表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/249

魔王軍幹部との死闘・四

「さて、そろそろ止めを……。あら?」


 クレイナスが黒い球体を四つ生み出し俺に放とうとして来る。しかし、その黒い球体は後方から放たれた水の球により貫通し吹き飛んだ。突然の事にクレイナスは目を丸くして驚くが直ぐに後ろのマグカルドの方を見た。マグカルドは杖を手に持ちクレイナスを睨みつけていた。


「カズトさん!私が援護します!」


 そう言うと杖を振る。今度は霧のようなものが現れ俺の方に近づきやがて俺の体を包み込んだ。その瞬間、俺の体が軽くなり力があふれてくるような感覚が現れた。

 マグカルドは更に二回杖を振るうと俺に向かって叫ぶ。


「私が出来る最大限の支援魔法をかけました!これならカズトさんの攻撃も効くはずです!」

「助かる!」

「……ふふ、院長せんせぇ~。意外とやりますねぇ」


 興味深そうにマグカルドを見るクレイナスに俺は再び接近する先程よりも素早く近づき刀を振り下ろす。クレイナスは警戒しているのか黒い球体を生み出し俺を防ごうとするが一瞬の拮抗があったのちに球体を寸断。勢いを多少削がれつつもクレイナスに向かっていく。


「っ!?」


 彼女にとってもまさかの出来事だったのだろう。目を見開き刀に怯えるかの如く大きく体を仰け反らせて回避した。しかし、それは同時にクレイナスは隙を大きく見せたという事だ。この場には俺だけではなくマグカルドもいるのだ。

 案の定マグカルドが杖を振るい水の球体を生み出すと一気に放った。この時に気付いたがマグカルドの球体は円形というよりも楕円形だった。そして先端は鋭くなっており貫通力を上げているようだ。あの堅い黒い球体を簡単に貫通させる工夫がきちんとされていたという事だ。これも勇者として得た力なのかもしれないな。

 そんな水の球体は体勢を崩したクレイナスの左腕に直撃した。身体強化され鋼鉄の如き強度を誇る腕とぶつかりあう。数秒それが続くが水の球体がクレイナスの身体強化を上回り左腕に深々と突き刺さった。そして勢いが続く水の球体はそのまま左腕を抉り寸断した。


「がっ!あ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 腕を抉られる痛みと寸断された左腕の痛みがクレイナスを襲っている様で美人と言える顔を大きく歪ませて痛みに耐えている。

 俺は刀をクレイナスの腹部と垂直になるように構える。所謂突きを意識した体制でクレイナスに突進する。クレイナスは未だに痛みに耐えているがある程度近づくと漸く気づき防御を行おうとするがそれよりも先に俺の突きがクレイナスの心臓に深々と突き刺さった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ