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愚者②

挿絵(By みてみん)

 最初に動きがあったのは敵右翼、レサト駐留軍4000である。駐留軍は騎兵を500ずつに分け左右から前進させ残りの3000で中央を堂々と前進した。騎兵で敵の両翼を崩し包囲を狙う典型的な動きであった。それに対して対面する王国騎士団の取った行動は単純であった。


「いくよー!僕たち王国騎士団の力を見せてやるんだー!」

「「「「「おおぉぉぉぉぉっ!!!」」」」」


 王国騎士団団長代理ミュレイを先頭にした突撃の陣形である。丁度△の形で敵に攻撃を仕掛けるこの動きにレサト駐留軍の指揮官は数の差を埋めるための中央突破と考えた。故に彼は歩兵の前進を停止し敵を待ち構えるように指示を出す。同時に騎兵には敵の左右から攻撃をするように指示を出す。3000の軍勢を前に敵は砕け散るだろうと考えた指揮官は次の瞬間その想定を崩された。


「この程度で僕を止める事なんて出来ないよ!」


 先頭を駆るミュレイは自分の身長並みの長剣を振り回し歩兵を薙ぎ払っていく。上半身と下半身で二つに寸断される彼らは皆一様に上半身を宙に浮かばせた。想定外の猛者の登場に歩兵の陣形が崩れ始めた。

 しかし、それを防ぐように駐留軍の騎兵が左右から攻撃を仕掛ける。それに対応するのは王国騎士団所属の歩兵たちである。数の上では互角の彼らを騎兵が襲い掛かる。

 騎兵と歩兵の場合騎兵の方が圧倒的に有利である。歩兵より高い位置からの攻撃や騎馬の突進力、速度と歩兵より優れた部分が多かった。しかし、それは動き続けている場合の話である。王国騎士団の歩兵は騎馬の突進を受け止め敵の足を止めることに成功したのである。これによりその後方より迫っていた後続が前列と接触、落馬などが相次いだ。更にその後ろからも騎兵が突っ込み一気に騎兵を半数近くまで減らすことに成功したのである。更にミュレイは勢いそのままに敵軍の半分の位置まで食い込んでおり駐留軍歩兵は陣形をズタズタに切り裂かれ復活がほぼ不可能になっていた。

 圧倒的に不利な状況で始まったサジタリア王国軍1万とスコルピオン帝国軍1万3000の戦いは意外な事にサジタリア王国軍優勢で始まったのであった。


挿絵(By みてみん)


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