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王女襲来

 報奨金をたっぷり貰った俺はお世話になっていた宿に戻っていた。荷物を受け取るためともう一泊するためである。現在王都はスラム街から人が流れ込んだ影響で混乱状態にあり一時的に出入りを禁止していた。門が開放されるのが翌日以降と言う事で俺は宿を再び取ろうと思っていたのだ。


「そんな事情なら勿論歓迎だよ。反乱もすぐに収まったようだし店に被害はないからね」


 女将さんはそう言って借りていた部屋を再び貸してくれた。俺とナタリーは分担して荷物を戻し再びベッドに横になった。王都に来てから良い事もあったがこんな事に巻き込まれるとは思ってもみなかった。とはいえ金が手に入ったので今回は良しとしよう。


「うーん、どうするか……」


 とはいえ本来なら既に王都を発っているはずだったので暇になってしまった。しかも今王都は混乱している。普通に店を開いているものなどいないだろうし出歩いてまた巻き込まれるのは勘弁だった。

 今日はもう寝るかと思い俺は瞼を閉じようとした時だった。廊下の方から慌ただしい足音とともに扉が荒々しくたたかれる。一瞬反乱に加担した残党か?と思ったがそうならば扉を壊してでも押し入って来るだろうから違うと判断できた。


「カズト君!いるかい!?」

「女将さん?一体どうしたんですか?」


 扉を叩いていたのは女将さんだったようだ。ただ、その声はかなり焦っているように聞こえた。俺は扉に向かい少しだけ開けた。そこには少し顔を青くした女将さんが居り俺が顔を出したのを見て一気にまくし立てるように話し始めた。


「カズトくん!そ、外に!外に!お、王女様が!」

「王女様?」


 王女様と言う言葉に俺は驚く。王女様と言うからにはサジタリア王国の王女と言う事なのだろう。という事はこの混乱する王都を移動してきたという事だ。そしておそらく目的は俺の可能性がある。国王に謁見して大金を手に入れたのだ。何かしら目的があるのが察せられた。

 俺は今度は一体何に巻き込まれるのか辟易しながら扉を開け廊下へと出るのだった。


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