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『アルストラーナ伝記』  作者: リアトト
帝国歴326年
146/150

『黄昏に詠う許しの詩』

後宮の礼拝堂。

四つ葉堂には、静謐な沈殿が満ちていた。ステンドグラスから差し込む薄暮の斜光が、磨き上げられた漆黒の床に無数の細かな塵を浮かび上がらせている。その光の帯の中で、シンシアがそっと両目を閉じ、祈りの姿勢を執っていた。

彼女の繊細な唇から紡ぎ出される声は、荘厳なる空間の残響を伴い、美しく澄んだ旋律となって静寂を震わせる。

『真理の光教団』――その聖典『光明真理経』第7章「許しの灯火」、第12節から第15節。

「汝ら、胸中に刃を抱く者よ、聞くが良い。憎悪の闇を以て闇を払うことは叶わず、ただ真理の光のみが魂の影を消し去るのである。――汝に害をなし、仇をなす者があろうとも、その者を呪うことなかれ。人の過ちは無明の迷いより生じる一筋の影に過ぎず、裁きの秤はただ『至高なる真理の光』のみが執るものである」

一語一語が重厚な慈愛を帯び、礼拝堂の漆喰の壁に深く沁み入っていく。しかし、その神聖なる詩節の合間に、くぐもった嗚咽が小さく混じり始めた。

「――許しとは、相手の悪徳を讃えるにあらず。自らの魂を憎悪の鎖から解き放ち、光の抱擁へと還す尊き儀式なり。恨みを抱き続ける者は、自ら毒を飲みながら相手の死を願う者に等しい」

俯き、肩を大きく震わせているのはココロギだった。彼女の瞳から溢れ落ちる大粒の涙は、冷たい床に小さな円を描いて弾け飛ぶ。

シェルランテは、仇敵であるブランガ・オデュヌを討ち取ることなく、その命を許して解き放った。だが――そのブランガという存在は、ココロギたちにとってかけがえのない、大切な仲間三人の命を容赦なく奪い去った狂刃なのだ。

胸を抉るような喪失感と、激しい憎悪。血を吐く思いで仇を討ちたいと願うのに、その道は閉ざされてしまった。行き場を失った感情が悲痛な毒となって胸を焼き、ただ悔しさに打ちひしがれることしかできない。

「故に、害なす者を許し、そのために祈りなさい。汝が許しの灯火を一つ点すとき、世界の闇は一尺退き、汝の魂には至福の光が満ちるであろう」

シンシアが最後の詩節を読み上げると、四つ葉堂は再び深い静けさに包まれた。ココロギは両手で顔を覆い、しゃくりあげる声を押し殺そうと必死に身を縮めさせる。

「わかってます……っ。わかってる、けど……でも……!」

絞り出すような悲鳴に似た声。そんな彼女の悲痛な姿を見つめ、シンシアは静かに首を振った。

「どうしたの? 貴女らしくないわ、ココロギ」

「でも……! やっぱり、私は……っ!」

「ハイ・プリエステス!」

毅然とした鋭い声が礼拝堂を貫いた。シンシアはココロギの言葉を遮り、威厳に満ちた眼差しで彼女を見据える。

「はい……」

「しっかりなさい。私達は神に仕える身でしょ? 間違いがあってはならないわ」

「……はい」

ココロギは涙を拭い、溢れ出る感情を力任せに押し込めながら、小さく肯いた。

近くで、幼い少女――シェルランテは、ぷにぷにとした小さな腕を組み、いかにも神妙な顔つきで一連の遣り取りを見つめていた。

(……まさか、ね)

シェルランテの脳裏を、冷や汗とともに前世の記憶が駆け抜ける。 いま絶賛され、神聖にして不可侵の教義として詠唱されたこの聖典の一節。まさかあれが、自分が前世の4歳の時、ただのノリとハッタリと勢い任せでノートに書き殴った黒歴史ポエムだとは、口が裂けても言えるはずがない。あまりにも場が重すぎる。あまりにも真面目に捉えられ過ぎている。

(私はルシア・フォン・セレスティアじゃないの……いまはシェルランテ・フォン・アルストラーナなんだから……知らない、私は何も知らない……!)

己が放った過去の業の深さに白目を剥きそうになりながらも、3歳児手前の愛くるしい仮面を完璧に維持し、ただ無言を貫く。

すると、沈黙を守るシェルランテの意図を汲み取ったかのように、シンシアがふっと優しく微笑み、語りかけた。

「シェルランテはね。ブランガを殺してしまうより、生かして手懐けた方が良いと思ったのよ。そうでしょう? シェルランテ」

その言葉を受けた瞬間、幼いシェルランテは深く、重々しく頷いてみせた。可愛らしい見た目とは裏腹に、まるで全てを見通す賢者のごとき完璧な頷きであった。

ドロドロとした憎悪と悲しみの会話は、シンシアの見事な助け船によって、巧妙に脱線し、平和的な着地点へと流れていく。

(その調子! さすが我が妹、シンシア……!)

胸の中で盛大にガッツポーズを決めながら、シェルランテは変わらず神妙な顔つきのまま、夕暮れの光の中で佇んでいた。クローバー畑のうさぎ達が餌場の恨みをお互いに洗い流す事にしたのであった。





《 登場人物一覧》


【皇家・セレスティア親王家】


• ルシア(ルシア・フォン・セレスティア / 巫女ルナ)

イリアードとセシリアの娘で転生者。

空間や物質の操作・修復・回復、空間跳躍など強大な異能と稀代の軍略を操る。

義賊『六棘の霜華』や『真理の光教団』の巫女「ルナ」として暗躍し、『聖ゲンドラス教国』の聖騎士団長を極秘裏に務め、裏から大陸の歴史を動かす。数年前に帝都の結界を破るために命を落としたが、のちに「シェルランテ」として転生・復活を果たした。


• イリアード・フォン・セレスティア

セレスティア親王であり、アルストラーナ帝国軍の総大将。先帝アラリックの腹違いの弟。

「軍神」と称される冷徹かつ無双の武勇を持つ指揮官。愛娘ルシアを溺愛しており、彼女の危機には理性を失い「鬼神」と化す。のちに「大元帥」に就任。第15代アルストラーナ皇帝に即位した。


• セシリア・リヴィエール

イリアードの側室(貴妃)でルシアの母。「水明将軍」の称号と軍権を持つ。

念話や念動に加え、無から植物・花々を生み出す能力を持つ。ルシアの演出により、ノバージェの民を救う女神『紫苑のヴィオレット(月姫)』を演じた。


• リゼリア・リヴィエール

イリアードの正妃(皇后)で、リアムとシンシアの母。「水鏡将軍」の称号を持つ。

念話・念視・予知の異能を司り、ルシアの計画の意図を一瞬で見抜くよき理解者。


• リアム・フォン・セレスティア

イリアードとリゼリアの息子でルシアの異母兄(のちに皇太子)。

16歳で初陣を飾り、混戦を切り裂いてグラッデェ皇帝ベグ・バールを捕縛した武功(実際は気絶したベグを縛り上げた)により最年少将軍に就任、聖剣アウレリウスを賜る。シンシアの兄。シェルランテとソリス、オリオンの父。


• シンシア・フォン・セレスティア

イリアードとリゼリアの次女(ルシアの異母妹)。異能を持たない「普通の女の子」として育ち、後宮でココロギの元へ通う。シェルランテを抱き上げた事により、異能の門が開かれて、覚醒を果たした。

『真光の巫女ルークス・ヴェリタス』の称号を持つ。


・フェリス

シンシアが可愛がっている純白の鷹。シンシアの要望によって、ココロギが初めて念創によって制作した生命体。卵の状態で発現した為にシンシアが懐で温めて孵化した。シンシアを鳥と思っているか、自分は人間と思っているかのどちらかである。高慢で我儘で天邪鬼なので、制作者のココロギは失敗作だと思っているが、シンシアはこの貴公子然とした、変な鳥を気に入って可愛がっている。シンシアを守るために命を惜しまない特攻をする為に、ココロギにより試行錯誤した法具が、装着させられている。


・シェルランテ・フォン・アルストラーナ(白鷺姫)

皇太子リアムと皇太子妃シルヴィアの間に生まれた皇女。生まれた直後から強力な念動・念力を発散させ、ルシアの生まれ変わり(転生)としての記憶と意図を秘めている。誕生時に住まいの春宮にて白鷺が住み着いたことから白鷺姫と呼ばれるようになった。教団の称号は『導光の聖歌姫ディーヴァ・ルクス』


【親王家を取り巻く人々・一族】


• フレデリカ・リヴィエール

大一族リヴィエールの長老でイリアードの母(皇太后)。かつて先帝の『御前琴師』であった。街や宮殿を創り出せる突出した異能の持ち主オールラウンダーで、ルシアの最大の理解者。


• ベルナデット・リヴィエール

完璧主義者の侍女。20歳で結婚し旅立った後、リヴィエール本家に嫁ぎ、リヴィエール商会・リヴィエール銀行を総括するリヴィエール財団の理事として大陸全土をコントロールする。


• エミーナ・リヴィエール

セシリアとルシアに仕えた侍女。ルシアの空間跳躍を追える強大な異能を持ち、軍服を纏って戦場に赴き、決死隊の高速艦『ブラッド・エミーナ』にその名を残す。聖ゲンドラス教国にて『神託の聖母』として君臨している。


• ロゼッタ・リヴィエール

リゼリアやセシリアに仕えた元侍女。


• ベルトト・リヴィエール

皇后リゼリアの側近であり、熟練の女官長。セシリアやルシア、リアムの世話をする完璧主義者。ベルナデットの妹で、リヴィエール一族の娘。


【聖ゲンドラス教国・真理の光教団】


• ゲンドラス・サイリュン(崔厳)

『真理の光教団』の教祖であり『聖ゲンドラス教国』の教皇。ココロギとアレスの父。ルシアの下僕として神々しい威厳と沈黙で信者を平伏させ、表面上の統治を行う。


• ココロギ(ココロギ・サイリュン / 崔心木 / 四つ葉様)

教皇ゲンドラスの実子で、後宮の『四つ葉堂』の巫女。リヴィエール一族の血を引き、空間跳躍や護符生成の異能を持つが、極度のパニックや生理現象で暴走・誤作動させることが多い、気弱で優しい少女。のちに大水没の危機を救う。法具・神器の開発に優れており、失敗も多いが唯一無二のアイテムを生み出す。


• ヴォルフラム・フェイ

アンチアルマ大聖堂の枢機卿。元・吟遊詩人かつ一騎当千の凄腕の剣士。ルシアたちと合流・共闘する冷徹な知識人。


• スライロ・ハリス

かつて滅亡したダラーン王国の元大臣(「至高の頭脳」)。ルシアの異能と我儘により、サンブリア大聖堂の司教に据えられる。


• カシアン・ヴァロア

かつての大遠征に失敗した元宦官(42歳の大提督)。敗戦後に名誉の戦死を装い、ルシアの手配によりシューコルン司教やオクタヴィア大聖堂司教を歴任。


• ジル・オテ(旧名:ジルグード):元オテゲン皇国第4王子。11年前に燕国を占拠(鳳山城を占領・籠城)するもルシアに敗北し、半ば強制的に改心させられて聖ゲンドラス教国の司教となる。


• ビー・スー

ディヌイヤ王国から随行した丸盾使いの青年。ディヌイヤ・ラーナ公国の司教。冷静沈着な判断力でルシアの護衛や参謀、ココロギの協力者を務める。


【アルストラーナ帝国皇室・他国関係者】


• アラリック

アルストラーナ帝国(オーレリア帝国)第14代皇帝。イリアードの腹違いの兄で、冷徹かつ厳格な支配者。弟イリアードを非常に好いており、彼を帝都に留めるために「大元帥」の職を新設・授与した。

『紫の憑依』を受けた皇后ロザリアに殺害された。


• シルヴィア・フォン・アルストラーナ

アラリックの第6皇女で、リアムの正妻(皇太子妃)。シェルランテの母。


• ルネッタ・リヴィエール

セシリアの実妹で、アラリック皇帝の徳妃(22歳)。帝都後宮の「翡翠宮」に住まう。

皇子イスファの母。『紫の憑依』を受けたイスファに噛み殺された。


• ロザリア

アラリックの皇后。没落したシュタインベルク家の出身。紫の異能(黒山羊結社・天信教の暗黒の力)に侵され狂気に陥る。


• イスファ

アラリックとルネッタの間に生まれた第4皇子(4歳)。絵が得意だったが、紫の異能に支配され惨劇を引き起こし、リアムに倒される。


• イスマ

アラリックとロザリアの間に生まれた第二皇子(皇太子、8歳)。異能に狂ったイスファに殺害される。


• アルベール&エレノア

セシリアとルネッタの両親。アルベールはリヴィエール商会ルミナリア支社長。


• ボロ・ディヌイヤ

南海の覇者であるディヌイヤ王国国王。圧倒的な威厳を持ち、ルシアと旧知の仲であり密約(通商条約)を結ぶ。


• アレス・マクウェン

セレスティア水軍の若き優秀な副官で、特攻艦『ブラッド・エミーナ』の元艦長。エミーナに想いを寄せる。ゲンドラス・サイリュンの息子である事が判明し、聖ゲンドラス教国にて聖騎士団長を務める。

アレス・サイリュン。錦族名は崔亜無さいあむ


• ヴァレリオ・フォン・ボルゲーゼ

72歳の老将で帝国太尉・征西将軍。ヴェロニカ砦にて敵将を討ち取る。


• リョウ・マルディ

ノバージェ共和国の有力金融家で最高執政官ドージェ。莫大な債務で国を支配したが、ルシアたちに倒される。


【敵対組織・その他の勢力】


• エスゲイ・バール

中央高原を支配するバール朝グラッデェ帝国の隻眼の覇王。ベグ・バールの父。前年5月に『六棘の霜華』ルシアによって暗殺された。


• ベグ・バール

エスゲイの次男で、バール朝グラッデェ帝国の皇帝。父の復讐のため50万の大軍を率いてアルストラーナへ侵攻するが、ルシアとリアムに敗れて捕縛される。


• カサル

エスゲイの弟で大将軍。領地を焦土化する暴挙を行うが、ヴィオに首を討たれる。


• カルヴァル

古都ラーナの天信教総主教。ルシアによって権威を失墜させられ降伏する。


• アルノルト

天信教の老総主教。虚無の終焉と「救世主の死」を望み、禍々しい禁忌の術式を行う。ルシアに討たれた。


• アルカディアス

帝国の影で暗躍する『黒山羊結社』の頂点であり、天信教の真の黒幕である初老の男。


《用語集一覧》


【地理・舞台・施設】


• アルストラーナ帝国(オーレリア帝国)

作中の舞台となる強大な大帝国。


• セレスティア親王国

アルストラーナ帝国領内の親王国で、イリアードが治める領地。


• アクアパレス

セレスティア親王領の首都。「水の都」と呼ばれ、運河網が縦横無尽に走る。


• フロスト・ヴァイス城

アクアパレス内にある城で、親王府の拠点(居城)。離宮や本城、広大な庭園を備える。


• 常緑宮じょうりょくきゅう

フロスト・ヴァイス城内にある本宮で、親王妃リゼリアが滞在する居室。


• ルシア宮

生後6ヶ月のルシアが異能(念創)によって無意識に生み出した、ガラスと白大理石でできた幻想的な小宮殿。


• 蓮花宮れんかきゅう

アクアパレス内にあるフレデリカの居宮。フレデリカの異能によって作られた大輪の蓮が咲く幻想的な宮殿。


• 花の都ルミナリア

300年間戦火を免れてきた花と芸術の都市でセシリアの故郷。表面上の繁栄の裏で深刻な貧富の格差が固定化している。


• エレスティアル山

ルミナリア郊外にある単峰。見栄えの良さから『聖なる山』扱いされ、聖地巡礼に活用される。


• エレスティアル大聖堂

ルミナリアの西にある城を買い取り、ルシアの資金と指示によって改造された「真理の光教団」の本山。


• 帝都ラーナ(白亜宮)

古代文明の発祥地でありアルストラーナ帝国の首都。中央に皇帝の居城である壮麗な「白亜宮」が聳え立つ。


• 翡翠宮ひすいきゅう

帝都ラーナの後宮にて。フレデリカ、ルネッタの居館であった所。イリアードが生まれ育った所でもある。リゼリア、セシリアが宮女見習いとして10歳から15歳頃まで過ごした。


• ガザルカガンド

中央高原におけるグラッデェ遊牧民族の本拠地・交易都市。ガザルカガンド会戦により陥落・焼亡する。


• アシュウェスト

大運河とアシュロン川が交差する物流・交易の要衝。裏社会の「五大商人」が牛耳っており、水底には大洪水で沈んだ天信教の大聖堂が眠る。


• アルヴェリア

かつて未曽有の水害・大洪水によって沈み、長年不毛の湿地帯となっていた禁忌の地。


• ディヌイヤ王国

南洋の果てに存在する、独自の巨石文化と褐色の肌の民を持つ王国。


• シューコルン

大陸中の富や高級香辛料、絹が集まる有数の港湾都市。「金と欲望が渦巻く自由の都」で、南洋・西海貿易の重要拠点。当時4歳のルシアとセレスティア水軍により、帝国領に編入された。現在、ブランガ・オデュヌの支配下にある。


• ノバージェ共和国

複数の島々からなる海の民の国。

古くから漁業、海運、海上貿易の発達が起こり、

共和政と金融業が飛び抜けて発展してきた。

金融・債務取引で繁栄していたが、ルシアの策略により、ハイパーインフレを起こし「裕福なる貧困」に陥り、5歳のルシア率いる、たった200名のセレスティア兵によって、首都ストロロホルムが陥落。聖ゲンドラス教国」へと生まれ変わった。


【組織・勢力】


• 真理の光教団

貧民や被搾取層を救済する名目でルシアが創設した新興宗教。教義の主軸は自力本願であるが、人間の持つ他力本願を巧みに引き込む信仰要素を組み込んでおり、瞬く間に民間に広まって行った。

裏で莫大な富と資金を回収・循環させるポンプの役割を果たしており、礼拝に訪れた信者には、嘆きの壁と真実の岩にてパンと宝石が与えられる。ルシアの考えではあらゆる宝石が無価値に近くなるまで、

この経済ロジックは有効としている。


• 四つ葉のクローバー

聖ゲンドラス教国および真理の光教団のシンボルで、ルシアが率いる組織の象徴。信仰・希望・慈愛・真理の四つが一つに合わさることで、初めて「完全なる光(聖なる庇護)」が完成するとされている。


• 六棘の霜華ろっきょくのそうか

『六棘の霜華』の紋は寒気にまみれた際、ガラスに浮かび上がる花のような結晶。『寒さ故に咲く花』として、人の悲哀を喜びや幸せに変える象徴とルシアが考えた。義賊の活動や民主に代わり、暗殺する際にこの紋を用いる。

雪と霜の結晶を刺繍したフード付きローブを纏う神出鬼没の義賊。ルシアとヴィオの仮の姿。


• バール朝グラッデェ帝国

騎馬民族グラッデェの征服者ベグ・バールが打ち立てた、中央高原を支配する帝国。


• 黒山羊結社くろやぎけっしゃ

三つの目を持つ黒山羊の銀紋章を掲げ、古代の「原始の力」や呪詛を用いて帝国の影で暗躍する狂信的な秘密組織。リヴィエールの端くれ達が関わっており、天信教の黒幕でもある。


• 天信教

アルノルトやカルヴァルが属する宗教組織。

有史以前から大陸の広範囲に浸透している宗教。


• リヴィエール商会

一族が運営する巨大な商業組織。教団が回収した資金を専属取引で吸い上げ、正規の税として帝国国庫へ還元する仕組みを担う。


・リヴィエール銀行

帝国の中央銀行の役割を兼務する。不景気や財政破綻は富の滞留によって起きる為に、再分配と回収の役割を担っている。


・リヴィエール財団

一族の商業組織と銀行を束ねる中核組織。

リヴィエール本家が理事会を担い運営している。



【血統・能力】


• リヴィエールの血(異能)

リヴィエール一族に発現する超常の力。瞬間移動(空間跳躍)、念動、念視、予知、治癒、無からの生成(念創)など多岐にわたる。


• 念創ねんそう

無から有を生み出し、記憶やイメージ通りの物質や衣服、建造物を瞬時に創造・構成する異能。

異能者の文化水準で物が作られるので、核爆弾やドローンなど想像の出来ない物は作れない。

活版印刷、蒸気機関、薬莢式大砲などは、設計図段階。


【武器・アイテム・特殊設定】


• 短錫杖 / 長柄の錫杖(仕込み剣)

• ルシアとヴィオが携える武器。短錫杖は金環がついた打撃用法具。

• 長柄の錫杖は、柄を捻ると長剣が抜け、柄と石突き部分が強固な鞘となる両手生殺の仕込み杖。


・破邪顕正はじゃけんしょう

『神託の聖母』エミーナの錫杖。ココロギとセシリアが協力して、聖剣アウレリアスと黄金の獅子剣、両方を模して制作した錫杖。四つ葉の象徴らしく緑色のオーラを放つ。


・光華法錫こうかほうしゃく

貴妃セシリアの錫杖。ココロギが黄金の獅子剣を模して製作した錫杖。


・旭日神劫きょくじつじんこう

ココロギの錫杖。ココロギの宙属性が『大地(地球)』の属性であるため、『太陽』の属性でなくても強力な力を発揮できるよう、法華法錫を魔改造した錫杖。

太陽光を集光し倍化して照射する為に、地上にある物質すべてを炭化・気化させてしまう。杖頭が四つ葉の形をしている為に大きなハエ叩きか。布団叩きに見える。


・朧三日月おぼろみかづき

月華の錫杖。シンシアの錫杖。ココロギの失敗作で旭日神劫を作った際に、

属性が真逆の月属性に極振りしてしまって完成した錫杖。未知の武器・神器であるが、

月属性のシンシアと非常に相性が良く、攻守共に多彩な現象を発生させることが確認されている。ただし、シンシアの戦闘時の美意識の為にストロング&アグレッシブなミタマとの手合いでは負けてしまう場面も多い。ただしシンシアの美意識に見合って、この錫杖を振り抜くと光の塵が四散して大変美しく幻想的な光景が見る事が出来る。

この錫杖に人体が叩かれると、血も出さず光の屑と共に雲散霧消する。


・空斬水鏡くうざんすいきょう

ミタマのクリスタルロッドの短錫杖。当初、風属性のシンシアがこの錫杖を愛用していたが、東雲煌竜の完成と朧三日月の完成(?)を経て、ミタマが使う事となった。

ミタマ自身は水属性であるが、東雲煌竜と合わせて、どんな属性の敵にも対応できるようになった。両手生殺で使用し、繋ぎ合わせると長柄の東雲水鏡となる。


・東雲煌竜しののめこうりゅう

火属性のクリスタルロッド。ミタマとツルギが使用している。


・東雲杓子しののめじゃくし

シェルランテが東雲煌竜を見て、ココロギに作ってもらったクリスタルロッド。

一見、幼女が喜びそうな、光るだけのクリスタルロッドに見えるが、秘密がありそうである。


・竜鱗盾りゅうりんじゅん

殉教したビー・スーが愛用していた丸盾を、ココロギが改良した盾。

念を込めた翡翠を無数に埋め込んであり、それが龍の鱗に見える。

最強の盾を目指して作られた。


・雷丸

『恐ろしき危機が訪れた時の為の雷丸いかづちまる』

通称『雷丸らいまる』

思い切り吹くと雷攻撃できる笛。


• 聖剣アウレリウス

オーレリア皇帝直属の伝説的な名剣。真の英雄としてリアムに授与される。


• 黄金の獅子剣

大元帥イリアードが携える大刀。真の力を解放すると眩い黄金の闘気を噴出させる。


• 神秘札・護符

ココロギやルシアが異能の力でその場で作る紙片。受け取った者の悩みを解決する注意書きや治癒・保護の奇跡をもたらす。


• 紫炎石しえんせき

黒山羊結社が人工的に生み出した物質。強力な結界の展開や他者への精神憑依を可能にする。


• 心木こころぎ

『真理の光教団』の教義において、世界や生命の魂をつなぎ止め、心(感情・意思)を巡らせる大樹・世界樹を指す言葉。


• ブラッド・エミーナ

セレスティア水軍の新鋭高速艦。3本の斜めマストと高い機動性を持ち、特攻隊長エミーナの名が冠されている。


• 紫苑のヴィオレット(月姫)

100年前に姿を消したとされる帝国の伝説の影。


• 月下氷人(la personne de glace sous la lune)

古書に記載されていた「人と人、国と国との縁を結ぶ仲人」を意味する概念・計画。



• 聖都クリスタルヘイム

聖ゲンドラス教国の首都。ディヴァイン湖と霊峰セイクリッド山の麓に、

碁盤の目状に築かれた超巨大都市。




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