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王都滞在・Ⅰ

 王都アポロンの中は外の悲惨な光景とは打って変わった光景が広がっていた。石造りの何階建てもある住居。正面の表通りにはゴミ一つない綺麗な道。そして都市を囲む壁より大きい壁に守られた城が聳え立っていた。まさにサジタリア王国の王都と呼ぶにふさわしかった。


「凄い活気だな」

「……一応、交通の要所」


 俺の驚きを含んだ言葉にナタリーがそう返す。確かに地図上では王都アポロンはアレフと並ぶ交通の要所だった。サジタリア王国北部には魔王領が存在する為東西の交流は主に三つのルートで行うしかない。一つは北方を通るルート。二つ目はここサジタリア王国を通るルート。最後に海上を通るルートだ。基本的にレオル帝国は海上ルートを使用している。サジタリア王国は敵国だからな。しかし、レオル帝国に所属するもの以外はサジタリア王国のルートを使っているらしい。北方に関してはあまり情報がないから分からないがスコルピオン帝国やヴァーゴ王国と言った西方諸国はサジタリア王国を通して貿易を行っているらしい。

 そのおかげでサジタリア王国の王都は貿易ルートとして栄えている。俺が滞在していたベアード砦はまさに東西の貿易をする上で必要な関所の様なものだったようだ。あそこを閉められれば東西貿易は衰退する事になるらしい。

 ……もしレオル帝国の方に行っていればあの土地は魔物で溢れかえり東西の分断の危機に陥っていたのかもしれない。とはいえそれは防ぐことが出来たしレナードさんたちがいる以上あの規模が来ない限り問題はないだろう。一度落ち着いたら顔を見せに行くのもありかもな。


「む、変な事。考えてる……」

「ん?ああ、レナードさんの事をな」

「……じー」

「どうしたんだ?」

「……嫉妬?妬み?ずるい」


 どうやらナタリーは俺がレナードさん、いや他の女性の事を考えるのが嫌なようだ。頬を少し膨らませて不満そうにしているナタリーに可愛らしいという感情を抱きつつ彼女の機嫌を直すために頭を撫でるのだった。


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