435 ジーナス屋敷にて、夢見るままに待ちいたり
ジーナス屋敷にて、悪い遊びに興じていたミース魔導学院生の少年少女を無理矢理寝かしつけたおれ達三人組。次なる行動を開始すべく、ナカジマがスキル【詳細地図】で手元に浮かべた円形の地図を眺めて作戦を練る。
地下1階――。
> 海神ダゴヌ(男)【旧支配者】 HP ******/******
> ベルベット・ツェペシュ(女)【ジーナスの配下】 HP 45/4490
地下1階に表示された神獣と思しき巨大な影――てか、ダゴヌ様なんよ、女好きで、とりわけ母子相姦モノに造詣が深いでお馴染みの。
あと、巨大な影と重なるように、衰弱した女性が一人。名前はベルベットちゃん。
【ジーナスの配下】って肩書きに厄介ごとの予感しかないけど、人命に関わることだとしたら、これを放置し屋敷を去るのは紳士としての矜持にもとる。
「ダゴヌ様は、氷漬けらしい」
「じゃあさ、攻撃されたりはしないってことだよねー?」
「どこか遠く、ダンジョンの底にでも【空間転移】させてしまおうか」
【詳細地図】を見ながら、ジーナス屋敷一階、吹き抜けの玄関ホールへと移動するおれ達。
正面の階段奥に地下へと続く鉄扉がある。
「すごいなそれ、最強かよナカジマ氏。できれば、宇宙空間とかに追放してほしいんだけど」
「ナカジマ氏ぃ、くれぐれもベルベットちゃんは巻き込まないでよね? さっきのウィリアム君だってさあ、ぼくがいたからよかったものの」
「うっ……うむ。だが、宇宙空間は無理だぞ、行ったことないし。――しかし、『海神』と云うからには、『神獣』の類なのだろう? 意思疎通のできないバケモノなのか? 異世界モノで『神獣』や『聖獣』と云えば、主人公のペット枠に納まるのが定番ではなかったか?」
あるあるだねー。とか、タナカとナカジマが盛り上がってるけど――まてまて、二人共「神獣クラムボン」のことを忘れたのか? あんなキモいやつをペットとか御免被る。てか、ヤツの死骸を”重り”とか”食材”に使い倒してるくせに、よく言う。
鉄扉を開けば、急勾配な階段が地下へと続いている。
壁のスイッチに触れると、触れただけで照明設備にぽつぽつと光が灯った。
足下からヒンヤリと冷たい空気が這い寄る。まるで冷蔵庫だ。
おれ達は、おっかなびっくり階段を下っていく。
広大な地下室の中央には、大きな穴が空いていた。直径20mぐらいで、かなり深い。
その大穴に、巨大な氷塊が太い四本の鎖で吊られていた。
氷塊の中に、白くてぬらっとした巨大なタコみたいなヤツが見える。
ただし、そのタコには人間っぽい顔があって、顔のすぐ下に吸盤のある触手が三十本以上ぶら下がっていた。……真顔っちゃ真顔だ。
つまりコイツが、ダゴヌ様か……。
「……でかっ! コワっ!」
「ちょっとちょっと、ベルベットちゃんはどこなのさ、ナカジマ氏ぃー!?」
「さてな、この穴の底かもしれんし、最悪このタコ男の腹の中かもしれん」
「そういえば、ダゴヌ様は女好きって聞いたな。女アンソニーが触手プレイで、なんか分からされたらしい。でも見た感じ、まだ凍ってるっぽくね?」
「ええ~っ!? 触手プレイかー、ファンタジーといえば触手プレイだよねー!? この地下室で、触手プレイかー! いいなぁ、触手プレイー! ナカジマ氏も好きでしょ、触手プレイ~!?」
「はぁ!? なんでだ? ――ゴホン、触手プレイはともかく、そこの階段の所、床の黒ずみは血痕じゃないか?」
げっ、触手プレイで流血とか、ちょっと憶えがないんだが? ……いや、その界隈は広大だ。探せばあるのか? おれの見識が狭いだけなのか?
タコスミじゃなーい? とか、タナカが言っているけど、うーん。タコスミと触手プレイのコラボは……うん。それも探せばありそうなんだよな。広大で奥が深いぜ、その界隈。
でもまあ、せっかくだし探ってみようか、この場所の記憶を。
うなれ、おれの神スキル【空間記憶再生】! 発、動!
暗闇に魔法【浮灯】が灯る。
地下室には、全裸の男が立っていた。
男の顔は、この辺りでは珍しい黒髪黒目の黄色人種。
突然男が身をすくませる。
どうやら、巨大な氷塊と内に潜む異形に、その時初めて気付いたらしい。
怯えた男は上階への階段を見つけて踵を返す。
階段を駆け上がる男だったが、数段上っただけでその足を止めた。
男の行く手を遮るように、階段に忽然と怪しい美女が出現したのだ。
とっさに男は何らかの攻撃をしかけたようだが、美女はものともせず、煙のようにかき消える。
次の瞬間、怪しい美女は男の背後に立っていた。
彼女は背中から四本の”吸盤のある触手”を伸ばし、男の四肢を拘束してしまう。
半狂乱になる全裸の男。
男の命運は怪しい美女の思うがまま――と見えたその時だった。彼女の背中から更に四本の”吸盤のある触手”が生えてきて、どういうわけか彼女自身に巻きついた。
緩んだ四肢の拘束を振り切り、男は這うように階段を駆け上がる。
後も振り返らずに、上階へと走り去って見えなくなった。
この地下室にとり残された怪しい美女は、自身の背中から生えた合計八本の”吸盤のある触手”に自由を奪われ、抵抗する間もなく、両腕と両脚を捻り潰されてしまう。
飛び散った血しぶきが、周囲の床を染めた。
自身から生えた”吸盤のある触手”によって服は破かれ、彼女の真っ白い乳房と尻が露わになる。
美女の素肌に惹かれるように、地下室中央の穴の中から大小無数の”吸盤のある触手”が殺到した。
無数の触手が、彼女の素肌に巻きついていく。
やがて、一番太い触手の先が蛇の口のようにパックリ開くと、触手に巻かれたままの美女を頭から丸呑みにしてしまうのだった。
「……丸呑みかよ」
「丸呑みだねー」
「丸呑みとはな」
界隈に一定の需要があるらしい「丸呑み」だけど、「触手責め」ほど見た目のお宝感はない。せめて「ラバー拘束」だったならばと思わなくもない。
それはともかく、あの全裸の男には見覚えがあった、名前は忘れたけど。
「……あの男、日本からクラス召喚されたって言ってた野郎だ。大迷宮で、さわやかパーティを襲って殺したろくでなしどもの一人だったはず。てっきり、あの時くたばったと思ってたんだけどな。――そういえば、王弟ジーナスとかニセ勇者ヤマモトとかの関係者だったかも」
「ねえねえねえねえ、今の前髪ぱっつん子ちゃんがベルベットちゃんってことだよねー? きっとさ、さっきのタコ足の中でとろっとろになっちゃってるよねー?」
「ふむ。ベルベットさんも【ジーナスの配下】とあるし、日本人らしき全裸の彼とは仲間割れといったところか? しかし、最初彼女が自在に操っていたタコ足触手のコントロールを、途中で失ったのはどういうことだろうか?」
「あーそういや、ダゴヌ様に分からされた女アンソニーだけど、子宮に魔石埋め込まれて中ボスみたいになっちゃった時あったわ」
「ええーっ? 子宮に魔石で中ボス~!?」
「なんだそれは? つまり、あのタコ足に寄生されると魔物化して『海神ダゴヌ』の眷属のようになってしまうみたいな感じか?」
……まあだいたいそんな感じ? おれのスキル【空間記憶再生】で見たところ、前髪ぱっつんのベルベットちゃんはまだ魔物という見た目ではなかったけどな。ダゴヌ様の意のままに操られるということなら最悪、彼女と戦うことになってしまうかもしれない。
「下手に戦って殺してしまったらキツいな、ナカジマ氏みたいに」
「だよねー。いくらぼくのスキルがあるからって、命を軽く扱うのはダメだよね、ナカジマ氏みたいに」
「う……ぐっ……、ウィリアム少年のことは、私も反省していてだな……その……」
お互いに注意喚起しつつ、おれ達は地下室中央の大穴を覗きこむ。
三十本以上あるダゴヌ様の触手は大穴の底へ向かってだらりと垂れ下がっており、大穴に溜まった水に浸かっていた。水に隠れた部分の触手がどこまで長いのか、ここからではよく判らないが、水に浸かっている部分は既に解凍されていると見て間違いなさそうだ。
ベルベットちゃんを丸呑みにした触手も、水面の下だろう。
氷塊の中の、巨大なダゴヌ様の顔面を見上げるおれ。
うーん、なんていうか不気味な印象しかない。
ダゴヌウィッチシスターズの代表曲『イア! ダゴヌ様、はやく起きてね♡』で歌われているような、寝ぼすけでお人好しでマザコンという印象も全くない。
少なくとも、ペット枠に収まるようなタマではないだろう。
とはいえ、巫女のデイジー様をはじめとした熱心な信者達のことを思うと、凍ったままのダゴヌ様をこのまま輪切りにしてしまうというのもちょっと気が引ける。なにしろ「神」と名の付く「神獣」の類い、神罰とかタタリとかあったら怖いし。
やはりナカジマの言うように、ダゴヌ様にはどこか遠くへ、ちょっと簡単には帰ってこられないような場所へ行っていただくのがいいんじゃなかろうかと思う。そんな場所に、心当たりがなくもない。
――スキル【飛翔】! 光る昆虫の羽根を広げて飛び立つおれ。
腰のガリアンソードを抜き放つ。
――スキル【勇気百倍】! ガリアンソードに「勇気」の輝きをまとわせる。
異世界の理を【無視】する斬撃、「勇気モチモチの剣」!!
ズバッ!! ――ズバッ!! ――ズバッ!! ――ズバッ!!
巨大な氷塊を吊り下げている四本の太い鎖を続けて切った。
バッシャーン!! と水しぶきを上げて、巨大な氷塊は大穴の中に落ちる。
さて、頼んだぜナカジマ?
おれが目配せすると、ナカジマは水面に浮かんだ巨大な氷塊に向かって歩み寄る。
ヤツの足場は、スキル【アイテムボックス】を上向きに開いたモノである。生物は入らないという【アイテムボックス】の制限を逆手に取った応用テクニックだ。
ナカジマの準備ができたのを見て、おれはガリアンソードで空中に大きく三角形を描いた。――スキル【超次元三角】! 次元の隙間へと開く三角の窓。
別に、ダゴヌ様の頭が入るほど大きい三角である必要はない。ただ、ナカジマが【空間転移】先として、三角の窓の中――次元の隙間を把握できればいい。
一瞬で、巨大な氷塊とナカジマの姿が消えて、また一瞬で、ナカジマだけが地下室に戻ってきた。
「上手くいったぞ、ヤマダさん」
「ヤマダさん、ベルベットちゃんを頼んだよー」
のんきな二人の声援を背に、光の羽根をはためかせ、三角の窓をくぐって次元の隙間へと突入するおれ。
上も下もない次元の隙間に、巨大な氷塊が浮いていた。その氷塊から生えた三十本以上の長い触手がウネウネとのたうっている。
てか、触手長っ! 氷塊に覆われた頭部の四倍ぐらいありそうで、触手まで含めたら全長50mぐらいになりそうなダゴヌ様。
激しくのたうつ触手の中に、よく見れば一本だけ妙におとなしい触手があった。力なくぶらんとたゆたい、時折びくんと引きつるように身を震わせる。
先端に視線を移せば、不自然な膨らみに気がついた。ぬめっと白い表皮に、薄らと肌色が透けて見える。
どうやら間違いなさそうだ。ベルベットちゃんはあそこにいる。
光の羽根をはためかせ加速するおれ。一気に距離を詰めると、ガリアンソードに再び光をまとわせた。
射程に入ったおれを叩き潰そうと、三十数本の巨大な触手が、一本一本に個別の意志があるかのように迫る。
だがそこはもう、おれの射程でもあるんよ。
――スキル【遅滞】! 周囲の時間が、おれに近づくほどにゆっくりと流れだす。
迫りくる触手をかわしながら接近し、動かない触手の先端部分、ベルベットちゃんの入っている部分だけを「勇気モチモチの剣」で切り落とす。
切り落とした切断面に、ベルベットちゃんの前髪ぱっつんヘアーと白目を剥いた綺麗なお顔が見えた。
「おっしゃ……!」
おれの尻から、待機状態になっていた魔法【黒手八丈】の「黒い手」がにょろりと伸びて、ベルベットちゃんの細い腰に巻き付く。
そのまま加速し、ベルベットちゃんを引っこ抜くと、にゅぽん! ぬぽん! と彼女に深々と挿さったままだった大小の触手も抜け落ちた。
後はさっき突入してきた三角の窓を抜けて脱出するだけ――と、思ったその時だった。
――スキル【危機感知】反応! 背後から感じる圧倒的プレッシャーに振り返れば、五階建てビル並に巨大な水球がダゴヌ様の周囲に形作られつつあった。
イカン……!! あんなでかいので攻撃されたら、ちょと避けきれん。
スキル【遅滞】は今使ったばっかりで、再使用にはまだちょっとかかりそう。
だったらここは、【超次元三角】の盾でしのぐか――って、ええっ!!?
三角形を描こうとしたおれの両腕に、”吸盤のある触手”が巻き付く。
更に続けて、両脚にも巻き付く。
それは、まだ視点が定まらず正気ではなさそうなベルベットちゃんの背中から伸びていた。宿主である彼女の意向に関係なく、それ自体に意思があるように、おれを拘束し締め上げる”吸盤のある触手”が四本。
イテテ、放せ!! マジでヤバイ!! ヤバイってー!!
そうこうしてる間に、おれに向かって放たれる巨大な水球。
ら、らめ~~~!!
「ヤマダさん、何を遊んでいる?」
間一髪、目の前に【空間転移】で出現したナカジマは、おれの襟首を掴むと、さっきの地下室まで一瞬で【空間転移】した。魔法【黒手八丈】の”黒い手”と”吸盤のある触手”とで、おれと複雑に絡まった全裸のベルベットちゃんも一緒である。
床に足が着きホッとした次の瞬間、「ざっぱーん!!」と三角の窓から勢いよく水が噴き出した。おそらくは巨大な水球の端っこが、まだ次元の隙間へと開いたままの三角の窓にちょっとだけかすったのだろう。
ひゃぁ~危なかった。正直けっこうなピンチだったので、ナカジマ氏には感謝しかない。
だが、これだけは先に言わなければならない。
「こ、これが遊んでるように見えるかっつーの……! てか、このタコ足触手、なんとかして」
「ほいほい、かしこまりー」
タナカが痺れステッキで、おれに絡みついた”吸盤のある触手”を叩いた。
その度に、バチュン!! バチュン!! と電光がほとばしる。タナカの痺れステッキに付与された電撃は、”吸盤のある触手”に効果てきめん! そして水しぶきで湿ったおれにも、効果てきめん!
……い、痛いんじゃボケナスー!!
「おいタナカ氏、今の電撃でベルベット嬢のHPが残り一桁になってしまったぞ」
ナカジマが、スキル【詳細地図】を確認しながら言う。
おれだってHPけっこう減った気がするけど、今はベルベットちゃんの方が予断を許さない状況だろう。
ぐっと堪えて、おれはガリアンソードのギミックを作動させた。刃が細かく分解し、ムチ状に変化する。その場に座り込んだまま、数珠つなぎの刃をムチのように操り、まだ開いたままだった次元の隙間へと開いた三角の窓を横薙ぎにして閉じた。
よっし、封印完了っと。――イア! ダゴヌ様、あんたはまだそこで惰眠をむさぼっておいてくれよ。
「たいへんだぁー! ベルベットちゃん、死んじゃダメだぁー!」
ふと見ればタナカのヤツめ、ベルベットちゃんの控え目なおっぱいをむっくら揉みしだいている。
ふざけんな! そんな心臓マッサージがあってたまるか。ただ一応、心臓のある左おっぱいを揉んでいるのは、ヤツなりに体裁を取り繕っているつもりだろうか?
かと思えば、ベルベットちゃんの右おっぱいを揉んでいるお前は何なんだ、”黒い手”のヤツめ。……これって、おれがやってることになるのか? いや確かに、【黒手八丈】は、おれの魔法で、おれの尻から伸びた”黒い手”ではあるんだけども……、おれ自身には何の感触も伝わってこんのだと知って欲しい、誰かに。
「タナカ氏もヤマダさんも、そのへんにしておけ。彼女は【ジーナスの配下】だぞ? 関わらず、さっさと立ち去った方がいい。この場に放置するのもあれだし、なんなら私が二階で寝ている少年達のベッドにでも運んでやろうかと思うが、いかがか?」
おっぱいを揉みつつも、タナカが使用したスキル【肉体治療】で全快したらしいベルベットちゃん。
ナカジマの言うとおりかもしれない。もう命に別状はなさそうだし、貴重な前髪ぱっつんの清楚系美人さんではあるが、これ以上は彼女に関わらない方がいいと、おれのスキル【危機感知】も云ってるような気がする。知らんけど。
やがて”黒い手”が、ベルベットちゃんの股間の方に興味を示しだしたので、慌てて引き戻すおれ。名残惜しいけど、ナカジマ、彼女をさっさと運んでくれ。
ちょうどその時、ベルベットちゃんが小さく身じろぎし、目に光が戻る。
もしかしたら”黒い手”のヤツが、彼女の股間の奥の敏感な部分をいじくったせいかもしれない。これはイカン……。
おれ達三人の顔をゆっくりと見回すベルベットちゃん。
まさか、探しているのか? 股間の奥の敏感な部分をいじくった犯人を……!?
ち、違う……おれじゃない……いや、そうとも言い切れないのだが、おれ自身のこの手には何の感触も、一切、感触は伝わらなくて……!
――!!? むぐぅ!?
とっさにかわすこともできなかった。
なぜならおれは、ベルベットちゃんに唇を奪われていた。チューである。
全裸で前髪ぱっつんの美人さんに、突然キスされてしまったおれ。
あれ? あれれ? もしかして、彼女のピンチを救ったおれに、一目惚れ的な?
……いや。いやいや、まてまて。そんなうまい話などあるわけがない。
おれは知っている。世の中に、そんなうまい話などあるはずが……いや、あるのかもしれない。
だってほら、ベルベットちゃんてば、おれの口内にまでベロを入れてきて――ちゅばぁ。
おれのベロと彼女のベロが、――ちゅばぁ。
タナカとナカジマも、唖然としているようだ。
ぬふふ、羨ましかろう?
――ちゅばぁ。……ごくん。
おれは、ベルベットちゃんの甘い唾液を飲み込んだ。
……ん? なんかアメ玉みたいなものまで一緒に飲み込んでしまったような気がする。
アメ玉だよね? ……アハハ……そ、そうに決まってる。
だよね、ベルベットちゃん……?
おれの意識は、そこで途絶えた。