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魔法少女と呼ばないで  作者: どり
第4章 村(ザ ヴィレッジ)
18/50

18.間抜け者の罠

 第4章、突入~~~!(パチパチパチ)

な、なんと、あっちの世界編です。


よくぞ、ここまで続いてくれました。

よく頑張ってるぞ>作者

読者も少ないのに。(自虐の笑)

 僕は倒れ込んでいた。もう、残された力はほとんどない。

・・・・って、荷物が重すぎる。門をくぐるときに全部持たされたせいだ。


 後ろを振り向いた。門はまだ開いている。

ゆっくりとこれを閉める。ほんの少しだけ隙間を残して。

この隙間をまた広げて、向こう側に帰らなきゃいけない。

一緒に来た佑衣さんや魔来子さんと共に。

 前を見る。彼女たちはもう歩き回って、辺りをうかがっている。

僕も周りを見る。霧の中。

想定どおりに周りは濃い霧に包まれていた。

霧の向こう、ようやく朝日が昇ろうとしていた。


「確認します。荷物は全部そろっていますね。武器、弾薬、医薬品。食料、飲料、医薬品、衣類、テント、寝袋・・・」


 僕がやっとのことで持ち込んできた荷物を魔来子さんが確認する。

その魔来子さんはいつものメイド姿。

でも、白いエプロンはアラミド繊維のケブラー49というもので出来ているそうだ。

さらにその中には金属プレートを強化プラスティックで固めてあって、矢も通さないらしい。

佑衣さんの制服も同じ素材のものだ。

 頭にはヘアバンド。でも透明なだけでヘルメットを被っている。

カガクという魔法で、僕の耳元の小さな機械から二人の会話が聞こえてくる。


『周りは特に異常なし。見張りがいる様子はないわ』


『門の存在が相手にばれてないのでしょうか。ここには必ず見張りがいると予測していたのですが』


 僕もそう思っていた。相手に追われながら、この門に逃げ込んだのだから。

魔来子さんの予想では、この門の周りと、村には絶対に見張りが置いてあると言っていた。

取り逃がした僕が戻ってくるのは、その二つで間違いないからだ。


『とにかく注意しましょう。罠がある可能性が高いと思われます』


『了解』


 でも、僕は罠どころではなくなっていた。

感じていた立ちくらみが段々酷くなって、めまいを起こしていた。

思わず膝をつく。僕の中に世界が押し寄せてきて、一気に弾けていく。

予測はしていたけど、こんなに酷い気分になるなんて・・・・


「ラバ、ラバ!どうしたの!?」


 佑衣さんの声が酷く遠くに聞こえる。

魔来子さんが佑衣さんを押しとどめているのが見える。

後、あと、もう少しだから・・・もう少し待ってて。

力をコントロールするコツを思い出す。

力で身体全体を取り巻くようにしたら、光が僕を覆って・・・ほら、もう終わりだ。


「ラバ、・・・・・・本当に貴方なの?ラバ?」


 僕は立ち上がると、顔にかかる髪の毛を手で払う。


「はい、僕はラバです。本当の姿はこれなんです。お嬢様」


 そう言って、佑衣さんを見下ろす。佑衣さんは呆然と僕を見上げている。


 そうなんですよ。佑衣さん。これが本来の姿。

身長175cmってとこですか。魔来子さんより少し高いぐらい。

長身細身。髪の毛はここんとこ切ってなかったので、結構長くなってる。

服だって小学生サイズは卒業。膝までの長い黒のローブ。高いカラー。

魔法使いの正式衣装。


「案外いい男ですね。ラバ様は。意外といっては失礼ですが」


「いやあ、魔来子さん。魔法力が十分にあるので、なんか自信も湧いてきますよ」


 力を感じているせいか、どんな敵がやってきても一撃で倒せるような気がする。

自信満々。そう、まさしく、そのとおり!

おかげでなんだか、佑衣さんも大人しく見える・・・・


 ゲシッ!


「ゆ、佑衣さん、な、何を!?」


 佑衣さんの履いているSWATコンバットブーツが僕の脛を蹴った。

あまりの激痛に座り込む。


「フン、イケメンになったからちょっとは変わったかと思ったけど、全然変化ないじゃん。びっくりさせないでよね。いい、あんたがどうなろうと、ご主人様はあ・た・しだからね!」


 わかってますよ。わかってますから・・・・・蹴る前に言ってくださいよ・・・・・・


☆     ☆     ☆     


 僕も持ってきた防弾ベストとヘルメットを着用する。

荷物を背負い込む。小学生サイズではきつかった荷物も、今の僕には軽いものだ。

その間に偵察に行っていた魔来子さんがふわりと着地する。

もうすっかり飛翔術をマスターしているようだ。


「やはり、何カ所かに罠が仕掛けてありました。一部は発見して逆に仕掛けておきましたけど、この調子だともっと隠されていそうです」


「でも見張りがいないところを見ると、罠だけ仕掛けて撤退したじゃないですか。敵がいないのならさっさと村へ行きましょう」


 もうここには用はない。一刻も早く、僕は村へ向かいたかった。


「ラバ様、そう簡単ではないですよ。冷静に対応しましょう」


 そういう魔来子さんの声を振り切るかのように、僕は一歩前に踏み出した。


「ぎゃあああ・・・・・・」


 ・・・・やっぱり魔来子さんの言うことをよく聞いておけば良かった。

ひっくり返った世界を見ながら、僕はそう呟いた。


『でしょう、ラバ様。これからはご注意下さいね。もうしばらくお待ち下さい。今、縄を切りに行きますから』


 僕の足首にからみついた縄が、木の上の方まで僕を釣り上げていた。

そう、あっさり僕はワナに引っかかってしまったのだ。

ようやく地上に降ろしてもらった僕に、魔来子さんはさらに絶望的なお知らせ。


「これで、相手にもこちらの存在を知られたと思った方が良さそうです。罠に獲物がかかったという知らせがあったはずです。まもなく、敵がやってくるわけです」


 すみません、すみません。

僕が油断したばっかりに、お二人にご迷惑をおかけます。

佑衣さん、そんな冷たい目で見ないでください!


間抜ブービートラップにひっかかるあんたって、ほんっとのバカね!」



 ともあれ、本当にここまで来るとは。

お読みいただいた皆さんに深く感謝です。

これから、ラバ以上のお馬鹿キャラとか、三角関係キャラとか用意してます。

(書ききれるか自信はないですけど)

楽しみにしていて下さい。

(自分で自分にプレッシャーかけてどうする!?)

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