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納得と襲撃

「……成程な。貴方が何故これほどの力を持っているのかは把握したし何が起きたのか、どういった人生を歩んできたのかも把握した」

「……お判りいただけましたか?」

「ああ、むしろぶしつけに聞いてしまった」

「いいえ、既に50年以上前の話です。今となっては遠いかなたの話ですよ。幸い両親以外に親族はいませんでしたし勇者として連れていかれる際に多額の金を貰って豊かに暮らしたことでしょう」


 そういうマグカルドの表情は少し悲しげであった。俺に両親はいないし居たとしても体を改造された際に全ての記憶を失った。あるのは俺がこの体になった後の記憶しかない。だから彼女の気持ちはいまいちわからなかったが肉親への情というものはどれだけひどい仕打ちを受けても感じるものなのかもしれない。

 そんな事を思印柄マグカルドに話しかける。


「俺としてはこれだけ聞ければ十分だ。……明日、シェダル村を出てケラースに向かう。そのあとはジェミナイ連邦を経由してヴァーゴ王国や西方諸国を旅する予定だ」

「そうなのですか……。あちらに行けば否応にも分かる事ですが一応警告しておきます。40年前ですが西方諸国には魔王と同種の存在が頂点に立つ国があります。今も変わっていないのなら厄介な存在です。十分気をつけてください」

「魔王と同種?それは一体……」


 俺が話を続けようとした時だった。外が急に騒がしくなり遠くの方から悲鳴が聞こえてきた。更に近くからはうなり声のようなものが聞こえてきた。そして、俺たちがいる部屋の扉がいきなり破壊され複数の人影が入って来る。


「なんだ!?」

「これは……、ゾンビ!?いきなりなんで……」


 マグカルドの驚きの声を聴き俺は改めて侵入者を見る。確かに人というには明らかに無理がある見た目をしている。先ず皮膚は黒くなりつつあり生気は全く感じさせない。更に腹部に穴が開き胃腸が垂れ流しになっている者もいるがそいつらからは血が一切噴き出していない。加えて目がなかったり飛び出ている者もおり全体的にグロテスクな様相だった。

 そいつらは両手をこちらに向けてゆっくりと向かってくる。その姿は一昔前のゾンビ映画をほ彷彿とさせるがここはカメラが回りスタッフや監督が指示を出し俳優や女優が演じる撮影スタジオではない。俺は一番近いゾンビの腹部を蹴り相手を仰け反らせると同時に後方のゾンビを巻き込み倒した。残念ながら刀も銃火器も全て部屋に置きっぱなしである。故にこの場は素手で対応するしかなかった。せめて武器になる物が近くにあればよかったのだが周囲には手ごろな武器になりそうな物はない。

 そして俺がゾンビから視線を外すと同時に蹴りに巻き込まれなかったゾンビが一斉に襲いかかってきた。


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