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☀ 夏のホラー 2023 参加作品  作者: 雪*苺
【 帰り道のカゲノウ君 】
1/36

♥ かげのう君 1

◎ 会話形式で進みます。

  想像力をフル回転させて読んでください。


◎ 霄囹のイメージボイスは「 名探偵コナン 」の “ 江戸川コナン ” です。

  マオのイメージボイスは「 少女革命ウテナ 」の “ 天上ウテナ ” です。


◎ どんな声なのか分からない読者さんは、アニメ動画を見て声を聞いてください。


 「 ねぇねぇ──、“ かげのう君 ” って知ってる? 」


 「 はぁ?

   かげのう君??

   誰だよ、そいつは? 」


 「 学生のあいだで噂になってる七不思議なんだって! 」


 「 七不思議ねぇ?

   音楽室のベトさん(ベートーヴェン)だろ、理科室のジンモケ(人体模型)だろ、運動場のニノキン(二宮金次郎)だろ、トイレの花子だろ、増える階段だろ、美術室のモリさん(モナリザ)、廊下ババアだろ──、7つ有るじゃん 」


 「 廊下ババアってなによ?

   初耳だけど? 」


 「 知らねぇのかよ?

   下校チャイムが鳴り終わった放課後に1人で廊下を歩いてたら、後ろから物凄い速さでババアが走って追い掛けてるんだ。

   ババアに追い付かれて肩を掴まれたら、廊下ジジイしくは廊下ババアになっちまう──って言う七不思議だよ 」


 「 えぇ~~、マジで知らないんだけどぉ~。

   私の知ってる7つ目は階段の巨大鏡だよ 」


 「 あぁ~~、聞いた事ある!

   鏡の前で呪文を唱えると鏡から人が出てて引き込まれるんだろ?

   結構、有名だよな 」


 「 えっ、違うよ。

   未来の自分の死ぬ姿が見えるんだよ。

   嘘かほんか知らないけど 」


 「 未来の自分の死ぬ姿…………見たくねぇ~~ 」


 「 学校の七不思議の7つ目って、学校に依って違うみたいよ。

   トイレの花子さんに弟がたり、お姉さんがたり──、両親がたり、祖父母もたり ──ってのも有るらしいし。

   美術室にモナリザの肖像画が無い学校だと白い彫刻が動く──とかみたいだし? 」


 「 学校の七不思議って、意外といい加減だよな。

   で──、お前が言ってる “ かげろう君 ” ってのは、どっかの学校で噂になってる7つ目なのか? 」


 「 “ かげのう君 ” だから!

   高校生のあいだでね、下校途中や塾がえりなんかに出るみたいなの! 」


 「 帰り道に出るのか?

   なにしに出てるんだよ? 」


 「 知らないけど?

   自分しか歩いてないのに足音が聞こえるみたいなの!

   振り向いても誰もなくて、歩くと足音が聞こえてるの! 」


 「 それってさ、にでもある怪談じゃないのか? 」


 「 違うの!

   振り向いても誰もないけど、足跡が残ってるの!

   真っ赤な裸足の足跡が残ってるんだってぇ~~~~!! 」


 「 裸足の足跡だぁ? 」


 「 そうなの!

   でね、朝にとおると真っ赤な足跡はにも無くて──って事らしいの。

   怖くな~~い? 」


 「 “ 怖い ” って言うより、完全にパチだろ? 」


 「 あ~~信じてないんだぁ! 」


 「 今日きょう、“ 信じろ ” って言う方が無理だろ? 」


 「 でね、今夜さ──、噂の場所へ行ってみない? 」 


 「 はぁ?

   行ける所なのかよ? 」


 「 うん。

   “ かげのう君が出る ” って噂の道は実際にあるみたいよ 」


 「 怖いもの見たさかよ… 」


 「 だってね、部活からの帰宅途中だった学生が、連続とおり魔に滅多しされて死んだ事件があった場所だって言うじゃない?

   “ かげのう君 ” は連続とおり魔に刺されて亡くなった学生なんじゃないか──って噂もあるの! 」


 「 ………………。

   連続とおり魔に刺されて亡くなった学生ねぇ?

   もしかしたら、自分を刺し殺した連続とおり魔を探してるのかもな? 」


 「 ねぇ、行くでしょ? 」


 「 行かねぇよ!

   今夜は見たいドラマが最終回なんだ。

   そんなに行きたきゃ、好きもん誘って行けよ 」


 「 ひっどいんだぁ~~!

   幼馴染みよりドラマが大事なの?

   かつあきの薄情者ぉ!! 」


 「 なんとでも言え!

   じゃあな、ゆう

   明日あしたにでも、“ かげのう君 ” って奴に会えたか教えてくれよな! 」


 「 ふ~~んだ!

   いんだもんねぇ~~!

   ときやすを誘って行ってやるんだからぁ!! 」











「 ──ってな感じで、その日はゆうと別れたんです 」


「 前置きが長い!

  ──で、お前は僕になにしてほしいんだよ? 」


一寸ちょっとしゅんれいさん!

  女の子なんですから、もっとに可愛く話せないスか?

  喋り方が乱暴過ぎやしませんスか? 」


「 黙れ!

  僕は忙しいんだ!

  ロクにカネの用意も出来ない素人の相手をするほど暇じゃないんだよ! 」


「 シュンシュン、態度が悪いって。

  、喫茶店だしさ──、ほかにも御客さんるし……。

  な? 」


「 たく……。

  マオは御人好しだな!

  マオは僕より暇人だもんなぁ 」


「 シュンシュン、喧嘩売る気ならオレは帰るぞ 」


「 マオは僕の助手だぞ。

  勝手に帰るなんて許すわけないだろ!

  パフェをおごってやるから、ろ! 」


「 分かったよ。

  えぇと──、かつあき君だっけ?

  警察に捜索願いを出してる幼馴染みのゆうさんを探してほしいんだよな? 」


「 そうです!

  もう1ヵ月になるんです!

  一緒に出掛けたときやすには当時の事情を聞ける状態じゃないですし……。

  一体なにが起こったのかまったく分からないんです…… 」


しゅんれいさん、このとおりッス!

  後輩が困ってるんスよ、なんとかしてやってください!! 」


「 行方不明や失踪なら警察に任せとけばいだろ。

  手の込んだ家出かも知れないしな 」


「 誘拐された──って線も有るんじゃないか?

  昔から拉致事件とかも起きてるじゃん?

  神隠しって事も── 」


「 馬鹿馬鹿しい!

  誘拐や拉致なら尚更、警察だろが!

  僕は天下の陰陽師だぞ!

  慈善事業やボランティアで依頼を受けてる訳じゃないんだ! 」


「 警察に捜索願いを出してるのに1ヵ月も見付からないなんて怪しいじゃないか。

  あやかしのわざかも知れない可能性は(ゼロ)じゃないだろ? 」


「 マオさんははなしが分かりますね!

  頼もしいッスよ! 」


「 オレさ “ かげのう君 ” って奴の正体が気になるんだよな~~。

  シュンシュン、現場に行ってみよう! 」


かつあきだっけ?

  お前、いくら迄なら出せるんだ?

  言っとくけど、最低でも50万は用意しとけよ。

  僕は本物だから、依頼料は高いんだ 」


しゅんれいさん、相変わらずカネうるさいスね~~ 」


「 フン!

  陰陽師は昔からカネきたない職業なんだよ!

  奪い取れる奴からはねこぎ奪い取るのが僕の流儀だ!

  払えないならほかを当たれ。

  霊媒師や霊能力者にでも頼れよ。

  思う存分にカモられてやればいだろが 」


「 ──シュンシュン!

  いい加減にしろよ!

  困ってるんだぞ!

  本物に頼っててる相手に対して『 野郎どもを頼れ 』ってほどいぞ!

  50万なんて意地悪を言うなよ。

  ほかに稼いでるんだからさ、5万にやれよ 」


「 “ あこぎ ” は余計だ! 」


「 まけてくれるのはがたいんスけど、カネは取るんスね 」


「 そりゃそうだろ。

  陰陽師は商売だからな。

  依頼料は取らないと、此方こっちの生活も掛かってるからな~~ 」


かつあき──、ゆうに同行したときやすは、どんな状態なんだ? 」


「 …………髪が抜けてて、唇が真っ青で、両目の下にくまが出来ていて……四六時中、口からよだれれ流している状態です……。

  視点もさだまってないみたいで……毎日、なにかに怯えているのか神経質になっていて……ブツブツなにかを呟いているみたいです…… 」


はなしを聞く限り重症じゃないか?

  “ 怯えてる ” って事はよっぽど衝撃的ななにかを見たって事かな?

  見えないなにかの気配を感じてる──とか? 」


「 仕方無いな、会ってやるか。

  なにかにかれてるならはらってやるよ。

  しょうに戻してやらないと話しを聞けそうにないからな 」


「 シュンシュン!

  よし、じゃあ、行こう!

  思い立ったらきちじつだろ? 」


「 分かった分かった。

  かつあき──、ときやすが入院してる精神病院とやらに案内しろ 」


「 ──がとう御座いますっ!!

  恩に切ります、しゅんれいさん,マオさん!

  喜んで案内させて頂きます!! 」


こころけだな!

  あっ、お前は帰っていぞ。

  かれたりでもしたら面倒だからな 」


「 そんなぁ~~!

  で “ さよなら ” はじゃないスかぁ~~! 」


なんだと、僕に逆らうのか!

  付いてるなら、お前が80万を用意するんだぞ! 」


「 シュンシュン、30万増えてるけど!

  えぇと、たいだっけ?

  シュンシュンの言動は最悪だけど、きみの身を案じてるから “ 帰れ ” って言ってるんだよ。

  きみは “ 紹介者 ” なんだ。

  これ以上は首を突っ込まない方がい。

  依頼人をシュンシュンに紹介したんだから、きみの役目は終わったんだよ。

  の支払いを済ませたら、素直に自宅へGOゴーするんだ 」


「 そう言う事だ!

  見えない奴は足手まといになるからな。

  自宅で大人しくエロゲでもしてハァハァしてろ!

  あっはっはっはっはっ! 」


「 シュンシュン、それは言い過ぎだからな! 」


「 ──行くぞ!

  かつあき、案内しろ! 」


「 あっ、はい! 」


 少女1人,少年1人,青年1人は喫茶店を出ると南へ向かって歩き出した。

◎ 訂正しました。

  巻かせとけば ─→ 任せとけば

  あやかし ─→ あやかし

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