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勇者高校勇者部部長の新道耕筰くん  作者: キサト レン
第1章勇者高校
9/11

勇者部部長の保護施設

 「神様」は明瞭で綺麗な声で開口一番こう言った。

「葛巻裁判長、これは一体どういうことです?何故、私達に報告せず勝手に裁判をしているのかしら?」

すると葛巻とか言う裁判長は焦ったふうにこう言った。

「戸塚様……!こっ、これはですね。一刻も早くこの者を裁いたほうがいいと思い…」


「黙って下さい。私達は言い訳を聞きに来たのではないのです。」


「しっ、しかし戸塚様!あの者は品川という優秀な勇者候補を殺しているんですよ?将来有望な勇者候補を殺害するのは重罪では?」


「………お前、私が黙れと言ったのが聞こえなかったのか?」


瞬間その場が凍った、比喩ではなく本当に、その場に居た僕と葛巻以外の人が凍ったのだ。

「何か……言い残すことは?」


「み、見逃してくれ!かっ…金ならいくらでも積む!だから……」

この呆れた言動に対し「神様」は呆れきった表情を返した。


「結局何も吐いてくれませんでしたか、生憎ですが、あなた以外にも重要参考人はいるんです、その重要参考人も今確保したと連絡が入りました。意味……分かりますよね?」


「ひぃっ!ひいいい!たっ、助けて!カルーノ様ぁぁぁ!!」

葛巻はそう叫びながら、凍った。その顔は人間とはとても言い難い程に歪んでいた。

「やはり……魔族と内通してましたか……」


「あの、助けて頂いてどうもありがとu」


……殴られた、グーで……

____あれっ?このやり取り何処かで……


「ばかっ!何やってんのよ!やってないんならやってないってはっきり言いなさいよ!」


「きっ……君は……!」

きみは…!

き……み……は……?

「誰?」

「ふんっ!」

「ぐほぉぁ!」

僕の首にきれいな蹴りが入った……新パターンである。

「私よ!わ·た·し!覚えてない!?」

「すいません……」

「ちょっ……本当に覚えてないの?」

「はい……」

すると「神様」は少し寂しそうな顔をした後こう宣言した。


「新道耕筰さん貴方の身柄を一時保護します。」

※※※※※※※※※※※


 僕を保護してくれるという施設に車らしきもので行く途中、僕はいろいろな話を聞かされた。


「まず、自己紹介からね私は戸塚あみ、貴方にこの前の朝ぶつかった者よ。」


………へっ?


「そんなバカな!あの阿呆そうな美少女がこんなごふぅ!!」

「口を慎みなさい…?私これでも勇者業界では地位が高いほうなのよ?」


ふふふ……見事な右ストレートだお前なら世界だってねら……え…る

「起きろ!!」

「ナキッツラニハチ!!」

また殴られた。こいつ……正確に鳩尾を狙ってきてやがる!!

「……?なき……?なんて?」

「いや……なんでもない……ところで戸塚様」

「様はつけなくていい、特別にタメ口を許可してあげるわ」

こいつ……どんだけ上から目線なんだよ、腹立たしいを置き去りにして笑えてきたわ。


「じゃ、遠慮なく……疑問その一戸塚、君は生徒じゃなかったの?」


「正確には派遣社員というものよ」

「なんの為に派遣されたんだ」

「さっきの葛巻裁判長のように魔族と内通している者がこの辺りで多数目撃されてんだよ。」


なるほど……それで内通者を見つけて来いと……


「ではでは、疑問其のニ、戸塚…君は裁判所で葛巻を問いただしている時、私「達」と言っていたねこの発言から君は何かの組織に属していると想定できる。」


君は一体なんの組織に属しているんだ?


よくぞ聞いてくれましたと言わんばかりに戸塚の顔が輝いたのはその疑問を口にした瞬間からだった。

「え?戸づk」

「私達は誇り高き賢者の末裔だけで組織されたグループなの!その名も、エルクシア!」

………ったく、人の話は最後まで聞かんか……えー、何何?賢者の末裔だけで組織されたグループ?へー……すごそうだねそのグルー………


「すごいなんてもんじゃねぇ!!」

「ひうっ!?急に大声出すんじゃないわよ馬鹿!」

賢者の末裔だよ!?賢者!!これが叫ばずにいられるものか!これで……!これで……!

「僕の記憶を取り戻せるんだな!?」

「は?賢者の末裔だけだっていうだけで記憶改竄レベルの呪いは解呪できないわよ?もっとちゃんと修行しないと……」


あっ……そういうとこはしっかりしてるんだ、ふぅん、えっ…?別に悲しくなんてないよ?どうせ一週間後には賢者がこの国に来てくれるんだから!


「……にしても賢者は少ないのに賢者の末裔はたくさんいるのな」

「貴方……賢者が何万年前からいたと思ってるの?そりゃあ子供の数だけなら増えるわよ……賢者になれる人は極少数、それに修行しない人もいるし……」

ふぅん……で今世界で活躍している賢者はその極小数の人達というわけか……

「っと……ついたわよ、降りて」

急に事務的な口調に変わった戸塚を不審に思ったがそんな思いは今目の前にある建物を見て消え去った。


「ようこそ、勇者保護施設カルカッゾヘ」


そこには高さ七百はあろうかとおもわれる、超高層マンションが立っていた……

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