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☀ 夏のホラー 2023 参加作品  作者: 雪*苺
【 帰り道のカゲノウ君 】
4/36

♥ 人形がいる 1


 「 おい、聞いたか!

   また出たんだってさ!

   これで13人目だ! 」


 「 気味が悪いよな……。

   の誰が悪戯をするんだか… 」


 「 あの人形は──、どうするんだ? 」


 「 また寺に引き取ってもらうしかないな… 」


 「 引き取ってもらえるでしょうか?

   もう13体目ですよ 」


 「 仕方無いだろう!

   あんな気味の悪い人形を放置は出来ないだろう 」


 「 今度は全治なんヵ月になるんでしょうね… 」


 「 分からんな…… 」


 「 おはらいとかしてもらった方がいんじゃないですか? 」


 「 おはらいかぁ……。

   おはらで、あの人形が出てないように出来るもんなんですかね? 」


 「 例え “ 気休め ” だとしてなにかしらは方がいんじゃないですか? 」


 「 そうですよ!

   14人目が出ても困りますし、取り敢えず形だけでも── 」


 「 おい、おはらいってに頼むんだ?

   費用はいくらぐらい掛かるもんなんだ? 」


 「 あの──、俺の甥っ子なんですけど、こういうヤバいたぐいを解決させてくれる知り合いがるみたいなんです。

   一応、甥っ子に話してみていですか? 」


 「 あ、あぁ……。

   なんか怪しそうだが……ツテが有るなら頼むわ。

   出来る限り、おはらいの費用はってくれよ! 」


 「 れるもんですかね? 」


 「 みんなで割り勘だからな!

   財布の中がカラになるのと給料を減額させるのといんだ? 」


 「 おい、たく聞いたか!

   しっかり費用をっていよ! 」


 「 給料が減額されると妻にころされるぅ~~ 」


 「 ………………交渉はしてみますけど、期待はしないでくださいよ? 」


 「 それにしても迷惑な話だよなぁ!

   なにが “ かげのう君ののろい ” だよ、 まったく──。

   大迷惑だぜ! 」


 「 みんなくれ(ぐれ)も帰り道には気を付けてくれよ! 」


 「 14人目にはねぇや。

   クワバラクワバラ…… 」











「 ──という事がありましてね、しゅんれいさん…… 」


「 お前の前置きは長いんだよ!

  たく──、今度はなんだよ… 」


しゅんれいさんには “ かげのう君ののろい ” が起きないように、おはらいをしてほしいんスよ 」


「 一体いくらでって?

  僕は1円もらないぞ 」


しゅんれいさんなら言うと思ってましたよ… 」


「 なぁ、人形が “ かげのう君ののろい ” って、どゆことなんだ? 」


「 マオさん、口の周りソースでベトベトッスよ…… 」


「 マオのはもの事だよ。

  ほっとけ。

  たい──、お前はまで事情を把握してるんだ? 」


「 えっとッスね、甥っ子さんの紹介で有名な霊能力者や霊媒師,祓い屋や悪霊祓い師(エクソシスト)なんかに頼んでは、なんも “ おはらい ” をしてもらっていたみたいなんスよ。

  帰り道に怪我をして入院する作業員が出るたびに依頼してもらってたらしいッス。

  なんはらいをしてもらっても改善されなくて、廃業寸前まで追い込まれてるんスよ!

  ってる手前、文句も言えなくて──、とうとう地元の神社や寺に依頼して、祈祷やおはらいをしてもらったそうなんッスよね 」


「 ふぅん?

  だな!

  り交渉してなんとかしてもらおうなんて、ふざけた事を考えるからさ!

  “ ざまぁみろ ” だ! 」


「 シュンシュン、ほかのお客さんもるからさぁ…… 」


「 僕はり交渉するようなケチ臭い依頼人はだいきらいなんだよ!

  セコい企業なんて、とっとと廃業すればいんだ! 」


「 シュンシュン、言い過ぎだぞ? 」


うるさい!

  ()は黙ってバーガーでもってろ! 」


「 あの──続きを話してもいッスか? 」


「 あぁ、さっさと話せ 」


「 人形を引き取って、人形の供養をしてくれていた寺の住職が、おはらいをしてくれたんスけど──、寺が全焼してしまって…………。

  寺に引き取ってもらっていた人形が全部、戻ってちゃったんスよ。

  そんで──、甥っ子に依頼していた伯父がッスね、とうとう “ かげのう君ののろい ” の被害に遭っちまって、全治半年ッスよ。

  甥っ子が責任を感じちゃって叔父である俺に泣き付いてたって訳ッス 」


「 ふぅん?

  まさか──、戻ってたっていう人形の始末まで僕に気じゃないだろうな? 」


「 御名答ッス 」


「 馬鹿言えよ!

  なんで僕がしりぬぐいしないといけないんだ! 」


「 シュンシュン、いじゃん。

  どんな人形なのかも気になるしさ、受けてやろうよ。

  天下無敵の偉大な陰陽師──シュンシュンならチョロいんだろ? 」


「 フン!

  おだてたって駄目だぞ。

  ──1千万だ。

  1千万、用意させろ。

  これ以上のりはしない! 」


「 シュンシュン、いくらでなんでも1千万はボリ過ぎやしないか? 」


「 ボッテない!

  これでも良心的ながくなんだよ!

  ほかの陰陽師に依頼でもしてみろ、安くても5千万は請求される依頼内容だぞ 」


「 えぇ~~~~。

  ほんかよ… 」


「 オカルトはボロい商売だからな。

  一攫千金なんて日常茶飯事なのさ! 」


しゅんれいさん、1千万はさすに…… 」


「 なら、断ればいだろ。

  企業が廃業して潰れたって、僕の知ったこっちゃないんでね。

  マオ、帰るぞ~~ 」


「 えぇ~~!

  シュンシュン、今度こそ “ かげのう君 ” に会えるかも知れないぞ!

  これはチャンスじゃないのか? 」


なにが “ かげのう君 ” だ。

  僕は興味無いんだよ! 」


「 お……お……お願いしますっ!!

  甥っ子が精神的に追い詰められてて自傷行為をめないんスよぉ!!

  自分の所為で伯父が入院した──って、ずっと自分を責め続けているんス!!

  今でもからともなく人形が落ちてては、被害者がで続けてるッスよ!!

  このとおりッス!

  依頼を受けてください!!

  のろいを……のろいをなんとかしてくださいッス!! 」


「 うわぁ~~。

  見事な土下座だな、シュンシュン 」


「 知るかよ。

  みっともないから土下座をめろ。

  注目されてるだろが! 」


「 お願いしまッス!!

  このとおりッス!!

  俺──しゅんれいさんの奴隷になりますからっ!! 」


「 シュンシュン……。

  取り敢えずさ、現場に行って見てみようよ。

  な? 」


「 マオ……。

  お前は御人好しだな。

  あぁもぅ、分かった分かった。

  引き受けてやるよ。

  ただし、1千万は用意しろよ! 」


「 ……………………もう少しくださいよ… 」


「 そうか。

  床とキスしたいんだな?

  ものきな奴だ。

  手伝ってやるから感謝しろ? 」


「 い──1千万、用意させて頂きますぅ!! 」


「 分かればいんだ。

  マオ、現場へ行くぞ 」


「 これ、食べ終わってからでいだろ? 」


「 持ち帰りにしてもらえ!

  おい、スタッフ!

  此方こっちい!

  優待者様が、お呼びだぞ! 」


「 シュンシュン!

  恥ずかしいからめろよぉ!! 」


「 漫才でも見てるみたいッス…… 」

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