二話「名前」
『君は一体、何処から此処へ来たんだい?』
その質問は自分が一番聞きたい質問であった。
「あの...僕...記憶が...」
そう言って記憶がないことを説明した。レインは少し考えた後に納得したような顔をした。
レイン「ふむ、大怪我と長い昏睡状態により記憶が欠損。しばらくは君の監視や世話が必要そうだな。」
そう言うと、後ろで大人しくしていた虹弥が話しかけてきた
虹弥「なあなあ、記憶がないってことは名前も思い出せないんだろ?なら俺が付けてやるよ!なんせ俺はネーミングセンスがいいからな!!」
自分で言うのだろうか
レイン「確かに名称があると情報管理がしやすいからな。あいにく私はネーミングセンスが壊滅的だとリーンにも言われているからな。頼んだぞ天灰総副隊長」
虹弥はその言葉を聞くと任せなさいと自慢げな顔で言い少し考えるそぶりを見せた
虹弥「...緋夏。天灰緋夏なんてどうだ?」
天灰...は虹弥と同じ苗字だろう。緋夏の方は...
「えっと...名前の由来は?」
虹弥「ん?なんだ気に入らなかった?ならもう少し考えるか...」
「いえ!そんなわけではないんですけど...これから呼ばれる名前の由来くらいは知っておきたくて...」
虹弥「おお!気に入ってくれたのか!名前の由来は夏に緋色のオーラを持ったお前さんを見つけたからだな!」
前言撤回もう少しまともな名前がいい
虹弥「そんな顔すんなよ緋夏。仮の名前なんだこのくらいでいいんだよ。」
そう言いながら頭をくしゃくしゃと撫でてきた。
緋夏「わぁ!わかりましたよ!緋夏でいいですよ!」
頭を一通り撫でられたあとレインが真顔で話しかけてきた
レイン「天灰か...。その苗字を付けると言うことは貴方が保護者になると?」
虹弥「ん?まあ、そういうことだな。これだけイレギュラーな存在なんだ、下手に隊員たちに任せるより俺が面倒見たほうがいいだろ?」
レイン「まあ、そうだろうな。しかし貴方のような荒い方が保護者になれるか心配ですけどね。」
虹弥「はは、レイン先生?気さくな方が心を開きやすいんですよ。貴方みたいに固い方よりも。それに、部隊をまとめる副総長でもあるんだぞ?これくらい簡単なことだ」
レイン「ほぉ、言ってくれるな」
気さくで陽気な虹弥と真面目で冷静なレイン。2人の相性は悪いのだろうか、バチバチと火花を散らしているように見えた。とりあえず
緋夏「(他所でやってほしい...!)」