↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
告白作戦っ!  作者: 黒原乃柚
PR
59/59

第59話 こうなったら実力行使です

「どういうことよ?」

 私はベッドにうつ伏せになって叫んだ。

 愛し合ってて結婚も決まってるんだよ。

 キスするのは当たり前だよね?

 やっぱり草壁君は恥ずかしかったのかなぁ? 男の子ってこういうの照れるって言うもんね?

 でも、叫んで教室から出て行くことないじゃない!


 沙耶ちゃんも私が草壁君と付き合えるように色々と作戦を考えてくれてたのに、今はまるで邪魔してるみたいだよ。

 どういうことなの?

 まさか本当は草壁君が好きで、私が草壁君にプロポーズされたのを知って慌てて邪魔し始めたってこと?

 きっとそうだよ。だって不自然すぎるもん。

 頼りになる味方だと思ってたのにー。


 このままじゃ草壁君の愛に応えられない。

 それは絶対にダメ!

 何とかしなきゃ。


 次の朝の車の中。沙耶ちゃんが「?」を頭の上に浮かべて私に尋ねた。

「何で大きなスーツケースを持ってるの?」

「内緒」

 ここで私の作戦を言ったらきっと止められる。絶対に言うもんですか!

「旅行にでも行くのかな?」

 草壁君がおどおどとした口調で聞いてきた。

「行かないよ」

 いくら大好きな草壁君に聞かれても、作戦を実行するまでは言うことができないよ。


 私の決心の固さが伝わったのか、これ以上は詮索されなかった。

 教室でもこのスーツケースは注目を浴びてしまった。

 誰に何を聞かれても、

「内緒」

 としか答えなかったので、3限目が終わる頃には誰も何も言ってこなくなった。


 今日は私にとって一世一代の大勝負。

 誰にも止めさせはしないんだから。

『柚衣ちゃん、家出するつもりかな?』

『最近虐めすぎたらからね。あり得るかも?」

 草壁君と沙耶ちゃんがヒソヒソ話をしている。

 こうやってみると、あの2人結構仲良いよね?

 最近、野球の話で随分盛り上がっていたから、愛に芽生えちゃったのかな? 

 いくら沙耶ちゃんが草壁君を好きになっても、絶対に草壁君は渡さないんだからね。

 まさか草壁君が沙耶ちゃんを。

 それはないよ。だって私にプロポーズしたんだから。

 真面目な草壁君の性格なら、急に鞍替えをするなんてあり得ないし。


 そしていよいよ作戦決行の時が来た。

 ロールスロイスが私の家の前に着く。

「柚衣ちゃん、着いたよ」

 当然、私は無視。

「柚衣ちゃんの家に着いたんだけど」

「ここは私の家じゃないわ」

「え? どういうこと?」

 3人とも変な顔をしている。

 沙耶ちゃんだけが、何かを悟ったのか少し笑顔になった。


「じゃあ、どこが柚衣の家なの?」

「草壁君の家」

 そう、私は草壁君の家に寝泊まりするつもりでスーツケースを持っていたのだ。

 結婚前の同棲なんてよくあることだよね?

 断りもなしに彼の実家でやるのは稀かもだけど。

 今はそんなこと言ってられない。

 モタモタしてると沙耶ちゃんに草壁君を奪われちゃうよ!


「どうしよう?」

 草壁君が神頼みのような目で沙耶ちゃんを見ている。

 やはりこの2人怪しい。

「困ったわね。もう一緒のベッドで寝たら?」

「お願いだから真剣に考えてよ」

 野乃葉ちゃんはすでに固まっている。


「だってどうしょうもないじゃん」

「いきなり女の子を連れて帰ったら両親に勘当されちゃうよ」

 草壁君は沙耶ちゃんの手をきつく握った。

「何してるの!!」

 私は2人の手を掴んで無理やり引き離す。


「いきなり彼の家に行って、草壁君の両親に婚約解消って言われたらどうするの?」

 うっ。それは・・。

 でも、もう後には引けないよね?

「その時は夜の町をあてもなく彷徨い歩いて野垂れ死ぬだけよ」

 固まっていた野乃葉ちゃんの目が少し変わった。なんかワクワクし出してない?

 まあ、今の私にはどうでもいいことだけど。


「私、知ってるんだから。沙耶ちゃんが草壁君を好きになって、草壁君が私に告白したことを後悔しているんでしょう? でも、私が草壁君を好きなのは変わらない。最初に告白されたの私だから、絶対に譲らない!」

 草壁君と沙耶ちゃんがボカンと口を開けている。

 私の勝ちね。


 私は当選の権利とばかりわざと草壁君にもたれかかる。

 草壁君はなぜか体を窓の方に寄せて私を避けようとしていた。あれ?

 今の私の言葉を聞いてなかったの?

「取り敢えず今日のところは自分の家に帰ろうっか」

 沙耶ちゃんが小さな子どもに話しかける口調で言った。

「いやよ! 今日から私は草壁君の家で生活するの」

 沙耶ちゃんと草壁君が同時に大きなため息をつく。

 そして、野乃葉ちゃんは指を組んで私を見つめている。

 絶対に負けないんだからー!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。