ウクライナ問題に見る、日本に訪れる現実的な最悪のシナリオと対策
※3月3日昼現在の状況を元に書いてあります。大きく状況が変わっている可能性があります。
※最悪のシナリオが起きて欲しいわけではありません。起きないことを前提にするのは間違っているということを申し上げたいだけに過ぎません。
※本稿の政策についてそれぞれ専門的な知識を持っているわけでは無いので、間違っていれば根拠を頂ければ修正していこうと思います。
質問者:ウクライナ問題の第2回ということでよろしくお願いします。
作者:お願いします。今回はウクライナというより日本にフォーカスして話していこうと思います。日本に起こり得る現実的かつ最悪なシナリオについて話していこうと思います。
質問者:お願いします。まずはロシアの対日本への動向についてです。
作者:『防衛省は2日、ロシア機と推定されるヘリコプター1機が同日午前10時23分ごろ、北海道・根室半島の南東沖で日本領空を侵犯したと発表した。』(KYODOより引用)。とあります。これに対して日本は例によって『遺憾の意砲』を打つだけです。
僕はこの一件を見た時、非常に危機意識を覚えましたね。
質問者:どうしてでしょう?
最悪のシナリオ① 核攻撃
作者:いよいよ、ロシアが日本を敵視したということを行動で示したということです。ロシアは中国よりも“実際に行動に移した時の内容”がより過激なのは今回の1件で良くわかったと思います。また、前稿前稿『ロシアがウクライナを攻める!』で書きましたがアメリカもまともに動くことは期待できません。
3月3日の読売新聞オンラインによると『中東の衛星テレビ局アル・ジャジーラのインタビューに対し、もし第3次世界大戦が起これば、「核(戦争)以外にあり得ない」と述べた。』とあります。
ウクライナ侵攻が失敗し、ロシア政権が危なくなればなるほど自棄になっての核兵器使用に移す可能性は逆に上がっていくのではないかと懸念しています。
また、ロシアが仮に今回の一件で政権が崩壊したとしても、中国や北朝鮮も核保有国であることを考えると相手国の核使用に対する対策は必須です。
質問者:どのような対策があるのでしょうか?
作者:まずは抑止力としての核共有が自民党内でも提言され始めていますが、これも勿論必須です。しかし、それだけに留まってはいけないでしょう。核攻撃に対する避難訓練を実施するべきです。
具体的には地下鉄を活用し、防空壕代わりに使うのです。これには水害対策や地上からの空気を洗浄する対策も追加で必要になってきます。外には当面の間、出れない可能性もありますからね。
また、地下鉄が少ない地域には核シェルターの建設を行うことも重要です。核シェルターにつきましては人口に対する普及率が1%を切っているのが日本の現状です。全国的に普及させるための補助金などの施策を行わなければ最悪の事態の際に逃げる場所が無いです。これについての議論が無いのは国としての危機管理と国防意識が無さ過ぎます。
最悪のシナリオ② 国内からの侵略 資源編
質問者:なるほど……対核への防御が手薄なのは分かりました。次に具体的に侵略される可能性についてお話頂ければと思います。
作者:一般的にはあまり知られていないことなのですが、実は“侵略“というのは既に行われています。
質問者:えっ! どういうことでしょうか?
作者:日本という国は賃金や物価がこの30年ほとんど上昇していません。そうしたことから、世界的に相対的に“先進国としては安い国”になっています。このことから、資源の買収というのが中国など海外資本に抑えられつつあるのです。
質問者:そうだったんですね……。
作者:特に北海道が深刻です。2010年、北海道が外国資本による森林の売買状況の調査によると、道内の私有林7か所、計406ヘクタールがすでに外国資本に抑えられていたことが分かりました。特に森林資源だけでなく水資源が抑えられているということは北海道の人々の血液を握られていると言っても過言ではありません。
質問者:そんなことは存じませんでした……。
作者:日本は外国人による土地取得制限が無いですからね。僕の考える最悪のシナリオではある日突然、海外資本が持っている土地を外国が実質的に国有化し、『水が欲しければ我々の要求を呑め』などと言って強力な外交カードとして使われることです。
資源を抑えられている以上、無理難題すらも吞まざるを得ない可能性すらあります。
質問者:しかし、土地所有をしているのと資源の保有というのは違うのではありませんか?
作者:ちょっと古い裁判例なのですが、資源所有に関する判例が少ないので1938年の大審院判決を出させてもらいます。
それによると、『土地所有者はその所有権の効力として、その所有地を掘削して地下水を湧出させて使用することができ、たとえそのために水脈を同じくするほかの土地の湧水に影響を及ぼしても、その土地の所有者は、前者は地下水の使用を妨げることはできない』とあります。
簡単に言うと、土地所有者は他の土地所有者に対して影響が出たとしても、地下水の使用ができるということを言っています。つまり、判例が変わらない限りは上の最悪のシナリオは可能性としては残るわけです。法改正又は判例として新しく何か変わらない限りリスクは残り続けるのです。
最悪のシナリオ③ 国内からの侵略 民族編・実効支配編
質問者:あの……申し上げにくいのですが、資源面以外での侵略という可能性はあるのでしょうか?
作者:なかなか物理的な侵略というのは米軍がいる以上難しいと思いますね。
質問者:ほっ。
作者:しかし、楽観視はできません。民族的な侵略というのはあり得るからです。
質問者:えっ、日本という国はいろいろ議論はあるとは思いますけど基本的には単一民族ですよね?
作者:国民のほとんどの方がそういう認識だと思います。しかし、海外の主張は違います。
ロシア大統領は『アイヌ民族をロシアの先住民族に認定する』という考えを2018年12月、モスクワでの人権評議会で表明しています。つまりロシアは、北海道への領有権主張を北方四島以外にも広げる可能性を秘めています。
ウクライナ侵攻も『ロシア民族がジェノサイドに遭っている』という主張で開始したことを考えると、全く荒唐無稽な話では無いと思います。彼らからしてみれば『現実的にどうなっているか』ということよりも『自分たちの領土だと主張できる材料が揃っている』ことの方が重要なのです。これには沖縄も『琉球民族は中国の先住民である』という主張もあり得るので応用可能です。
質問者:そ、そんな……。
作者:日本はしかも何が起きても“遺憾の意”で終わっちゃいますからね。ハッキリ言って舐められています。1952年に起きた竹島の実効支配も何もできていません。尖閣も実効支配されてはいませんが、何故か“配慮”を続けなければいけないのは事実上放棄しているに近いです。これでは『侵略してください』と諸手を挙げて言っているようなものです。
質問者:し、しかし。沖縄や旧アイヌの方々に不満があるようには思えないのですが……。
作者:ええ、客観的に見ればそうですね。しかし、日本にはいわゆる『スパイ防止法』というのがありません。日本人に成りすまして『助けて下さい! 日本人に民族的に人権を不当に奪われています!』などと戦略的に主張することによって、上の問題というのは現実的に起こりえることだと思っています。
正直言って、日本が今無事なのが僕としては奇跡に思えるほど『無防備な国』だと言えるのです。
〇まとめ:今、日本人にできること
質問者:そ、そんな深刻な状況をなぜ国は許しているのでしょうか?
作者:日本という国は敗戦国として引きずっていましてそのため色々な弊害がある訳です。これについてはまた長くなるので次の機会にでも書いていこうと思います。
質問者:では、具体的に私達はどうすればいいのでしょうか? やはり選挙に行くことでしょうか……。
作者:残念ながら日本は自民党以外の政党に政権担当能力はありません。他の政党はほとんど批判するばかりで、仮に任せても実行できないという悲しい現実があります。
質問者:そ、そんな……。
作者:パブリックフォーラムというのはご存知でしょうか? 政府が政策を行う時に国民から意見を聞くのです。必ずしも全て聞かれるわけでは無いのですが、参考にはしてくれます。ただし、いつ募集しているのか普通は分からないのが難点です……。
そう言う訳で、は内閣府や各省庁に“ご意見ご要望”をマメに送り続けるしかないです。僕も問題に思ったことは直ぐに送るようにしているんですけど、やっぱり1人の力ではどうすることも出来ません。しかし、この問題に気づいてくれた人が1人でも多くの方が発信してくれることで、きっと――いえ必ず国は変えられます! 少しでも国を想う気持ちがあり、ご賛同いただけるなら一緒に問題提起をして欲しいのです!
上に挙げた核シェルターの普及政策、外国資本による土地買収の規制、スパイ防止法など難題は多いですが、他の国では“当然のように”あることばかりです。その“当然”が全く認められていない国、それが日本なのです! 僕はこの国にずっと住んでいたい、この国を守りたいんです!
――あ、済みません。気が付けば熱くなってしまって……。
質問者:い、いえ。日本を想う気持ちはとても良く伝わりました。本日もありがとうございました。また次の対談を楽しみにしています。
作者:ありがとうございました。またよろしくお願いします。