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04話 バスクア王

〜バスクチャーノ帝国 城下町〜


俺は今、護衛軍の1人リーンさんと共にバスクチャーノ帝国の王であるバスクア王に顔合わせをしに行く任務を任されている。初めて護衛軍に入った人は王に1度は挨拶をするというのがしきたりらしい。城下町はエンド王国に引けを取らないくらいの賑わいを見せていて商店が軒を連ねている。


リーン「バスクチャーノ帝国はエンド王国ともっとも古くから交流を続けている友好国です。プログ王とバスクア王はかつて勇者として魔王と戦い、幹部たちを壊滅状態にしたという逸話があります。」


アシル「魔王ですか・・・」


リーン「ええ、魔王は今もこの世界に生きています。護衛軍の殆どは元冒険者ですがあくまで任務はモンスターから人々の平和を守ること。自分から倒しに行った方はいませんね。もし行くなら私がまず

止めると思います。」


アシル「リーンさんはどうして護衛軍に?」


リーン「私はモンスターによって母も父も殺されてしまいました。私だけ命からがら逃げ出して、街で物乞いをしていたところをプログ王に救われたんです。それから私は心に誓いました。もう愛する人をモンスターの手で奪われない様に私が誰よりも強くなると。」


アシル「自分は生活費を稼ぐために入軍しました。リーンさんのように立派な理由じゃなくて恥ずかしいですが、精一杯が頑張ります!」


リーン「いえ、立派な願いですよ。この世界は魔法もあるし冒険者になってクエストを受ける人ばかりで、働こうとする人自体が少ないですから。アシルさんはとても芯のある人だと思います。」


アシル「いえいえ、そんな」


シックス「リーンさん!城下町で装備を買ったりしても大丈夫ですか!」


リーン「任務中は基本的に自由時間はないのですが、仕方ありませんね。15分の余裕があるので、ここに再集合しましょう。」


シックス「ありがとうございます!アシル!武器買いに行こうよ!」


アシル「そういえばエンド王国では買えなくてごめん。買いに行こうか!」


〜バスクチャーノ帝国 門前〜


ナズナ「これがプログ王から預かった伝言書だ。」


門番「ふむふむ、プログ王からの手紙で間違い無いな。王は20分後にそちらに新しく入った新人との面談が終わり次第伝えられるようにしよう。」


ナズナ「よろしく! ・・・タケヒコ!ロロン!今回の私らの任務はこれで8割終わりだ!」


ロロン「えぇ!?」


タケヒコ「マジですか・・確かに昨日の大雑把な内容からは簡単な任務だと思っていましたが、全くその通りでしたね・・・」


ロロン「ながたびでつかれたよ〜」


ナズナ「あとはバスクア王に新人の顔を見せたらエンド王国に帰る。みんな城下町で各々装備を整えて夕方には馬車に乗り込んでおいてくれ!わかってると思うが何かあったら打ち上げ花火を打つ!OK?」


タケヒコ「了解ボス。」


ロロン「はいよー」


〜バスクチャーノ帝国 王の菜園〜


バスクア王「ふははは!よく来たな若人!我は第4代目バスクチャーノ帝国国王バスクア・クロアだ!

プログのやつ!また良い冒険者を雇ってきたな!本当に鼻の効く男だよ!ふははは!」


アシル「面談心より感謝します。アシルです。」


シックス「シックスです!」


バスクア王「アシルはあの凶暴な決闘者ニグマを退けたらしいな!奴はたしかに強いが善悪に頓着がなく邪魔なやつは消すタイプのやつだ!我がバスクアウォーリアの猛追をみごとに掻い潜って逃げたこともある。アシルも相当つよいはずだ!」


リーン「まだ合同での戦闘経験はないですがプログ王のお墨付きらしいのでかなりの活躍が見込めるかと思われます。」


バスクア王「それで、今回はどんな用事でこられた?わざわざ護衛軍を一つの首都に集めてまで」


リーン「詳細は分かりませんがプログ王からの伝言を魔法瓶に入れてお持ちしました。リーダーのナズナが護衛も兼ねて届ける予定です。」


門番「失礼しますバスクア王!さきほど護衛軍より届けられた伝言の書面をお持ちしました!」


バスクア王「話をしていれば丁度いいところに!さっそくここで読ませてもらうぞ!・・・!?・・・なるほどな!やはりプログのやつ冴えてやがる!ふははは!・・・すまんな!内容を話すことは出来ないがプログに口頭で伝えて欲しい!「了解した」と!」


リーン「かしこまりました。またお会いできる日を楽しみにしておりますバスクア王。」


俺とシックスはリーンさんの影に隠れるようにそそくさと城を出た。それにしても伝言の内容はなんだったのだろう・・・。読み終わったあとなんとなくシックスをじっくり見ていた気がしたけど。まさかモンスターって事がバレたわけじゃないと思うが。


〜バスクチャーノ帝国 城下町〜 15分前


シックス「私はハンマーを買うことにするわ!こう見えて私も力には自信があるんだから!それでさっき見つけたの!このダイアナメイスを!」


武器 ダイアナメイス 攻撃力 80UP

心清らかな戦士だけが変幻自在に使いこなせると言われるハンマー。

価格:7200ゴールド


アシル「護衛軍所属のお祝いをプログ王から貰ったからお金には心配しなくていいからね!このハンマーならゲーム終盤でも使えそうな性能だからこれでいい感じだね。」


シックス「ゲーム終盤?」


アシル「えっ!?あっいや!なんでもない!店主に代金払っておくから試し打ち用人形にさっそく使ってみるといいよ!」


すっかり忘れてたけどメタ的な発言をうっかりしてしまった。この世界の住民は普通に生活してるけどやっぱ俺の中ではまだVRゲームの世界って印象が抜けきらないから時々こんがらがってしまう時がある。今後は気をつけておかないと。


シックス「アシルもなんか武器買おうよ!これから護衛軍として戦う事があると思うから、きっと良いものがあると思うよ!」


アシル「料金を支払う時に一緒に考えてみる。リーンさんにはすぐ戻るって言ってね!」


〜バスクチャーノ帝国 武器屋〜


店主「らっしゃい旦那。代金の支払いだね。ありがとう」


アシル「代金をまず。実は自分も武器を探してるんだが中々ピンとくるのが思い浮かばなくて、よかったらオススメを聞きたいのだが」


店主「それなら最近仕入れたばかりの掘り出し物があるよ。"真髄の笛"という代物さ。こいつは使う者の固有スキルを音属性にして飛ばす事ができる。笛の音を聴いた者にのみ効果が発動する。炎の使い手が笛を吹いたら周りにいる山賊の耳が焼け落ちたっていう噂もある。効果が無差別で危険だからってうちみたいな小さな武器屋に流れてきたわけだ。正直私には使い道がないとは言い切れないものです。」


アシル「真髄の笛・・・」


無差別な属性付与音攻撃ということか。かなり強力だし何せ吹くだけで効果が発揮されるなら俺でも使えるかもしれない。お金に余裕があった俺は最終的に買うことにした。


アシル「買わせて貰おう、料金は?」


店主「サービスで1000ゴールドで売ろう。売る側の俺がいうのもなんだが、こいつはSランクの高級武器だ。普通はSランク武器は10000ゴールド以上で取引されてるが、こいつはその中でも異質な一品だ。引き取ってもらえるだけでもありがたいよ。」


俺は代金を払い真髄の笛を装備した。笛には紐が付いてて首にかけてネックレスの様にした。白く美しいがびっしりと古代の印が刻まれている。シックスのいる前で吹くことはできないがビビッときたものがあったのでやむを得ない。


店主「まいどありがとうございました!」


こうして俺の護衛軍としての初任務が終了した

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