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聖女アリーゼの不思議な旅  ~聖魔法?そんなの知らないのです!~  作者: 夕姫
第3章 聖女。魔法と鉱山に挑むのです!

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20. ドラゴン討伐 ~後編~

20. ドラゴン討伐 ~後編~





 このまま統制がとれていないままなら、ドラゴンを倒すことは出来ないのです!私は深く深呼吸をし、みんなに聞こえるように大きな声で伝える。


「私は聖女アリーゼなのです!!みなさん落ち着いて欲しいのです!」


 私が声を上げたその瞬間、大きな音に反応したレッドドラゴンがこちらをギロリと睨みつけました。そして、凄まじい咆哮と共に、熱風と炎のブレスの余波を私に向かって吹き付けてきたのです!


「危ないっ!聖女様!!」


 騎士たちの悲痛な叫びが響き渡ります。炎の熱波が私の身体を包み込み、もの凄い衝撃が襲ってきます。――熱い!吹き飛ばされそうなのです!


 でも、私は一歩も引かないのです!


 私には、ミルディが徹夜で作ってくれた特注のローブがあるからです!このローブが、ドラゴンの恐ろしい熱をギリギリまで軽減してくれているのがわかります。


 これならいけるのです!ローブが弱めてくれた残りの衝撃なら、私の気合で耐え切って見せるのです!


 少しローブの裾が焦げてしまいましたが、致命傷を負うことなく、炎の中から私が堂々と立っている姿を見て、絶望していた兵士たちが驚愕の声を上げます。私は彼らの心に火をつけるように、さらに声を上げて言うのです。


「この国に住む人々を苦しめているドラゴンに鉄槌を下すときが来たのです!あのドラゴンこそが諸悪の根源であり今まさに暴れまわろうとしている邪悪な存在なのです!」


 私はさらに声を上げて言う。


「ドラゴンの攻撃は非常に強力で危険なもの。ですが、恐れることはないのです!皆さんの力で奴を止めて欲しいのです!どうか力を貸してください!」


 私が炎を恐れず必死になってお願いすると、兵士たちの目に再び闘志が宿るのがわかりました。精一杯の声を出して協力を仰ぐのです。それからしばらくして騎士団長らしき人がやってきて話を聞いてくれたのです。


「聖女様?我々はどうしたら良いのだ?」


「まずは士気をあげるのです!落ち着くのです。今動きがバラバラなのです。全員でレッドドラゴンの動きを止めて欲しいのです!」


 私がそう言うと騎士団長らしき人物は大声で号令をかける。その声を聞いた兵士や冒険者たちが落ち着きを取り戻し、バラバラだった動きがきちんと陣形をとるのがわかるのです。これならいけるかもしれないのです!でも油断してはいけないのは分かっているのです。


「聖女アリーゼよ感謝する。君のおかげで冷静さを取り戻せた。もちろん私もな。全員これより反撃を開始する!総員突撃準備ーっ!!!」


 こうしてレッドドラゴンとの戦いが始まったのでした。先陣を切るのはやはりギルド冒険者のようです。


 ギルド冒険者たちが次々とドラゴンに飛びかかる。しかし、やはりドラゴンは硬い鱗で覆われていてダメージを与えられていない。ギルド冒険者の中にもかなりの実力者がいるように見えますがそれでも決め手に欠けてしまうようなのです。


 そこで今度は騎士団が動くのです。大きな盾をいくつも重ね合わせてドラゴンの前に立ちふさがりました。ドラゴンはその光景を見た後、その盾に向かって思いっきり尻尾を振り下ろした。


 すると、まるで紙屑のように簡単に崩れ去ってしまったのです。これにはさすがの騎士団の面々も驚いていたのです。しかしすぐに体制を整え直し武器を構える。


 次は魔法使いたちによる攻撃が始まる。詠唱を開始して次々と炎や氷、風の魔法を放つ。それらはドラゴンに当たるのだが少しばかりダメージを与えるだけで決定打にはならないのです。しかも魔法を放った後に体勢が崩れてしまいとても戦い続けられる状態では無かったのでした。


 ドラゴンは大きな魔法を使う隙を与えてはくれず、次々に襲ってくるのです。これでは魔法を発動させることすら困難なのです。


「くそっ!なんて硬さだ!全然攻撃が効いてねぇじゃねえか!」


「落ち着け!奴にも疲れが見えてきているぞ!もうすぐ倒せるはずだ!」


 冒険者や騎士団の人たちが言う。なるほど。確かに攻撃の威力が落ちてきていましたし動きも遅くなってきていたのです。ここで一発でかいのを喰らわせれば……


「ロゼッタ様!」


「わかっておる!」


 ロゼッタ様はすでに魔法の準備に入っていました。これは……おそらく今の魔力の全力の一撃になるはずなのです。ドラゴンの力は強力ですが、陣形を整えた連合軍の攻撃により、さっきよりも更に弱っているように見えるのです。さあ、とどめを刺すといいのですロゼッタ様!私が心の中で叫ぶと同時に上空に大きな火球が出現する。


「食らうが良い!爆炎魔法の神髄・フレアバースト!!」


 そしてそれは一気にレッドドラゴンへと向かって飛んでいったのです。レッドドラゴンはそれを何とか避ける。そしてロゼッタ様の魔法は地面に直撃し大きな爆発が起き、その爆風でレッドドラゴンはバランスを大きく崩す。そこへすかさず騎士団の剣撃が入るのです。ついに致命傷を与えたのかドラゴンは大きくよろめいてそのまま地面へ倒れるのです。やったのです!


「フィオナあとは頼むのじゃ!」


「氷の聖剣……アブソリュートゼロ!!はぁぁぁぁぁぁ!!」


 フィオナは強力な魔法剣でドラゴンの額の核に一閃を放つのです。その瞬間ドラゴンは完全に力尽きたのです。そして身体全体が崩壊していき光の粒子となって消えていったのでした。


 やった……やったのです!遂にドラゴンを倒したのです!! 私は思わず喜びの歓声を上げるのです。みんなも歓喜の声を上げて抱き合ったりしている。


「聖女様」


 そこに現れたのはあの騎士団長さんでした。


「聖女様本当にありがとうございました。あなたのおかげで我々は希望を捨てず最後まで戦いこの国は救われました」


 そう言って頭を下げてくるので慌ててしまうのでした。でも喜んでくれているのですね。


「いえ、私は何もしていないのです。ドラゴンを倒せたのは皆さんが協力してくれたおかげでもあるのです」


「謙遜されるな。貴女が声を上げなければ私たちはあそこまで戦えなかっただろう。正直諦めていた者もいた。もしこのまま戦い続けていたら全滅していたかもしれない。だから貴女には感謝しかないのだ。もちろん私も含めて他のものたちもだ」


 その言葉を聞いて私は照れてしまったのです。こうして誰かに感謝されるのはやっぱり嬉しいものなのです。


 その後、私たち一行はマジカリア城に戻ることにしました。これで鉱山の「ミスリル」発掘が出来るのです!そして帰りの馬車の中。フィオナとミルディは疲れて寝ているのです。ロゼッタ様は2人の顔を見て話すのです。


「ふむ。フィオナがドラゴンを討伐できるくらい強くなってるの。そしてミルディも魔法鍛冶屋として十分能力が上がっておる。成長しておるな2人とも。良いことじゃ」


「ふふっそれ、2人に言ってあげたほうがいいのではないのです?」


「ふん。直接言うのはお主の仕事じゃろ。ワシにはそういうのはむかん」


 そう、微笑みながらロゼッタ様は話す。やっぱりロゼッタ様は素直じゃないのです。


 それから1週間が経ち、鉱山の安全も確認がとれ、とうとう『ミスリル』を発掘に行く日になりました。ミルディは待ちに待った嬉しさを隠しきれないのかツルハシをぶんぶん振っているのです。正直危ないのです。気をつけてほしいのです。


 なんにせよレッドドラゴンを倒せたのは良かったのです。さて当初の目的の『ミスリル』発掘に出発するのです!凄く楽しみなのです!

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