表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩集 寂しさにたへたる人の

魚の涙

作者: 小日向冬子
掲載日:2015/04/15

裏切りにさえ足りないほどの

かすかな爪痕が


儚く消えてしまう前に

息の根を止めてみせる


はやる気持ちを宥めすかして

尖った心を粉々に砕いて

やり切れなさと折り合いをつけて

淋しさを言いくるめて


どこでもないどこかに

そっと手放せば


深い水の底で

目の見えない魚たちは

散りばめられた僕の欠片を

ごくりごくりと

飲み込んでいくだろう


そして

重い腹を抱えたままで

静かな泥に埋もれて眠り


硬い鱗を揺らしながら

正体のない悲しみに

ひっそりと涙を流してくれるだろう


僕は

過ぎ去った季節になど

てんで気付かないふりで


何食わぬ顔をして

遠く水面に散った

淡い花びらを眺めていればいい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 深い海の底で口を開けている魚の姿が浮かんできました。 作品全体にひろがる静けさが好きです。 どうしようもできないやり場のない深い悲しみを感じ、 本当に悲しい時には、人は泣くこともできな…
[良い点] 「重い腹を抱えたままで 静かな泥に埋もれて眠り」 が良かったです。沈鬱な重みを感じます。 [一言] もっといろんな詩を読ませて下さい。楽しみにしています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ