットまでは持ち込んでませんから・・・」
「僕が飛べるのなら、彼女を連れて“門”をくぐるのですが・・」
「無理でしょう。あそこには敵が待ち構えていると思います」
魔来子さんの答えに僕はため息をつく。
「まずは洞穴へ参りましょう。そこでもう少し様子を見ましょう」
木の枝で作った臨時の担架に少女を乗せると、僕たちは洞窟へ向かった。
◇ ◇ ◇
暗い洞窟の中、発光器があたりをぼんやりと照らしている。
床にシートを張って臨時のベッド。
そこに寝かせた娘の呼吸は浅く、早い。
額の汗を佑衣さんが拭き取っている。
佑衣さんより少し下の歳ぐらいだろうか。
柔らかい金色の髪。
「たぶん、村の子だと思います。ここへ逃げてきたんじゃないでしょうか」
「何とか助かって欲しいものです。もしかするとラバ様以外では唯一の村人かも・・・・・いえ、すみません」
いいですよ、魔来子さん。もう心は耐えられるようになってきてます。
「でも、本当に何かいい方法がないのですか。カガクでも魔法でもいいから・・・・」
「科学は手当ての道具がこれ以上ありません。魔法は・・・・魔法?」
魔来子さんが話の途中で折る。何かいい方法を思いついたのだろうか。
娘のそばへ行って座ると、じっと顔を見る。
続けて佑衣さんの顔。
そして、魔来子さんは両手の指輪と、足のアンクレットを外す。
彼女を覆っていた薄い青い光が消える。
魔来子さんはその道具を娘に付ける。
その子が淡い光に包まれた。
「ラバ様、佑衣様、こっちに来てみんなの手を取ってください」
娘を取り囲むように三人が座る。
そして、手を取り合い、八本の手が輪を作る。
「佑衣様、ラバ様。この子が完治を願っていること、間違いないですよね」
僕たちは頷く。
「ラバ様、以前おっしゃってましたよね?具体的な魔法のイメージを浮かべることで発動できると」
「はい」
「それが正しければ、そしてあたしの直感が正しければ、ですけど、この子が元気になっているイメージを、三人のイメージをこの子が身につけた魔法道具に注ぎ込めば、治癒の魔法が発動するのではないかと思っているのです」
ち、治癒魔法ですか?
確かにその魔法はありますけど、どうやって発動するかは知りませんでした。
そんな方法でうまく発動できるのですか?
「わかりません。ですが、他に思いつく方法がありません。何でもやってみましょう。傷が塞がり、元気に走り回っているイメージを思い浮かべてみてください」
目の前で苦しんでいる少女、この子が元気になるように!
三人のイメージが混じり合う。
バラバラだった感覚が一体化し、そして少女に降りていく。
そして、彼女を取り囲む黄色の光が、ふわんと強くなる。
光の中、浅かった呼吸が落ち着いた、規則正しいものに変わる。
苦しそうな表情もどこか落ち着いて、安らかな感じだ。
「やった、治癒魔法が発動したみたいだ!」
「はい、成功のようです」
僕たちは手を離した。でも、佑衣さんだけはずっとその手を握りしめている。
その様子を見て、魔来子さんは微笑む。
「佑衣様、今夜の番、お願いできますか?」
「喜んで!」
簡単に夕食を済ませて、僕は入り口で見張り番に立った。
魔来子さんもやってきて、そばに座った。
外は星明かりだけの闇の世界。
「こっちの世界は電気がなくて、本当に暗いのですね」
「でもこれが自然かなあと。あっちの夜は明るすぎますよ」
「本当に・・・・」
魔来子さんはくすりと笑った。
「さてラバ様、これからどうするおつもりですか?あの子は助かる見込みが立ちました。でも私たちが助かる見込みが立ちません」
後書きって、予告編に使うのか?
ここまで書いてやっと気が付いた。う~ん、しまった・・・・
少女の見たものは!そしてラバの身に起こる悲劇とは何か!?
次回:第26話 大魔法使い
刮目して待てっ!
(サブタイトルは変更の可能性があります。ご了承下さい)
こんなんかしら・・・・
(ギャクになったかなあ・・・?)