表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

動物園のパラドックス

作者: エノキダケ

 私は動物園の飼育員。毎日毎日、動物のお世話に追われてる。

 ここの動物園はとても人気。なぜなら動物たちが元気だから。他の動物園みたいに、動物たちをオリに入れない。とっても広い場所に、野生と同じような場所に、動物たちを入れている。

 お客は言う。「ごらん、動物たちが動いてる。とても元気に動いてる。ここは良い動物園だね。動物に優しい、良い動物園だね」

 だけど私はいつも思う。「良い動物園? ナニソレ?」

 私は動物が好き。だから飼育員になった。だけど決してぬぐえない疑問がひとつ。

「私が懸命に奉仕しているのは、動物? それとも、人間?」

 仲間は言う。「動物たちのために」

 私は思う。「本当に?」

 動物が元気になればなるほど、お客は笑う。だって誰も、動物たちの悲しい姿を見たくない。オリに閉じこめられた姿を見たくない。お客が見たいのは、動物たちの自由な姿。楽しい姿。面白い姿。

 動物たちを野生から連れてきて、野生に似た場所に入れる。誰かが聞く。「何のため?」仲間は言う。「動物のため」

「ナニソレ? おかしい」

 私は思う。そして笑う。

「私が懸命に奉仕しているのは、動物?それとも、人間?」

 決してぬぐえないパラドックス。

制作時間約10分です。ちなみに作者は飼育員じゃありません。すいません。テレビを見ていて感じたことを、詩っぽく書いてみただけです。読んでくださり、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ