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王都動乱・陸

「これで……、最後!」


 俺はそう言って男の首を切り落とした。俺の周囲には反乱に加担した者達の死体が転がっている。ナタリーの支援の下この場にいる半数以上を切り殺した。結果反乱に加担した者達の大半が死に残っているのは転生者の男とそれを護衛する数人のみだった。転生者の男はこちらを射殺さんばかりににらみつけてくる。

 俺は刀についた血を振り払う。相変わらずすさまじい切れ味だが途中からは血のせいで少し切れ味が落ちたようにも感じた。とはいえ少しの差なので問題はないだろう。


「さて、これで反乱は実質失敗したようなもんだな。一応聞くが諦める気はあるか?」

「ふ、ふざけるな!」


 転生者の男は怒りのあまり叫ぶと俺に手のひらを見せてくる。瞬間俺の横をすさまじいスピードで水の球体が通り過ぎた。……幸い頬が切れなかったが今の一撃は俺に脅威の感情を噴きあがらせた。

 俺は腰を低くして一気に近づく。男のところまでそれなりの距離がある上に護衛もいる。流石に何発かはあたる覚悟をしないといけないな。そう思った時だった。


「とりゃー!」


 短い声と共に俺の隣を一騎の騎士が後方から飛び出し目の前の護衛の男を持っていた剣で薙ぎ払った。護衛の男たちは上半身と下半身を分断され上半身は空中に打ち上げられた。

 護衛を一撃で全滅させたその騎士は剣についた血もそのままに剣を転生者の男に向けて叫んだ。


「お前か!サジタリア王国を滅ぼそうとしている奴は!」


 その騎士はそう言って大声を上げた。……確か王国騎士団団長の娘だったか?確か一週間くらい前にアレフを出発していたはずだが、そう思っていると後方から騎士団員が入ってきた。よく見ると誰もが傷を負っているように見えた。他にも王都の方から騒ぎ声が聞こえてきたので多分スコルピオン帝国に向かった軍勢が帰ってきたのだろう。その事から見て遠征は失敗したのだろうな。

 そんな風に考えていると騎士団団長の娘、ミュレイだったがこちらに顔を向けてきた。


「えっと……、君は誰だい?」

「あー、偶々反乱の場面に居合わせたんで報奨金狙いで反乱を鎮圧してた者です」

「そうなのか?なら鎮圧し終わったら事情を聞きたいから顔を見せに来て。あ、僕は王国騎士団団長代理のミュレイ。よろしく」

「鈴木和人だ。鈴木が姓だ」

「ふむふむ、カズト……、ね。分かった。それじゃさっさと潰そうか」


 ミュレイはそう言うと自身の身長並みにデカい大剣を振り上げ残った転生者の男に振り下ろした。


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