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☀ 夏のホラー 2023 参加作品  作者: 雪*苺
【 帰り道の鳥居 】
35/36

✒ 白い鳥居 9


 無事にシュンシュンと合流が出来たオレは、黒服の人から教えてもらった事を伝えた。


さいの河原──、さんの川──、さんぶね──、ばし── 」


「 そうなんだよ!

  さんぶねに乗るにはふなだいるし、ばしを渡るには通行料がるらしいんだ。

  シュンシュン……お金が無いと向こうぎしに渡れないんだ。

  さんの川は流れが早くて泳いで渡るのもむずかしいって── 」


「 はぁ?

  誰が泳いで渡るかよ!

  通行料もふなだいも必要ない! 」


「 どゆことだよ 」


「 式神に乗って飛んで行くからに決まってるだろ。

  向こうぎしにある白い千本鳥居まで飛んで行けば、こんしょくってのと無駄に戦う必要もないしな 」


「 シュンシュン、流石だな! 」


「 フフン!

  しつこく通行料を要求してるなら蹴散らせばい!

  それこそ流れの速いさんの川に落としてるさ! 」


「 シュンシュン……それは流石にじゃないかな? 」


「 ハン!

  だよ。

  セロフィートなら〈 (げんしつ)(みなもと) 〉に変換してるだろうよ 」


「 ………………流石にしないと思うけどな~~ 」


「 白い千本鳥居の場所が分かったんだ。

  さっさと行くぞ 」


 シュンシュンは空を飛べる式神を召喚する。

 おおがたの鳥だ。

 やっぱり、“ 空を飛ぶ ” って言えば鳥なのかな?


 シュンシュンと一緒に式神の背中に乗る。

 酷いかも知れないけど、ラリってるやくちゅうは暴れないように吊り下げておく。

 式神は左右の巨大な翼を羽ばたかせて浮かび上がった。


 式神はゆう(ゆう)と空を飛ぶ。

 「 あっ! 」と言うばしを越えてしまう。

 式神の風速でばしの上にた鬼達や通行する為に並んでいたひとがたこんぱくがバタバタバタバタッと橋の上から派手に落ちて、さんの川へさかさまだ。


 ひえぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!!!

 とんでもないを受けさせちゃった?!

 なんか──「 御免なさい!! 」だ。


 長いばしを越えて向こうぎしに入ったけど、荒れ地が続いている。

 赤い色をした池,煮えたぎってが出ている巨大な釜,鋭く尖った針で作られた痛そうな道,長い串で積み上げられた山──ヤバそうな物が広大な土地の上に作られている。

 土地を徘徊しているのはこんしょくだろうか。


「 な……なんかさ、凄い所だな…… 」


「 まぁ、地獄だからな 」


「 じ…地獄ぅ!?

  オレ達、だ死んでないよな?! 」


「 異形や怪異は意外と簡単に地獄へれるもんなんだ。

  とは言っても、るのは僕も初めてだがな 」


「 地獄……。

  なんか信じられないな……。

  じゃあ、さいの河原で話した黒服の人って── 」


「 十中八九、死神だろうな。

  死神は小遣い稼ぎに地獄のツアーガイドをする──って聞いた事がある 」


「 地獄のツアーガイド??

  地獄を観光するような客がるのかよ? 」


「 異形や怪異を対象にしたツアーだ。

  人間は死なないと地獄にはれないからな 」


「 そ、そうなんだ……。

  異形や怪異が地獄を観光するなんて知らなかった… 」


わざ(わざ)知る必要も無いだろ。

  地獄を観光したってたいして面白くないさ。

  苦しむこんぱくの様子を眺めて回るだけさ 」


「 ……………………オレは観光したくないかも… 」






「 マオ、白い千本鳥居が見えてたぞ!

  歩きにしなくて正解だな! 」


「 シュンシュン、白い千本鳥居が山程あるけど、れが元の世界につうじる鳥居なんだ? 」


「 僕の式神がじるしだ。

  式神をみちしるべにしている千本鳥居を探すんだ 」


「 分かった! 」


 地上には降りずに式神の背中に乗ったまま目的の白い鳥居を探す。


「 こんなに白い鳥居が立ってるなんて思わなかったよ…。

  下に降りるとこんしょくに襲われそうだしな~~ 」


「 つべこべ言わずに探せよ 」


「 探してるよ! 」






「 ──あっ、シュンシュン!

  アレじゃないかな?

  元の世界につうじてる白い鳥居って! 」


「 出かしたぞ、マオ!

  よし、このまま白い鳥居の中へはいる! 」


「 えぇっ!?

  このままって──。

  ぶつかったりしないのか? 」


「 安心しろ。

  式神の大きさは変えられる。

  ぶつかりはしない! 」


 鳥の式神はシュンシュンの指示で急降下すると白い千本鳥居を中にはいった。

 もの凄い速さで式神は鳥居の中を移動している。

 レーシングカーよりも速いんじゃないか?


 白い千本鳥居の奥に光が見える。

 きっと出口だ!

 やっと、セロのる世界に戻れるんだ!!

 かったぁ~~~~!!


「 鳥居を出るぞ!!

  両目をつむれ!! 」


 シュンシュンに言われて両目をつむると式神が白い千本鳥居を出た。

 ギュッと両目をつむっていても、そとまぶしい事が分かる。


「 このまま事務所に向かう。

  事務所に着いたら依頼人──はくだいに連絡するぞ 」


「 1年かぁ~~。

  今思えば長いようで短かい依頼だったな 」


 式神はセロが用意してくれたシュンシュン専用の事務所に向かって飛んでいる。

 風が気持ち~~~~い(////)

◎ 訂正しました。

  流れの早い ─→ 流れの速い

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