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決着の時

「あ、ああ……!」


 刀の根本付近まで深々と突き刺さる今の状況にクレイナスは思考が追い付いていないようだが直ぐに気づき俺を見るが同時に口から大量の血を噴き出した。


「ゴフォッ!グ、ぎざま!」

「っ!」

「あ”あ”!」


 残った右腕を俺の方に向けてきた為俺はとっさに刀を下に引きながら抜く。そうすれば心臓を上部に縦の切り傷が生まれた。まさかの反撃にクレイナスはその場に崩れ落ちる。身体強化をする力も無いようで先ほどまで体を覆っていた紫のオーラは消えていた。


「ぢ、ぐじょう”!」

「クレイナス。ここまでだ」


 切られた箇所を抑えながら声を出すクレイナスに俺は刀を向ける。刀の切っ先が自身の顔に向けられている事を把握したクレイナスは痛みと悔しさで顔を歪めさせながら俺を睨みつけてきた。しかし、既に彼女には戦闘を継続する力はもはやないだろう。


「……まだ、終わっていませんわ!」

「っ!」


 クレイナスは突如立ち上がると俺とマグカルドの頭上を越えて孤児院の中に入っていった。慌てて俺とマグカルドはその後を追いかける。逃げ場がなく、外よりも狭い孤児院に入る理由なんて一つしか考えられなかった。

 俺が孤児院に入ると同時に扉が破壊される音が響くと同時に子供たちの悲鳴が聞こえてくる。間に合ってくれ!と願いながら破壊された扉、子供たちの部屋の中に入ると、


「あ、ああ……」

「うぅ……」


 クレイナスに攻撃されたのだろう、うめき声をあげながら地面に倒れ込む子供たちと


「い、いやぁ……!」


 リーンの後ろに立ち左手で首を掴むクレイナスの姿だった。


「リーン!」

「ふふ、動いたら首を折りますよ?」


 とっさに近づこうとした俺をクレイナスが牽制する。

 ……普通ならここで立ち止まってしまうのだろう。人質を取られた場合の行動は皆一緒だ。クレイナスもそれを狙い逃げる時間や回復の時間を得ようとしていたのだろう。



 だけど、



 俺はそのまま(・・・・)向かって行った(・・・・・・・)。まさかの行動にクレイナスは目を丸くして固まっている。俺はそれを見逃すことなくリーンに当たらないようにしつつ刀をクレイナスの頭部に振り下ろした。


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