419 『ヒロインの条件~正月、王都にて①~』
「護国祭」最終日、深夜に王都を襲った大地震は、祭りに浮かれた人々の酔いを一瞬で覚まし、心胆を寒からしめた。
歓楽街や貧民街では、何軒かの古い建物が倒壊し、死者こそ出なかったもののケガ人二十数名が療養所や冒険者ギルドに運び込まれた。
また、南側地区の高級住宅街でも、高価な美術品が損壊したり、年代物のワインが棚ごと全壊するなどの少なくない被害が出ている。
特に激しく揺れた東側地区では、ネムジア教会中央神殿の大ステンドグラスが砕け、予定されていた新年の催しは別会場を用意する必要に迫られるだろう。
ただ、そんな直接痛い目をみた者達を除けば、大部分の人々にとってそれほど深刻な事件とは受けとめられず、朝を迎える頃には、深夜の大地震は実際にあったことなのか夢だったのか曖昧な記憶となって、やがて忘れ去られていく。
当然のことながら、大地震の原因が王都の地下大空洞で起こった”魔王発生”と、その”討伐”であったことを知るのは、ごく一部の関係者のみである。
年が明けた。
ネムジア教会の神殿騎士達にしつこく事情を聞かれて、ウルラリィとジェイDバックが帰宅を許されたのは明け方になってからのことだった。
「お、おねえぢゃん!!」
「ドリィちゃん!! ……心配かけだね? もう大丈夫よ」
パン屋の店先に立って一晩中帰りを待ち続けていたドリィが駆け寄り、涙ながらに抱擁する犬耳姉妹。勢いよくパタパタ振られる尻尾と尻尾。
ドリィに付き合い店先に座り込んでウトウトしていた肉屋のロミオも、その声に飛び起きて二人を出迎えた。
「アンタ達無事で良かった。でかい地震もあったから、心配してたんだよ」
……ああ。と、言葉少なく応じるジェイDバック。”百人斬り”の異名を持つ彼にとっても昨夜の戦いは想定外の大騒動だった。さすがに疲労の色が隠せない。
「おねえちゃん、旦那は? ヤマギワの旦那は一緒じゃないのけ?」
「……あの人はおっ死んだで。脚さ切られで、みっともなぐおしっこ垂らして……、死んじゃったんよ」
「そ、そんな……!?」
「もういいじゃない、忘れてしまいなさい?」
「ウルラリィ、ヤツを……ヤマギワを侮るな」
「……!?」
「……!?」
姉妹の会話に口を挟んだのはジェイDだった。
意外な言葉にそれぞれ別の意味で耳を疑う二人。
「ヤマギワは誰よりも勇敢に戦っていた。あの男を侮るな」
「だども……」
「この鼻に賭けて保証する、ヤツは死んじゃいないさ。そして多分……いや、俺の予感はよく当たる」
その静かな声には断固とした響きがあった。
ジェイDはヤマギワのことを正当に評価していると、ドリィは感じた。彼がイケメンというだけで、姉に言い寄る軽薄な男の一人だと思い込んでいた自分を恥じた。そんな自分は、ヤマギワを見た目だけで怪しみ嫌った姉と同じではないかと、反省した。
だからドリィは、ジェイDに言い忘れていた言葉を遅ればせながら言った。
「えっと、あの……ジェイDさん、おねえちゃんのこど助けでくれてありがとう」
「……ああ。気にするな、同族のよしみだ」
ジェイDは少しだけ微笑み、そう言った。
***
ネムジア教会中央神殿、大司教の執務室では、”魔王発生”から”討伐”に至る昨夜の騒動について、聖女アイダと大司教ユーシーによる報告書のとりまとめがとり急ぎ行われていた。
王城へ既に一報は入れたが、事が事だけに、昼前には国王に謁見し直接詳しい顛末を報告しなければならない。
二人共昨夜から一睡もしていないが、眠っている暇は無かった。
「従兄弟だと!? バカな、お前はそれを信じたのか!?」
「だ、だって、”全裸、緊縛、一晩中”って考えてたし、ヤマダさんだったら”おっぱい、おっぱい、おっぱい”って考えるはずだから……」
「やれやれ、ユーシーお前ときたら――いいか? ”おっぱい”はタイプ、”緊縛”はプレイだ。そしてあえて付け足すなら、”全裸”と”一晩中”はシチュエーションと言えなくもない。それらは並び立つものであって、決して相反するモノではないのだ。解るか?」
「だったらなんで私を無視してっ!!? クリスティアさんやヘルガさんとばかり仲良くっ――!!?」
「ふむ……ユーシー、お前また『秘技大司教プレッシャー』とかでヤマダを威嚇したんじゃないのか?」
「そ、それは……だって……」
「そもそもタイプが”おっぱい”と一口に言っても、大きいのか小さいのか、はたまた乳首にこだわりがあるのか何とも判然としないではないか? それにあれだ、”おっぱい”好きが”尻”嫌いとは限らん。たいていは、どっちも好きだ」
「そ、そうです! ヤマダさんは、私の”尻”が大好きだと常々こぼしていましたし――!」
「えっ、そのだらしない尻をか?」
「だ、だらしなくない!」
「……そういえばユーシー、今日は三十歳の誕生日か。おめでとう」
「なんで今言ったんです!?」
「それはまあそれとしてだ……ともかくヤツは、シラカミ部長にはヤマダと名乗っていたわけだし、私は怪しいと踏んでいる。要するに、ヤマダとヤマギワは同一人物かもしれない」
「……ああ、ああもう、三十歳。ヤマダさんはどっか行っちゃうし、私はこんな所で何をやってるの?」
「何って、王に上げる報告書のとりまとめだろうが。さっさと終わらせないと、午後からもなんだかんだと予定が詰まってるぞ」
「お仕事お仕事お仕事お仕事、もう沢山です! 今年こそ私、仕事を辞めて、シレンタ村で静かに暮らすの。イーハ湖の畔を子犬の散歩がてらヘビーキャンサーを捕まえて、週に一度はカニ鍋を囲むのよ。食後はちょっと広いお風呂にみんなで浸かるの、私と赤ちゃんと子犬と……だ、旦那様と」
大司教ユーシーも聖女アイダも疲れていた。
ユーシーは三十歳の誕生日を迎えて、ついつい女として人生を考えてしまう。
アイダもまた、来月には同じく三十歳の誕生日を迎えるので他人事ではない。
仕事は、なかなか進まない。
「そういえば聖女マリカがいつか言ってたな、三十路を過ぎると季節が倍速で過ぎ去っていくそうな」
「ううっ……イヤな話を聞きました。聖女アイダ、ぼやぼやしないで! こんな仕事、三倍速で終わらせますよ」
「……ああ、同感だ。先ずは関係者の話を聞いて不足する情報を補っていく」
「文字通り教会の足下で起こっていた事件だったというのに、私達は完全に後手にまわったと言わざるをえません。エメリー・サンドパイパーとサルディナ・マングロブ、二人の元大司教が関与していたことも含めて、世間の非難は免れませんね……」
「後手にまわったが故に情報が足りない――しかしだ、今回の騒動の陰で暗躍していたあの男”ヤマギワ”と、どういうワケか最初から行動を共にしていたのが聖女マデリンだったらしい。だから先ず最初に……」
その言葉をアイダが言い終わる前に、「聖女マデリンを呼んでください」とユーシーは言った。
***
巨乳のウロコ嬢カサリナは見知らぬ部屋で目覚めた。
「……ここはどこですかー?」
それほど広くはないが落ち着いた照明に照らされた小綺麗な一室。
窓には厚手のカーテンがかかり、昼か夜かも判然としない。
スプリングの効いたベッドからは、ほのかに石けんのいい匂いがする。
そこまで考えてカサリナは思い至った、少し高級な連れ込み宿に違いないと。
似た様な場所を、仕事で何度か利用したことがあった。
慌てて身なりを確認するが、衣服は身に付けている。とりあえずホッとするカサリナ。
ただし、その服は血とホコリに汚れてボロボロだった。
ヤマギワ達に騙されて地下牢に閉じ込められたカサリナだったが、スキル【溶解液】で鉄格子を溶かして直ぐに脱出し後を追った。
一階フロアーへと続く階段を登る途中、階段が肉色に変わった。
生肉と化した階段に足をとられ、ぐにゃりとたるんだ壁と天井に押し潰されるカサリナ。
彼女の意識はそこで途切れた。
そのまま肉塊に潰されて圧死するはずだったカサリナだが、右胸に埋め込まれた「ヒドラの魔石」の特性【超回復】が彼女を生かした。
ベッドを出たカサリナは警戒しつつ部屋を出る。扉に鍵はかかっていなかった。
廊下に出て、わずかな明かりを頼りに進む。
突き当たりのドアを、覚悟を決めて開けた。
「ひぃいぃっ!?」
必死に押し殺そうとした悲鳴だったが、思わず声がもれた。
尻! 女の生尻が、カサリナの目に飛び込んできた。
ローテーブルに手を着いて尻を突き出した女と、それを見下ろす男が二人。リビングには、三人の男女がいた。
「おや、気がついたんですねぇ? カサリナねえさん」
振り向いたのは、クモの魔物「ディープスパイダーの魔石」を右胸に埋め込んだクモ男アンバーだった。
落ち着いてよく見直せば、他の二人も顔見知りであることに気付くカサリナ。
「あ、貴方達ぃ!? ナナナ、ナニやってるですかー!?」
「ぬぐふぉうぅ、ハァハァ……ナニってナニさ? これがヒヨコの鑑定でもしてるように見えるってのかひぃぃいぃ!」
「ああっ、良かったカサリナさん! 代わってくださいよ! 僕にはちょっと、この役目は荷が重すぎる」
生尻を突き出した女は、諜報部教官のスズカ・シリカゲル。その尻穴を歯ブラシでほじっくっているのはネコ耳美少年マギーだった。
二人がナニをしているのか、少なくともカサリナには理解できなかった。ひょっとすると、ヒヨコの鑑定ごっこなのだろうか?
「ハァハァ……ご、ごちゃごちゃ言ってないで、男らしくさっさとやりなよ! アタシがこんな目にあってるのは、アンタのデカチンのせいなんだから!」
スズカに命令されるまま、尻穴をほじくるマギー。歯ブラシを抜き挿しする加減を誤ると、こそぎ落とした残滓が飛沫となって「ぶばちゅっ!」と飛び散り顔にかかる。
「ううわああっ、き……汚ない!! もうっ、だからそれは僕じゃなくって、僕に変身したマデリンのヤツがやったんでしょ!? なんで僕がこんな目に……」
「くそっ、もじゃリンのやつめ……くそっ、くそっ……ハァハァ……」
そんな二人の様子を、アンバーは少し離れた安全な場所で見守っていた。
手で口元を覆い、悪臭に少し顔をしかめる。
「尻穴に何か塗られたようでしてねぇ。聖女マデリン、諜報部出身とは聞いちゃあいましたが、なかなかの食わせ者だったようで――」
「はぁ、そう……」
「だいぶましにはなってきてるんですが、昨夜からずっとあんな調子でサカってるもんで、ぜんぜん話になりませんでしてねぇ。カサリナねえさん、なんかいい案はないですかい? 経験豊富なところでひとつ」
「はァ!? バカ言うなです……要は、強力な媚薬かなんかってコトですか? 知らんですけど、シャワーヘッドを直に突っ込んで洗えばどうです? 何にせよ、リビングでヤル事じゃねーと思うですけど」
「あ、確かに。スズカ教官ならいけるんじゃないの?」
「いや、さすがにそれは……いやいやいや…………いや、入るか?」
え、マジで? と、呆気にとられるカサリナを残して、スズカとマギーは風呂場へと去って行った。
アンバーはキッチンへ行き、やがてお盆を持って戻ってくる。
お盆の上には、二人分のお雑煮とフォークが乗っていた。
「餅を食いましょうぜ、正月ですし」
「ここってどこなんです? 部屋にお風呂まで付いて、まるで高級ホテルですか」
「スズカ教官のお部屋だそうで。彼女のご実家は、王都に不動産を多く所有する豪商ですからねぇ。なんでも、フダツキの不良少女だった教官がネムジア教会に就職したのをご両親が大層喜んだそうで――お祝いにこのマンションを譲り渡したんだそうですぜ。……クククッ、いろんな意味で温けぇ話じゃねぇですかい?」
「シリカゲル家の関係ですか。……つまり私達は敗走してここに逃げ込んだですね。そういえば、エリナちゃんの姿が見えないですが? テッド君やバルダーも、捕まったですか?」
「エリナさんは恐らくそうなんじゃねぇかと――。テッドとバルダーの野郎どもは死んだらしいですぜ――ああそうそう、残念ながら御前様もお亡くなりになりましたよ」
「…………そうですか。……そうですね、エリナちゃんにとっては、むしろそれで良かったようにも思えるです。――あ、お雑煮いただくです」
「ちょっと意外な反応ですねぇ、あんなに必死に戦っていらっしゃったのに」
「御前様へのご恩は、確かに死んだって返せるものじゃねーですけど……だったら、何回死んだら終わるです?」
「クククッ……フフフ……」
「……?」
「――っうほぅ!! うっほおぉぉう!! ほほぉう!! ほほほおぉぉぉぅう!!」
ちょうどその時風呂場から聞こえてきた奇妙な声に、アンバーの言葉はかき消された。
――そんなこと恩知らずの俺に聞くんですかぃ?
***
「それでは、それじゃあ大司教様、聖女アイダ様、ごきげんようです! あーあとあと、私、普通で平凡な女の子に戻りますのでっ、よしなにー!」
一通りの事情聴取を終えた聖女マデリンは席を立つと、ついでに退職願を大司教の執務机に置いた。
呆気にとられる大司教ユーシーと聖女アイダに向かって「たいへん、たいへんお世話になりました~!」と、もじゃもじゃ頭をブンブン下げながら、二人が呼び止める間もなく執務室から退室していく聖女マデリン。
「くっ……このクソ忙しい時に、なにが普通で平凡な女の子ですか、クソっ!」
「クソクソと下品だぞ、くそプリ・ユーシー。……しかし、新年早々に退職願とは、各支部の配置換えのことなど考慮すると絶妙なタイミングと言えなくもない。案外計算高いな、あの女」
「ふん! そう簡単に受理してやるものですか。ただでさえ、ラダ、デイジー、グレイス様、セリオラ様がいなくなって、十二聖女はスカスカだっていうのに! あと、”くそプリ”は止めなさい? 【世界破壊】するからね?」
「おいばか、指で長方形を作るな。こっちに向けるな、シャレにならん――」
「ふん!」
「――そういえば、あの聖女マリカが外泊したという話は聞いたか? ほれこの間の決闘の時、全裸騒動のどさくさに、密かに狙ってた年下の神殿騎士とカップル成立してたらしい」
「ええっ、あの聖女マリカ様が!? 外泊って……!?」
「新年の行事が一通り済めばミース支部に戻ることになるわけだから、そうなれば二人は離ればなれだ」
「ちょっとまって、まさかマリカ様まで聖女を辞めるとか!?」
「ことによるとな。確か今年36歳だったか、誰が彼女を止められようか?」
ぐぬぅ……と、言葉を飲み込む。同じ女として、仕事だけが生きがいのお堅い女とばかり思っていた聖女マリカの幸せを願わずにはいられないユーシーだった。
マデリンの退職願に一応目を通すユーシーを横目に、聖女アイダは冷めた紅茶を飲み干す。
「それにしてもだ、『ヤマギワ』が『ヤマダ』の複製体とはな。伝説のスキル【世界創造】ならば、そんなことが可能なのか?」
「さて……確かに、【世界創造】は万物を創り出すといわれていますが、スキルで人一人を創り出すなんて……」
「だが、エメリー・サンドパイパーの残した生体ゴーレムのような例もある。クローン技術といったかな? 本来は肉体だけを同じ設計図で創り出すような技術で、ココロや記憶は全くの別物のはずなのだが、何体かの生体ゴーレムはどういうわけか生前の記憶を取り戻しつつあるらしい。伝説のスキルなどなくても、複製体は創れるのかもしれないということだ」
「それよりも、聖女マデリンがかつがれたという真相の方が簡単なのですけど」
「その場合ユーシー、お前もな? ――ただ、コワい大司教様はともかく、マデリンをヤマダが騙す意味などないだろう? あるいは、マデリンが私達を騙そうとしている可能性もなくはないが……そんなことをして、なんの意味がある?」
「……意味が解りませんね」
「そういうこと。言葉どおり、あれはスキル【世界創造】で創り出された『ヤマダ』の複製体『ヤマギワ』という別人なのだと素直にとっていいと私は思う」
「どっちにしてもアイツめ、従兄弟なんてウソを――」
「それを始めに言ったのは、『氷柱の勇者』様じゃなかったか? 彼女とヤマギワは親しいのか?」
「どうやら次は、ヘルガさんに話を聞く必要がありそうですね」
そう言ってユーシーは、マデリンの退職願を丸めてゴミ箱に捨てた。
***
『王都の大迷宮』――その広大な地下空間は、王都の外周よりも広く、境界の山脈の標高よりも深い。
9階層、東方面の回廊には異様な臭気がたちこめていた。
白く粘ついたゲル状の物体が、回廊の端から端まで、壁や床にべったりとへばりついている。
それは昨夜、天井に開いた上階へと貫通する大穴から突然吹き出して飛び散ったもので、自然発光するダンジョンの薄い光に照らされてヌラヌラと未だ瑞々しさを保っていた。
階層のメインストリートから大きく外れたその回廊を行き来するものは、彷徨う死霊かデカローチの群れぐらいで滅多にいなかったが、その日は数年ぶりにその場所を訪れる者があった。
スキル【転送】で突然回廊に現れたのは清楚系黒髪の美女、生体ゴーレムのベルベット。彼女がその場所を訪れたのは、当然ながら偶然ではない。
異臭に美しい顔をしかめつつ、白く粘ついたゲル状の物体を踏まないように足下に気を配りながら回廊を進む。
「……臭い、汚い」
しばらく探索を続け、やがて目的の物を見つけて立ち止まるベルベット。
嫌悪感に顔を背け、床に溜まった山盛りの白く粘ついた物体の中に恐る恐る手を差し込む。
ねちょり……と、ベルベットが黒髪と片頬まで汚してまで拾った物は、赤褐色の小石――王弟ジーナスの人格が宿る魔石であった。
魔王アバランに寄生し魔王を意のままに操った王弟ジーナスの魔石だったが、大司教ユーシーの【世界破壊】で消滅させられる直前、まだ床の大穴に挿し込まれたままだった「魔王の尻尾」を通じて階下の9階層へと射出されて消滅の危機を逃れていたのである。
「……ああ、髪が……臭い、汚い……」
一言つぶやいたベルベットは、現れた時と同じようにスキル【転送】で忽然と姿を消した。