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ずっこけ3紳士! はじめての異世界生活~でもなんかループしてね?(ネタばれ)~  作者: 犬者ラッシィ
第八章 3紳士、都会で名を上げるⅢ 傷を舐め合う道化芝居編 【推奨レベル24~】
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320 発動篇

『いゃあぁぁぁぁん!! 何これぇぇぇぇ~~~~!!?』


『な……なんと! これは一大事!! ささ、アザリン殿、互いに肌を寄せ合って大事な部分を隠すとしようじゃないか!! さあ、聖女エリエスも……って、なんだそれは!?』


『こんな時は、慌てず騒がず光魔法の三点付与。以前、英雄ナタリア様がこうしていたのを見たことがあるっちゃ』


 むほっ……、うちの上司エリエス様の三点付与! 要するに、両乳首と股間の三点を光魔法で隠す荒技だ。これはなかなか……。

 そしてアイダ様は、自分の裸も省みずキャプティンへのセクハラに余念がないと。



 今、円形闘技場は客席も含めてベリアス様のスキル【神域/何も持たずに産まれただろう?】で異界化している。

 ベリアス様の作りだしたこの世界では全員、全裸非武装がルールらしい。


 唯一手の中に残った『ガリアンソード』も、「勇者のオーラ」なくしては今にも消えてしまいそうだ。

 

 でも……、なんかイイなこのスキル、エロいし平和だし……?    



 ――ざわ……ざわわ……お、おい、すげえぞ! 聖女様達が全員すっぽんぽんだっ……ざわ……ざわわ……。


 ――ざわ……ざわわ……あのおっぱいを、お尻を目に焼き付けるのだ!! ハアハア……ざわ……ざわわ……。


 ――ざわ……ざわわ……ああ、来てよかった!! 並んでよかった!! 生きててよかった!! ざわ……ざわわ……。


 客席のお兄ちゃん達も大歓喜!! といったところ。


 ユーシーさんやマデリンちゃんの全裸が人前に晒されるのは少しもやっとするが、まあそれはそれ……だって、グラビアアイドルと付き合えるもんならお金払ってでも付き合うだろ? 異論は認めるが、おれならそうする。


 ベリアス様も人が悪い。こんな素敵スキルを持ってるなら、始めから使えばいいじゃんよ?





「今朝はずいぶん冷え込んだらしいな? 知ってるか? 寒いと乳首が立つんだぜ? 俺はガキの頃から身体が弱くてよ、親父に『スキルの欠片』をたらふく飲まされた。耐性スキルだけで24個もあるんだぜ? おかげで、見ろよこの乳首、カサカサでなんにも感じねえ。熱も痛みも、電撃でさえも……もう全然ダメになっちまった――」


 ――え? ベリアス様なんか言った?

 気が散るんで、後にしてもらっていいですかね?





「――その時になって俺はようやく親父の行動に疑問を持ち始めた。……いや、始めのうちは多分違ったのかもしれない。……そう思いたい。だが途中からは興味本位で、どれだけ俺にスキルを詰め込めるかって実験が始まってた。スキルを詰め込めるだけ詰め込んで、人間を超えた存在――「オリジン」へ至るのだと、親父は時々口にした。――目的? ……凡人の俺には、天才の考える事なんてさっぱりさ」


 ……あれれ? シーラさまと鎧の人だけは全裸になってないぞ?

 あの鎧、もしかして中身無いのか? 魂を定着させてる的な……?

 シーラさまは……年齢制限かな?


 てか、ナタリアちゃんはさすが堂々としたものだね。いつもありがとぅー!

 おっと、ヘルガさん……イイね~!

 隣のオリエンタルな美女もイイね~!





「……そして、『スキルの欠片』で憶えるスキルが無くなったら、今度はレベルアップ実験ときやがった。他人から経験値を抜いて貯めることができる『エナジーポット』ってアイテムでよ――。ただまあ、『エナジーポット』の実験は俺にとって悪くなかった。経験値を入れたり出したりすることで、なんとスキルの取り直しができるんだぜ? 俺はいいスキルが出るまで出したり入れたりを延々と繰り返したさ! ――で、手に入れたのが、【肉体共有】、【王の領域】、【進化】……」


 ……ん? 貴賓席きひんせきでなんかもめてるぞ?


 あの辺に居るはずのユーシーさんを見ようとすればするほど視界に入らない。

 あれは、スキル【認識阻害】かな? ……いや、それを更に【脳力解放】で強化しているのか? ずるい……!


 そして、「自分だけ隠れるなんて不公平です!!」と、グレイス様とセリオラ様を始めとした聖女様達に詰め寄られているみたいだ。

 ……まあ、退職覚悟のユーシーさんが今更そんなことに動じるとも思えないけどな。



 ……あれ? いつの間にか、マデリンちゃんのもじゃもじゃ頭を見失ってしまった。

 さては、他の聖女様に【噛みつき変身】したな? 自分の裸じゃないから恥ずかしくないもん! というわけか!? ずるい……!





「……そうさな、『エナジーポット』と『ガリアンソード』、『クローンの身体5体』……あと、メイドのルカとハナを与えてくれたことには感謝してる。――だとしても、クソ親父に一発かましてくれて、俺は正直すっとしたんだぜ? あのパラディンには結局言いそびれちまったけどよ。……おっと、どうでもいい長話をしちまったな? なんだかヤマダを見てると、ハチローターさんのことを思い出して――ついな?」


 ……まあ、あれだ。

 なんか思ったより重たい話だったから、美女の全裸なしにはこっちまでブルーになるっていうかさ? ……聞いてなかったわけじゃないんだよ?


 確かに、カスパール君のことは残念に思うけど、おれがどうこう言う話でもないだろう。






「――さてと、待たせちまったよな? そろそろ本番といこうか……?」


 ……ん? 本番!?



「スキル【統率】を【進化】!! ――スキル【王令おうれい】を使う!!」


「……は? おうれい?」


 再びマイク的な拡声魔道具を握るベリアス様。


 未だざわついている観客席へ向けて、【王令】を発す!



『皆の者、聞けい!! 見るがいい、お前達ごときでは到底手の届かぬ全裸の美女達がすぐ目の前に揃って居るぞっ!! 【王令】であるっ!! 奪え!! 犯せ!! 蹂躙じゅうりんせよ!! この俺がっ、王者ベリアスが許すっ!!!!』





 ……ぶ!! ぶるぉぉぉぉおぉぉぉぉおぉぉぉぉ!!!! おおぉぉぉぉ!!!!


 ベリアス様のスキルの乗った号令を受けて、観客が一斉に略奪兵と化した。

 

 そもそも円形闘技場に女性客はほとんどいない。

 理性のたがが外れた観客のお兄ちゃん達は、先を争い、貴賓席を目指して本能の命ずるまま突撃を開始した。



 ――うぉい!! 何してくれてんだ、ベリアス様よ!!

 まさか本気であきらめてなかったとは、油断してた。


 ……てか、いつの間にか、おれの手の中の『ガリアンソード』も消えかけていた。



「ゆ、【勇気百倍】……!!」


「おいおい、こっちは手ぶらだぜ? 俺を斬るのかい?」


 そう言われると確かにやりにくいが、やり方はあるだろ?



 ――しゅ!! 

 ――ばっ!!

 ――ばっ!!

 おれは、低空飛行でベリアス様の周囲に三角を描いた!



「――開け異次元の窓! スキル【超次元三角ちょうじげんさんかく】!!」







「おっ、見ろよヤマダ! 聖女が一人捕まったぞ!! ――ああ残念、女パラディンになぎ払われたか。容赦ねえな、あのドラゴニュート……!」


 ……!?

 【超次元三角】が開かない件……!?


 新スキルなのに早速無効化されてしまうとは、世知辛い。



「ベリアス様、こんなのやり過ぎですって!! ……ああっ!! あんたのエルフメイドさん達、大変な事になってますよ!!?」


 観客席の数少ない女性客、さっきベリアス様に『ガリアンソード』を届けたメイドエルフさん達もベリアス様の【神域】に巻き込まれていた。

 あれやこれやいきり立ったお兄ちゃん達に囲まれて、あわわ……もう手遅れじゃね……?



「あいつらは俺の性癖にも理解ある、出来たメイドさ! ルカ、ハナ、ナイス凌辱りょうじょく!!」


 ……!!?

 全然ダメになっちまった……とかしょぼくれたこと言ってたくせに、ベリアス様のベリアス様がムキムキ元気になっていく。


 ……こ、この脳壊れ野郎め!!





『むほ~~~っ!!!! スレンダーなベリアス様の、スレンダーじゃない部分がむほ~~~っ!!!!』



『ええい、むくつけき男どもめ、私の邪魔をするな!!』


『きりがないですね。殺してもいいですっちゃ?』


 キャプティンとアイダ様も、いつの間にか光魔法三点付与で実況に復帰していた。


 その周囲に群がるお兄ちゃん達が、アイダ様のベトベトの白い液体――スキル【粘着液ねんちゃくえき】で動けなくなっている。

 その【粘着液】に捕らわれたお兄ちゃん達を踏み台にして向かってくる後続のお兄ちゃん達は、【ヒロイン化(メイクアップ)】でセクシーにパワーアップしたエリエス様にちょっとキツめにあしらわれている。





 ――しゅぱ!!

 スレンダーなくせにムキムキなベリアス様のベリアス様にイラッとしたおれは、怒りと哀しみのままに『ガリアンソード』を横薙ぎにした。



「おっと!? 今のはヒヤッとしたぜ? だがまあ、そういうわけだ」


 ……!?

 手応えがない。


 そういうわけってどういうわけだよ!?



「――要するに、この【神域/何も持たずに産まれただろう?】の中で俺は一切手が出せない。NTRされまくりだ。――その代わり、そっちも俺に手が出せない。俺の世界は、そういう世界ってことだぜ!?」



 ――くそっ!!

 おれはベリアス様を残して、観客席へと飛び立った。

 

 略奪兵と化したお兄ちゃん達、一体何人いるんだ……?

 この円形闘技場の収容人数、確か一万人ぐらいって聞いたけど……。


 ユーシーさんの方は、とりあえずエルマさん達パラディンに任せておけば大丈夫だろう。

 




 ――げしっ!!

 おれは、オリエンタルな美女のおっぱいを背後からもみしだくタナカに跳び蹴りを入れた。


 てかこの美女、往年の美人女優、木ノ花(このはな)ルルの若い頃にそっくりだな。



「おーっす! シーラさま。久しぶりー!! 応援ありがとぅ~!!」


「ヤマダー!! おーっす!!」

「ヤマダ、おーっす」



「……えっと、ナタリアさんも、応援ありがとうございます」

 

 あと、おっぱいとかもありがとう。……ちらっちらっ。



「おーっす!」


 ……そして鎧の中から女性の声。――って誰?



「ヤマダさん、こちら、石化していたあの人だ」


 ナカジマ、説明助かる。



「いてて……。いきなり乱暴だなぁ~闇落ちしたの? ヤマダさん」


 うるせータナカ、なにどさくさに紛れて乳揉んでんだ!?

 若い頃の木ノ花ルル似の美女の乳を無遠慮に……ちらっちらっ。





「あー、えーっと、本物のラダさま? お元気そうで……」


「石化しているわたくしの胸をまさぐったり残念なソレを擦りつけたりしたこと、未だに悪夢に見るのです。ベッドに運び込まれた時の絶望といったら……」



「……そ、その話は、いずれまた……」 

       

 やっべ、石化中も意識あったのか……!?  





「ヤ、ヤマダさん、お疲れ様です……」


「あ、ヘルガさん……どうも……」


 うっほ、エロっ……ヘルガさん、エロっ……!!

 その奥ゆかしい仕草とはうらはらに、上向きにとんがったおっぱいと少し濃いめのアンダーヘア。

 

 いかん……丸出しの相棒がちょっと反応してまう……。

 タナカのちんこでクールダウンだ。



 ……!?

 ふと見ると、ヘルガさんの背後には石化した観客のお兄ちゃん達がバリケードの様に積み上げられていた。略奪兵の進軍を阻むのに一役買っているようだ。

 ……ん? 石化……?

 




「――あっ、シーラさま、ヤマダがヘルガをエッチな目で見てるぞ!」


 ああっ、言いつけないでナタリアちゃん……!



「おや、ヤマダさんのヤマダさんが変形を始めましたよ!?」


 こら! ラダさま、こら!



「エッチなことはダメー!!」


 勘弁して、シーラさま。

 こればっかりは、仕方ないんだ……。

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