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王女の密会3

「ミュレイ。貴方には悪いけど王国騎士団を連れてリブラ帝国に向かってください」

「リブラ帝国?そこってマケイラ様が向かったよね?」

「……ハバト・マケイラ様は、キレナイ公国軍との戦闘で重傷を負いました。キレナイ公国とは講和したようですがまだ隣接する三国との戦いは終わっていません」

「そんな……」


 ミュレイは驚いているがそれはサジタリア王国の上層部は皆同じ気持ちでしょう。私だって信じられないのですから。キレナイ公国の軍人は戦士と呼ばれ一人一人が一騎当千の実力の持ち主であるとは聞いていましたが勇者を退けるほどとは思ってもいませんでした。

 でも、彼の国の歴史を考えれば妥当なのかもしれませんね。何せ、今よりも強かったサジタリア王国とリブラ帝国相手に戦い、今の領土にまで勢力を広げた都市国家(・・・・)だったのですから。西方諸国にはこういった国が多いと聞きます。そんな国々と争っているヴァーゴ王国はひょっとしたら強いのかもしれませんね。12大国と婚姻関係を結んで国家を存続させてきたという評判しか聞かない国ですが絶世の美女とは言え勇者を保有する国ですからね。


「ついでに王都西方の村、シェダル村の調査もお願いします。報告では孤児院に住んでいた二名(・・)を除き全滅したと聞いていますがもしかしたら生き残りがいるかもしれません。それに、ゾンビが完全に駆除できていない可能性もあります。注意してくださいね?」

「分かりました!シェダル村の調査をしてリブラ帝国で敵をやっつければ良いんですね!今度はきちんと褒賞が出るようにお願いします!」

「ええ、勿論よ。これはきちんとお父様に認めさせるから」

「やったー!では行ってきます!」


 褒章が出るようにすると言ったらミュレイは後の話も聞かないで飛び出していってしまった……。まだ、報告したい事はあったのですが……。


「西方魔族連合が隣接する三国を支援している可能性がある、か……」


 可能性は低いでしょうけど西方魔族連合の介入にも気を付けないといけませんね……。


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