⭕ 人形がいる 2
「 へぇ──、此処が現場かぁ。
会社からの帰り道──、この道に人形が落ちてるのか? 」
「 マオさん、落ちてるんじゃなくて、落ちて来るらしいッスよ。
空からボトッと──。
地面に落ちると人形が鳴るみたいで…… 」
「 人形が鳴る?? 」
「 はい……。
“ キュピッ ” とか “ ピキュ ” とか──。
人形に不釣り合いな可愛い音らしいッスよ 」
「 人形に不釣り合い?
シュンシュン、人形って触って良いのかな?
本当に鳴るか押してみたいよな! 」
「 勝手にしろよ。
人形は何処に置いてあるんだ?
案内しろ 」
「 は、はい!
此方に纏めて置いてあるそうッスよ 」
「 随分と年季の入った小汚ない物置小屋だな…。
本当にこんな中に人形を入れてるのかよ 」
「 マオ、眼鏡を掛けてみろよ。
面白いもんが見れるぞ 」
「 嫌だよ。
霊視眼鏡を掛けたら人形を触れなくなるだろぉ~~ 」
「 ハッ、変わり者だな。
好きなだけ触ってろ。
触れるならな! 」
「 どういう意味だよ? 」
「 帝呀、物置小屋を開けろ 」
「 は、はい!
鍵を借りて来るッス! 」
「 御待たせしました!
鍵を借りて来ました、春麗さん! 」
「 よし、開けろ。
結界を張ってやったから物置小屋からは出て来れない。
10万追加な 」
「 シュンシュン、結界張ったぐらいで10万はボリ過ぎだぞ 」
「 僕の張る結界は高いんだよ!
結界に使う御札が幾らするか知ってるのか? 」
「 自分で作ってるじゃん。
材料だってセロが出してるし、元手はタダだろ~~ 」
「 僕の作る御札は、10枚入り300万で完売するんだぞ!!
1枚30万はする高価な御札だぞ! 」
「 だったら御札を使わないで結界を張れば良いだろ? 」
「 御札を使わないで張ると疲れるんだよ! 」
「 あのぉ……鍵を開けたんですけどぉ…… 」
「 サンキュー、帝呀。
どんな人形が押し込まれてるんだろうな?
ワクワクするな、シュンシュン! 」
「 勝手にワクワクしてろ… 」
物置小屋の引き戸が、ギギギィーーーーっと鈍い音を立てて開く。
「 ──ウゲェ~~~~!!
くっさ!!
めっちゃくっさい?!
何だよ、この鼻がひん曲がる臭さはぁ!! 」
「 ははは~~。
臭いは僕にも消せないな~~。
おい、ファブるもんを持って来い! 」
「 ファブるって──、フ◯ブリーズでも買って来るッスか? 」
「 シュッシュッしないと入れないだろが。
無香性の消臭剤を大量に買って来い!
間違っても微香性なんか買って来るなよ! 」
「 はっはい~~!
あの、代金は? 」
「 はぁ?
お前
つべこべ言わずに早く行け! 」
「 はっはい~~!! 」
「 シュンシュン…… 」
「 何
文句は受け付けないぞ! 」
「 何
臭
「 結界だ。
彼
消臭剤は必要になるから丁度良
──マオ、お前が見たがってた人形だぞ 」
「 どんな人
シュンシュン!
何
「 こんな人形が毎回空
不気味な人形には変わりないな 」
「 きぃもぉ~~~~!
何
素
「 何
ほら、鳴るか試してみろよ 」
「 ………………遠慮しとくぅ~~ 」
「 とんだチキン
そう言いながら春
針の先には赤い液体が付いており、ポタポタ……と地面に赤い液体が落ちる。
「 シュンシュン……その赤い液体って…… 」
「 ん?
あぁ、血だな。
ほらよ──、針を抜いてやったぞ。
これで触
僕は助手に優しいんだ 」
「 “ 触
「 全
動画撮
「 止
写メも動画も禁止だからな!! 」
「 分かった分かった 」
春
踏み付けた人形から大量の血液が飛び散った。
「 ひぇっ!!
な…何
人形の中、どうなってんだよ!? 」
「 僕が知るか。
然
これだけの血液を人形の中身に染み込ませるとなると──。
面白い人形だ 」
「 何
セロみたいな事、言うなよ! 」
「 マオ、1番ヤバそうな人形をセロフィートの土産
「 絶
セロが面白がって大量生産したらどうすんだ! 」
「 はぁ?
良
陰陽師アイドル完全監修で売り出せば、僕の懐
「 ゲスい…。
最低だぞ、シュンシュン! 」
「 フン!
最低で結構だ!
僕には褒め言葉だぞ、マオ 」
春
人形からはポタポタ……と赤い液体が垂れている。
「 ふぅん?
綿の中に毛髪が入
「 はぁ?
髪の毛ぇ!?
何
針だってそうだし……。
誰がこ
「 さぁな。
マオ、此
「 え゛っ?!
は…針を抜くぅ!?
何
「 つべこべ言うな!
針の1本1本には呪詛が込められている。
この針を回収するんだ 」
「 素
「 当たり前だろ。
素
今
「 えぇっ──、オレ1人で抜くのか?
シュンシュンは何
「 僕か?
僕は人形が何
「 何
オレには臭
「 マオには人形の追跡なんて出来ないだろ。
自分に出来る事を精一杯やれ! 」
「 言い返せないのが悔しいぃ~~!! 」
マオは渋
「 フン!
さてと──、お前は何
お前を作った主
春
短い呪文を唱えると人形の中へ御札を入
細
ポイッと宙に投げられた人形は、ギュンッ──と何
「 そうそう、僕の式神を確
居場所が特定出来たら、僕が直
楽しみに待ってろ 」
春
「 シュンシュン──、用が済んだなら針抜くの手伝えよ! 」
「 あぁ?
するわけないだろ、そんなチマチマした事なんか!
僕は疲れたからアイスでも買って来
僕が戻って来
「 はぁ?!
何
文句を言うマオに対して、春
◎ 変更しました。
シュシュ ─→ シュッシュッ
髪の毛 ─→ 毛髪