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魔法少女と呼ばないで  作者: どり
第4章 村(ザ ヴィレッジ)
23/50

23.”竜”を狩れ!”獅子”を蹴散らせ!

 辛かった。前の話は辛かった。

もう、書くのを止めようかと思ったぐらい。

(欠番にするとか・・・それで、話、通じるのか?)

なんとか、クリアしたら、

やっと心の安寧が戻ってきた。


 空を見上げれば、黒い雲霞のよう。

あれが”竜”空中軍だ。


「想定以上の大軍のようです」


「もしかすると、”竜”全軍かも知れませんね」


「あれと闘うのよ、ラバ、大丈夫?」


 佑衣さんの問いに力強く頷く。もう大丈夫。やるしかない。

そんな僕を見て魔来子さんは微笑む。


「では、作戦どおりに。私は敵の背後から襲撃しますので、前方は心置きなくどうぞ」


「森の中を動き回ります。空き地では相手の方が有利になります」


「連絡は無線で。さ、やるわよ!」


 三人が頷く。よし!

 魔来子さんは荷物を背負うと、見つからないように地上すれすれを飛んでいった。

僕と佑衣さんは森の中で待ち構える。


「あの中に、あの中年ハゲデブ、いないかな?いたらいいのに」


「いませんよ。魔法力を見せつけたいから、単独行動してますよ」


 僕は大型の銃を構える。グレネードランチャーというそうだ。

結構な威力があるらしい。


「これでやっつけます。佑衣さんは撃ち漏らしを頼みます」


「あんたが泣くとこ見てたら、腹が据わったわよ。お返ししてあげないとね」


 ファインダーの中で敵が大きくなる。竜とそれに跨る兵士。

兜に鎧。腰には剣。手に持った槍や弓矢でいつでも攻撃できる態勢。

間違いない、東の国の正規兵ども。

 耳元に魔来子さんの声がはいる。


『用意できました。相手はこちらに気がついていません。そちらのタイミングでどうぞ』


「いけ、ラバ!」


 僕は引き金を引いた。


 シュコーン。

ちょっと間の抜けたような感じで弾が飛び出していく。

”竜”軍の真ん中に飛び込んでいくと、次の瞬間、そこには火の玉があった。

燃え上がる竜たち、落ちていく兵士ども。吹っ飛ばされているやつらもいる。

たくさんの竜が混乱し、逃げ惑い、ぶつかり合っている。

黒い雲の中に大きな穴が開いている。


「す、すげえ・・・・」


「サーモバリック弾薬。爆風と高熱高圧でやっつけるの。魔来子さんが近づくと危ないから、さっさと全部撃っちゃいましょう」


 残りの弾が空中で太陽と化す。

それだけで”竜”軍の大半が壊滅したかも知れない。

混乱しきっている相手に、今度は飛翔した魔来子さんが襲いかかる。

透明な糸の細かい網を相手に投げつける。

引っかかってもがけばもがくほど、絡まれて、地上に落っこちる。


「かすみ網。空飛ぶ奴を捕まえるには一番いいかもね」


 あっちの世界は、平和だって聞いていたんですけど、

こんな魔法を持っているなんて、本当は恐ろしい世界じゃないですか?


 逃げ出す奴らもいれば、攻撃を避けて、こっちに襲いかかってくる奴らもいる。

そんな連中には、僕の銃が火を噴く。

 もう容赦はしない。

あの土まんじゅうを見たときから、僕の気持ちは決まっていた。

こいつらは報いを受けなければならない、

自分たちの行為の報復を受けなければならない、と。


 佑衣さんも撃っている。彼女はゴム弾だけど、竜の羽根を引き裂くぐらいの威力はある。

当たり所が悪ければ、鎧甲の兵士だって気絶する。


    △       △       △       


 敵の姿がほとんどなくなった頃だった。


『新手です。地上部隊のようです。南側から接近してきます』


 魔来子さんが無線で伝えてくる。


「どんな奴らですか。何に載ってますか」


『この前のリザードが先導して、その後ろ、大型の四つ足の獣がいます』


 ”獅子”地上軍だ。

こんなに早く来るとは思っていなかった。

もしかすると、こっちに駐留していた部隊かもしれない。

たぶん、”竜”空中軍と同時に襲いかかる予定だったのだろう。

空の方が早めに着いてしまったということか。

そのタイムラグがこっちに有利に働いたみたいだ。

一緒にやってこられたら、少人数のこっちは不利だった。


 こっちの世界では”竜”空中軍は無敵。

あっちの世界には、”飛行機”だとか、”へりこぷたー”という、空中兵力があるというけど、

こっちで空を飛ぶものは、魔法使いぐらいで他にないからだ。

一部では”気球”というものがあるとは聞いているけど、風任せに飛ぶだけでは戦えない。

 でも、実は”獅子”地上軍の方が恐ろしい。

獅子そのものの巨大さ、そして獅子も鎧装甲を付けていて防御も強いこと。そしてその機動力。

生身の人間が戦って勝てるわけがない。

僕もそう思っていた。今までは。


 でも、もう違う。

”竜”空中軍ですら、蹴散らした。しかもこっちは無傷。

佑衣さんや魔来子さんがいれば、無敵。

カガクという魔法が、こんなに強大だなんて思ってもいなかった。

僕の魔法が全然役に立っていないところが、情けないけど。

”獅子”共だって、恐るるに足らず!


「ラバ、一番怖いのは油断。いい、気を抜かないでよね!」



えー、ネタばらし。(笑

ここにでてくる現代魔法・・・じゃなくて、現代兵器は全部実在の物。


グレネードランチャー:XM25 IAWS(Individual Airburst Weapon System)

 アメリカ陸軍で採用されているエアバースト・グレネードランチャー。

 撃っている弾薬:25×40mm低速グレネード、サーモバリック弾。

佑衣さんが撃っているのは9mm機関拳銃。

 1999年に自衛隊が採用した9mm口径の短機関銃。

ラバにはH&K MP5。

 ドイツのヘッケラー&コッホ(H&K) 社の短機関銃(SMG)。

(引用:Wikipedia)


爆発の様子とか威力とかは想像ですけど。

うーん、やっぱりこっちの世界の方が、絶対に怖い。(笑









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